冬季うつ病(季節性うつ病)とは


冬季うつ病とは?

北欧などの緯度の高い国では、冬になって昼の時間が短くなるとうつ病のような症状が出る人がいることは昔から知られていました。このような症状を医学的に研究して1982年に季節性感情障害(SAD)という病名を付けたのはアメリカの精神科医ノーマン・E・ローゼンタールです。

日本では雪が多く冬の日照時間が少ない北海道や日本海側に患者が多く、10~11月ごろに憂うつな気分が始まり、2~3月ごろに治まるとのが一般的です。冬以外の季節は健康だというケースがほとんどです。

冬季うつ病の症状は?

冬季うつ病の典型的な症状は次の3つです。

  • 気分が落ち込む。
  • 1日中でも寝ていたいという気分になり、睡眠をとりすぎる傾向が出る。
  • 食欲が増進して太る。とくに甘いものや炭水化物がほしくなる。

このほか、一般的なうつ病と同じに、集中力が落ちて仕事をテキパキさばけない、自己否定的になるなどの症状が出てきます。しかし、春になると何事もなかったように元気になるのが、うつ病ともっとも違う点です。

冬季うつ病の原因は?

冬季うつ病は冬に日照時間が短くなることが原因と考えられています。季節性感情障害という病名を付けたノーマン・E・ローゼンタールは患者に明るい光を当てることで病気を治す「高照度光療法」を開発したことでも知られています。

日照時間が減ると何故うつ症状が出るのかというメカニズムはよく分っていません。しかし、ヒトの体内時計は朝に日光を浴びることでリセットされるので、極端な日照時間の変化が体内時計を狂わせていると考えられます。

ヒトは朝日を浴びると、脳内神経伝達物質のバランスが覚醒モードにシフトして気分の抑揚をつかさどる『セロトニン』の分泌が多くなります。しかし朝日の出る時間がおそくなると、いつまでも睡眠ホルモンであるメラトニンが出続けて、なかなか朝起きられないというようなことが起きてきます。

逆に睡眠を改善したい場合は、睡眠ホルモンのメラトニンを服用することで質の高い眠りができるようになります。メラトニンは加齢やストレスで分泌量が減少し、成長が必要な子供の頃に分泌量が最も多いため、子供は1日に12時間でも余裕で眠れるのです。

冬季うつ病の光療法とは?

出来るだけ日光に当たることがなによりの治療法ですが、冬は日照時間が短くなっているのですから自然の光で足りないときは人口のライトを浴びます。これが光療法、または高照度治療法といわれる治療です。光を顔に、とくに目に当てることが重要です。

ヒトは朝2500 ルクス以上の光を浴びると、自律神経の交感神経の働きが活発になり血圧や体温が上がって、身体が覚醒します。体内時計をリセットされて一日のスタートが切られるのです。

ただし高照度治療法では、治療時間を短縮するために5000ルクスから10,000ルクスの光を使用します。2500ルクス程度だと2時間くらい浴びないと治療効果が得られないからです。

日常生活では意識して日光に当たるようにするのが大切です。自分の部屋が北向きなら、南向きの部屋に変わるだけでも光を浴びる量が違います。その他天気の良い日はできるだけ屋外で過ごす時間を作るのが効果的です。

冬季うつ病を改善する食事とは?

甘いものやご飯、うどんなどの炭水化物が欲しくなるのが冬季うつ病の特徴ですが、その欲望のままに食べていると、体重は増えるしうつの症状も重くなります。

意識してとりたい食品は必須アミノ酸の『トリプトファン』を豊富に含む、肉や魚大豆などのタンパク質です。覚醒ホルモンとも言われる脳内神経伝達物質のセロトニンは、このトリプトファンを材料に作られています。

セロトニンは光を浴びたり、運動をすることで分泌が活発になりますが、その材料は食品、とくにタンパク質を多く含む食品です。また、トリプトファンを体内に取り込むために必要なビタミンB6も肉や魚に多く含まれています。

冬季うつ病の治療薬は?

冬季うつ病の治療薬は、一般的なうつ病の治療薬であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)などの抗うつ剤が使われています。

冬季うつ病は朝起きにくく、1日中眠たいなど、通常の社会生活を送るうえで大きなハンディになる症状が出ます。会社や学校を長期間休むようなことになる前に、精神科・心療内科を受診するなどで、1日も早く治療を始めることが望まれます。

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不眠症の改善や眠りの質を高めるには

冬季うつ(季節性うつ病)などの神経症になると睡眠障害が現れることが多々あります。具体的には以下のような睡眠障害です。

  • 不安や緊張でなかなか眠れない
  • 眠れても深夜や朝方に目が覚める
  • 眠れないのではと不安になると余計眠れなくなる

特にうつ病や不安障害、パニック障害、社会不安障害などの神経症を患っていない場合でも、加齢やストレスなどが原因で眠りの質が低下します。眠れるまでに時間がかかる入眠障害であったり、睡眠が浅くなったり、途中で目が覚めるなどです。

睡眠の質が低下する理由の1つに『睡眠ホルモン』メラトニンの分泌量の低下があげられます。メラトニンとは脳の中で分泌される自然のホルモンで、夕方から夜にかけて分泌量が増えて眠りに誘う睡眠ホルモンです。

このメラトニンの分泌量が減ると睡眠時間が減ったり、睡眠が浅くなったりします。「子供の頃はいくらでも眠れた」というのは事実で、メラトニンは子供の頃に最も多く分泌され、十分な睡眠を促進して子供の健全な成長を後押しします。

睡眠不足は睡眠の質の低下は『老化』の原因になるため、メラトニンをアンチエイジング(老化防止)として服用して快眠をしている人も多いのが現実です。特に欧米ではメラトニンは薬局で普通に購入できるため、サラリーマンから主婦、ご年配の方々が睡眠改善、時差ぼけ、老化防止などに使われています。

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うつ病など神経症が原因の不眠症の場合

睡眠の質や量を改善するメラトニンは自然の睡眠ホルモンのため副作用がなく、まず選択できる睡眠改善の補助薬です。メラトニンは日本では医薬品として薬局では購入できません。

その次に検討されるのが睡眠導入剤と呼ばれるお薬で、デパス(エチゾラム配合)が有名です。デパスには成分が同じで価格が低い「エチラーム」と呼ばれる後発薬(ジェネリック)があります。

デパスは以前の睡眠導入剤と比較して作用が強すぎないことと、作用時間があまり長くないため、就寝の1時間ほど前に服用して脳や筋肉の過度の緊張をゆるめて睡眠に導くお薬です。ちょうど目が覚めた朝にはデパスの作用が薄れているため、作用時間も睡眠導入剤としては有効とされています。

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