むくみとは

ふくらはぎの原因

むくみとは末梢の血管やリンパ管から出た水分が皮下組織に過剰に溜まっている症状です。

皮下組織には細胞と細胞の間に一定の量の水分があり、これを間質液(組織間液)といいます。むくみはこの間質液が増えて顔や手足などに浮腫が生じた状態です。

むくみは血管やリンパ管から浸みだす間質液が過剰なとき、あるいは血管やリンパ管への間質液の回収がスムーズにいかないときに生じます。

むくみは体液の塩分濃度の調節がうまくいかないとき、運動不足、筋肉量の低下などで起こります。

男性よりホルモンのバランスが変わりやすく筋肉が細い女性はむくみを起こしやすく、お酒を飲んだ翌朝の顔のむくみや立ち仕事をした夕方の足のむくみに悩む女性が少なくありません。

むくみを早く解消するにはラシックス(フロセミド)ルプラック(トラセミド)など利尿剤が役に立ちますが、日常生活の見直しでも改善することができます。

むくみやすい場所

ふくらはぎのむくみ

むくみが起こりやすいのは、下肢とくに膝から下のすねの部分です。皮下にある細胞間液も重力の影響で下半身にたまりやすいのです。

下半身の細胞間液を回収する静脈やリンパ管の流れをサポートするのがふくらはぎの筋肉の動きです。この筋肉が細かったり、立ちっぱなしの姿勢でいるとむくみが生じやすくなります。

まぶたなど皮膚が薄く皮下脂肪がない場所も細胞間液が溜まりやすく、むくみを起こしやすい場所です。

顔もむくみが出やすい場所ですが、昼間起きているときは頭が高い位置にあるので重力の関係であまりむくみは生じません。

顔のむくみは夜寝ている間に起きやすく、お酒を飲んだり、夜中にラーメンを食べて塩分を摂りすぎたりした翌朝に、顔がむくんでいることがよくあります。

病気が原因のむくみもこのような場所に出やすいのですが、重症になると全身がむくむこともあります。

むくみのメカニズム

血液と細胞の栄養の受け渡しは間質液(細胞間液)を通じて行なわれます。間質液は細胞の周囲にある液体で、体重のおよそ20%を占める量があります。

細胞は間質液から栄養を受け取り、老廃物を間質液に排出します。リンパ管からもリンパ液が滲出して間質液になり、やはり細胞と栄養の受け渡しをしています。

皮下組織にも一定量の間質液があり上記のような役目を担っていますが、血管やリンパ管からの水分の滲出が過剰になり、回収が滞って浮腫になっているのがむくみです。

間質液の供給や回収のバランスは身体の塩分濃度やホルモンの作用、腎臓のはたらき、筋肉の動きなどで調整されていますが、この調整がうまくいかないときにむくみが生じます。

むくみの原因は?

ふくらはぎの原因

皮下組織の細胞間液(間質液)が過剰になってむくみが生じる原因には、生理的な原因、物理的な原因、病気によるもの、の3つがあります。

▼むくみの生理的な原因

むくみの生理的な原因には次のようなものがあります。

  • 水分の排せつをうながすカリウムの不足
  • 塩分の摂りすぎで電解質バランスがくずれて、血管から水分が過剰に滲出する。
  • ホルモンバランスの乱れによって自律神経が失調し、水分の細胞間への滲出が過剰になる。生理前にむくみが出やすいのは、黄体ホルモンに身体に水分を溜める作用があるからです。
  • アルコールの摂りすぎで血管透過性が高まり、細胞間液が過剰になる。
  • ビタミンB1の不足。ビタミンB1が不足するとさまざまな代謝活動が低下してむくみが生じやすくなります。その重症化したものが脚気です。

▼むくみの物理的な原因

細胞間液を回収する静脈やリンパ管の流れは、筋肉の動きによってサポートされています。ふくらはぎが第2の心臓と呼ばれるのはこのためです。

筋肉が細い、あまり運動しない、長時間同じ姿勢でいる、長時間立ち仕事をする、などで静脈血やリンパ液の流れがとどこおるとむくみが生じます。

▼むくみが生じる病気

  • 腎臓に病気があり尿をつくる機能が低下するとむくみが生じます。
  • 心臓の動きが病気や高齢で弱くなると、血流が滞ってむくみが生じやすくなります。
  • 肝臓に病気があると、血管の水分を調節するアルブミンという生理物質が作られなくなり、むくみが生じます。
  • 下肢動脈瘤になると血液の流れがとどこおり、むくみが生じやすくなります。

日常的にむくみが生じる人は、これらの原因のいくつかが重なっている場合が多いと考えられます。女性はホルモンバランスの変動が多く、筋肉が細いので、男性よりもむくみをおこすことが多くなります。

過剰なダイエットでもむくみが生じることがあります。これは、栄養不足で筋肉が細くなる、卵巣の活動が低下してホルモンバランスがくずれるなどの原因によります。

むくみの改善・予防法

むくみの解消法には、①運動で血液循環をよくし、筋肉をつける、②カリウム不足・塩分過多に気を付ける、③アルコールの摂取をひかえる、④規則正しい生活でホルモンバランスを整える、などがあります。

