トリコモナス症の原因、症状と治療薬

トリコモナス症とは

トリコモナス症の病原菌

トリコモナス症とは、トリコモナスという0.1ミリほどの大きさの原虫が性器内に入りこんで炎症などを引き起こしてしまう性感染症です。

感染部位は膣や膀胱、肛門内が多いと言われています。

他の性感染症とは異なり、性活動が活発な若い世代だけではなく、中高年にも感染者が見られるものでとても幅広い年代の人が感染しています。

男女ともに感染する可能性がありますが、特に症状が出やすく感染しやすいのは女性です。

症状が分かりやすいのもその理由かもしれませんが、とくに女性は気を付ける必要があるかもしれませんね。

そして、このトリコモナスは性行為のみによる感染だけではなく、バスルームやトイレ、下着やタオルなどからの感染も少ないですが可能性としては十分にあり得ます。

その理由として、性行為経験のない女性や子供への感染例もあがっています。

最近では生活環境もよくなり、公衆のトイレや温泉なども綺麗にされていることが多いので、性行為以外での感染はほとんどないようですが、可能性がゼロではないので、特に海外への旅行や環境の良くない場所で過ごす時にはできる限り自分で清潔に保てるような努力が必要かもしれませんね。

トリコモナス症の症状

トリコモナス症に感染すると、主に性器周辺、感染部位にかゆみや痛みがでてきます。

男性女性の両方に感染はしますが、症状が出やすいのは女性の方です。

男性の場合、感染してもほとんどの人は症状が出ずにそのまま治ることも珍しくありません。

男性で症状が現れる人の多くは尿道炎などの症状が出る人がほとんどです。排尿時の痛みや、ひどい人だとペニスから膿のようなものがでる人もいます。

尿道だけの感染の場合は、尿と一緒に流れて治ることが多いのですが、前立腺や精のうに寄生してしまうと症状は悪化してしまい、前立腺炎なども引き起こしてしまいます。

女性が感染してしまうと膣だけでなく、子宮頚管や膀胱、尿道などあらゆる箇所へ感染してしまいます。

女性は感染すると男性よりは症状が分かりやすく、主な症状は白い泡状のおりものが出て、さらに悪臭がでておりものの量が多くなるなど、あきらかな異常が見られます。

また、膣のかゆみや赤みなどが出る場合もあります。ただし、実際の感染者の中でも症状が現れずに気が付かない、という人はなんと30%もいるそうです。

こうして気が付かずに放置してしまうと、感染範囲が広がり、感染部位が卵巣にまで及ぼすこともあります。

そうなると不妊症や早産、流産にもつながってしまう可能性があるので注意が必要です!

トリコモナス症の原因とは

トリコモナス症の原因はほとんどが性行為による感染です。

トリコモナス原虫は人から人へと感染するのが基本とされていて、コンドームの使用をせずに性行為を行うと感染リスクは高まります。

また、口内から体内に寄生することもあるのでオーラルセックスでも感染する可能性は十分にあります。

自分の身を守るためにも性行為を行う際は必ずコンドームを使用するようにしましょう。

そして、あまり多い症例ではありませんが、トリコモナス原虫は性行為以外でも感染してしまうことがあります。

性行為経験のない女性や子どもでもトリコモナス膣炎が発症してしまったという症例があるのです。

その原因としては、タオルやトイレ、そして大勢の人が使用しているプールや温泉など、様々な人が共有する物からでも感染してしまう可能性があります。

感染者が使用した後に使用して、たまたま性器に触れてトリコモナス原虫が体内に入ってきてしまうのが原因です。

非常にまれなケースですが可能性はゼロではないので覚えておきましょう。

トリコモナス症治療薬の種類

トリコモナス症になってしまった場合の治療法は、内服薬と膣剤があり基本的には薬での治療となります。

主に使用される薬は、メトロニダゾールチニダゾールの2種で、どちらもトリコモナス原虫の繁殖を抑制する働きのある薬です。

男性は内服薬のみでの治療となります。

おおよその治療期間は一週間から10日ほどかかると言われていますが、トリコモナス原虫はとっても生命力があり症状が治ったからと言っても安心してはいけません。

特に女性に見られるトリコモナス膣炎は、薬によって割とすぐに症状が緩和されてきます。

そのために、治ったからと言って薬の使用を中断してしまう人がいますが、実はまだ体内に残存していて再発してしまう、というケースも少なくありません。

治療中には、そして治療を終えるときには必ずかかりつけの医師の判断のもとで治療を終わらせるようにしましょう!

長期間体内に寄生させてしまうことによって、感染範囲も広がり症状も悪化してしまいます。早めの治療、そして適切な治療でしっかりと完治させましょう!

トリコモナス症治療薬の副作用

トリコモナス症の治療で用いられることの多いメトロニダゾールですが、いくつかの副作用が考えられるのでしっかりと覚えておきましょう。

治療中に考えられる主な副作用は、胃腸障害やめまい、味覚障害や舌のしびれなどがあります。

どの症状も必ずおこるわけではなく、体調や体質によっても現れる症状の重さも異なってきます。

どの症状も長くは続かないことが多いですが、たっていられないほどのめまいや副作用だと思われる症状が続いてしまう場合は、すぐに薬の使用を中断してかかりつけの医師に相談するようにしましょう。

また、治療中にはお酒を飲むことは避けるようにしましょう。

治療期間中に飲酒を行うと、吐き気や悪寒などを引き起してしまい、また、薬の働き力も低下させてしまうので治療期間中にはお酒を飲むことは絶対にしないでください。

医師のススメでは、治療薬投与中、投与後の10日間は控えることが推奨されています。

どの薬でも、副作用を引き起こしてしまう可能性は十分にあります。

治療中は身体の変化を常に注意し少しでも異常が見られる場合にもすぐに医師に相談して早く完治できるようにしましょう!

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