▼運動によるむくみの解消

心臓というポンプがついている動脈と違って、静脈の血液やリンパ液は筋肉の動きがポンプの代わりをしています。

とくに、起きているときに下半身の血液を重力に逆らって心臓まで送り返すのには、筋肉の動きのサポートが必要です。

同じ姿勢で筋肉の動きがないと血流やリンパの流れが停滞して、皮下に染み出している水分の回収も滞ります。ときどきストレッチをするなどで血流をうながしてやりましょう。

女性は筋肉、とくに第2の心臓といわれるふくらはぎの筋肉が細いので、下半身の血流がわるくなりがちです。運動の習慣をつけて筋肉を太くすることでむくみが改善します。

足のマッサージも血流を改善してむくみを取る効果があります。

▼カリウムの不足・塩分過多に気をつける

むくみの原因になる細胞間液の量は、細胞膜の浸透圧を調整するカリウムやナトリウム(塩分)でコントロールされています。

果物や野菜に含まれるカリウムが不足したり、塩分を摂りすぎると水分の排せつがうまくいかず、むくみが生じます。

深夜に塩分の多いラーメンを食べると翌朝顔がむくむのは、塩分過多とカリウム不足(水分過多)の両方に原因があります。

お酒を飲み過ぎない

アルコールは血管を拡張し、血管壁の水分透過性を高めるので、むくみの原因になります。

▼ホルモンバランスを安定させる

生理前にむくみが出るのは、黄体ホルモンの分泌が盛んになるからです。

月経によるホルモンバランスの変動は避けることができませんが、ストレスをためない、規則正しい生活をして睡眠を充分にとる、などの注意がホルモンバランスの乱れを防いでむくみを改善します。

むくみに良い食事は?

むくみの解消に効果がある食品はカリウムを豊富に含む果物や野菜です。

カリウムはナトリウム(塩分)ととともに身体の水分調節をする重要なミネラルです。カリウムが不足したとき、ナトリウムが過剰なときにむくみがおきやすくなります。

厚生労働省が推奨するカリウムの1日の摂取量は男性が2,500mg、女性が2,000mgです。

スポーツをしていて汗の量が多い人、利尿作用があるコーヒーやお酒をたくさん飲む人はカリウムの消費が多いので、多めに摂取することが望まれます。

塩辛い食べ物を好む人も、ナトリウムが過剰になり相対的にカリウム不足の状態になりやすくなります。

▼むくみに良い食材

カリウムの多い食材には次のようなものがあります。カッコの中の数字は100g中のカリウム含有量です。

<野菜・果物>
ほうれん草(490mg)、かぼちゃ(480mg)、水菜(370mg)、バナナ(360mg)、トマト(290mg)

<芋類>
里芋(560mg)、さつまいも(540mg)、ジャガイモ(340mg)

<魚>
タイ(470mg)、カツオ(430mg)、鮭(400mg)、マグロ(380mg)、ブリ(380mg)

<肉>
鶏ささみ(420mg)、豚ひれ肉(410mg)、牛ひれ肉(370mg)、豚もも肉(350mg)

むくみに良いサプリメントは?

むくみに良いとされるサプリメントの主成分はカリウムです。カリウムの含有量は300mgから1,000mgと製品によりさまざまですが、食事でとるカリウムの補助と考えることが大切です。

サプリメントでカリウムを過剰に取ると不整脈などの原因になり危険です。サプリのラベルに記されている1日の摂取量を守りましょう。

むくみに良いとされるサプリにはカリウムのほかに、製品によって次のような成分が配合されています。

  • メリロート 豆類に含まれる成分で、血行を改善すると言われています。
  • シトルリン スイカ、キュウリ、メロンなどに含まれる成分で利尿作用があります。

漢方薬では次のようなものがむくみに効果があるとされています。

  • 八味地黄丸(はちみじおうがん) 冷え症によるむくみを改善します。
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 月経前のむくみに効果があると言われます。
  • 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう) 水分の摂りすぎによるむくみに効果があります。
  • 真武湯(しんぶとう) 新陳代謝を活性化してむくみを取ります。

むくみ改善の利尿剤ラシックスとは?

利尿剤ラシックス

朝起きたときに気づくまぶたや顔のむくみは時間がたてば自然に解消しますが、午前中に人と会わなければいけないときは困りますね。

そんなときに素早くむくみを解消するのが「ラシックス」です。ラシックスは利尿剤の1種で、腎臓で作られる尿の量を増やして身体の余分な水分を排泄する作用があります。

有効成分のフロセミドはループ利尿薬に分類される、もっとも利尿効果が大きい成分です。

ちなみにフロセミド以外の利尿剤にトラセミドやアルダクトンがあります。

トラセミドはルプラックというお薬名で販売されています。

腎臓で水分を再吸収して血液に送り返すはたらきを抑えて、尿の量を増やします。ラシックスの効果は服用後30分くらいで現れて、4~5時間持続します。

ラシックスは、むくみの解消のほかに血圧を下げる効果や心臓の負担を減らす効果があり、高血圧、心不全の治療にも使われています。

通常は1日1回朝に服用しますが、症状によって朝と昼の2回服用します。尿の量が増えてトイレの回数が多くなるので、夜の服用は避けましょう。

ラシックスを服用しているときは、カリウム不足にならないように果物や野菜を積極的に食べるようにしましょう。

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