片頭痛の症状と治療
頭痛とは
近年、頭痛に悩んでいる方々が非常に増加していますが、頭痛をどれだけ良く理解しているでしょうか。頭痛には様々なタイプがあり、症状や原因も多岐に及びます。ご自身の頭痛を十分理解することが頭痛の改善や予防への第一歩です!
頭痛のタイプ
さまざまな原因で頭痛が発症しますが、大きく分けて頭痛には2つのタイプがあります。1つ目は慢性的な慢性頭痛で、偏頭痛のように他の病状に伴って起きる症状ではなく、何年にもわたり繰り返される「頭痛持ちの慢性頭痛」です。慢性頭痛は「一次性頭痛」、「機能性頭痛」とも呼ばれています。
2つ目の頭痛は、病気(くも膜下出血出血、脳腫瘍等)に伴い発症する頭痛で、「二次性頭痛」、「症候性頭痛」と呼ばれています。病気でなくとも「風邪」や「お酒の二日酔い」に伴う頭痛もこの二次性頭痛に入ります。
一次性頭痛のタイプ
こちらでは、頭痛持ちの方が多い「一次性頭痛」のタイプを紹介します。一次性頭痛には大きく分けて以下の頭痛のタイプがあります。
- 片頭痛
- 緊張型頭痛
- 群発頭痛
片頭痛とは
近年片頭痛(偏頭痛とも書く)の患者さんが増えていますが、片頭痛の症状として「頭の片側」がズキンズキンと激しく痛みます。この片頭痛が始まると「数時間から2,3日」頭痛が続き、人によってはこの頭痛は週に1,2回あらわれます。頭痛に伴い「吐き気」「嘔吐」などの不快な症状があらわれるケースも稀ではありません。
通常、この片頭痛の痛み(発作)が始まると、体を動かすことで更に痛みが悪化し、過敏になるため「光」や普段気にもしない「音」なども不快に感じ、明るい場所で痛みが悪化します。このような症状は、症状の深刻な場合は日常生活に多大な支障が出てしまい、寝込んでしまう患者さんもいるほどの症状が現れます。
緊張型頭痛とは
緊張型頭痛は片頭痛と比較すると発作に伴う痛みは低く、軽度から中程度のため、日常生活への影響も限定的です。ただし頻度が高く、毎日のように「頭がしめつけられる」ような痛みがあらわれます。
片頭痛では体を動かすと痛みが悪化しますが、緊張型頭痛の場合は逆に痛みが和らぐ傾向があります。また、音や光で症状が悪化することもありません。
毎日症状があらわれますが、時間帯としては「午後から夕方」に頭痛がやってくる傾向があり、以下のような症状があらわれます。
- 首こり
- 肩こり
- めまい
- 眼精疲労
- 全身倦怠など

群発頭痛とは
群発頭痛は名称の通り、1日のほぼ決まった時間に頭痛がやってきます。通常、毎日明け方あたりの決まった時間に激しい頭痛があらわれます。期間は1ヶ月から2ヶ月続くことが多いようです。
症状の特徴は「顔の片側の目の奥」に激しい痛みがあらわれることで、目の奥をえぐられると表現されるような激しい痛いを伴います。症状の深刻な場合、痛みの激しさでじっと静止することができず、転げまわるほどの痛みが現れます。この群発頭痛は1年間に1,2度ほどあらわれます。
激しい頭痛以外に以下のような症状が現れることがあります。
- 目の充血
- 涙
- 鼻水
- 鼻づまり
- まぶたの腫れなど
頭痛持ちの人の割合は?
15歳以上の全人口のうち、一次性頭痛(片頭痛、緊張性頭痛、群発性頭痛)を持った人はおよそ4割近くほどと想定されています。どれほど多くの方が頭痛に悩まされているかが分かると思います。
また、片頭痛の頭痛(発作)の症状の度合いは人それぞれですが、日常生活に支障がないケースから、痛みで毎回寝込んでしまう、という深刻なケースもあります。以下のグラフからも分かるように、片頭痛の症状で日常生活に影響が及んでいる方が多いことがわかります。
片頭痛は女性の方が多い?
以下のグラフからもわかるように、男性よりも女性の方が片頭痛にかかりやすい傾向があります。15歳以上の男性の片頭痛の割合は3.6%で、女性は12.9%と男性よりも格段に女性の方が片頭痛患者が多いのが現状です。
年代を見ると男性では20代、30代、女性では30代、40代にピークを迎えているため、働き盛りの年代に片頭痛が多い傾向があります。
(出典:Sakai F , Igarashi H. Cephalalgia 17:15-22, 1997)
片頭痛の原因は?
片頭痛(偏頭痛)を適切に治療するには、まず頭痛の要因をつきとめ、日常生活からその要因を取り除く、または改善する必要があります。片頭痛の主要な原因は「過度のストレス」、「不規則な生活」、「気候」、「アルコールや特定の食べ物」です。
- 過度のストレス
- 心身のストレスは片頭痛の一番の原因となります。ストレスが原因で片頭痛が発症した場合、そのストレスが解消された後もそれまでの片頭痛が再発すると報告されています。そのためストレスを溜め込み片頭痛が発症すると、中長期で頭痛が続く可能性があるため、仕事や日常生活で無理をしてストレスを溜め込まないような工夫を検討することが大事です。常にリラックス、気分転換をする習慣をつけましょう。
- 心身のストレスは片頭痛の一番の原因となります。ストレスが原因で片頭痛が発症した場合、そのストレスが解消された後もそれまでの片頭痛が再発すると報告されています。そのためストレスを溜め込み片頭痛が発症すると、中長期で頭痛が続く可能性があるため、仕事や日常生活で無理をしてストレスを溜め込まないような工夫を検討することが大事です。常にリラックス、気分転換をする習慣をつけましょう。
- 不規則な生活
- 不規則な生活習慣はストレスに次いで片頭痛の原因となります。生活習慣の中でも「睡眠」が頭痛の主要な要因です。「睡眠不足」または眠りすぎの「睡眠過多」も片頭痛の原因となります。また、不規則な食事や過度の空腹感(過度のダイエットなど)も片頭痛のその一つです。運動不足や過度の運動も片頭痛の要因になることがあります。
- 気候
- 気候の変化により片頭痛があらわれることが分かっていますが、特に気候の変わる時期に体調を崩すケースが多く、それに伴い片頭痛があらわれることがあります。理由は、暑さ寒さ、または気圧の変化が片頭痛の要因になるからです。 そのため気候の変わり目には気候に合った衣服や気温には十分注意し、体調の変化には気を配って片頭痛にならないよう気をつけてください。
- 気候の変化により片頭痛があらわれることが分かっていますが、特に気候の変わる時期に体調を崩すケースが多く、それに伴い片頭痛があらわれることがあります。理由は、暑さ寒さ、または気圧の変化が片頭痛の要因になるからです。 そのため気候の変わり目には気候に合った衣服や気温には十分注意し、体調の変化には気を配って片頭痛にならないよう気をつけてください。
- アルコールや特定の食べ物
- アルコール飲料に含まれる「ヒスタミン」が片頭痛を引き起こすことがあります。また特定の食べ物が片頭痛を引き起こすケースですが、以下のような食べ物は片頭痛の要因となり得ますので、頭痛持ちの人は気をつけたほうが良いでしょう。
- グルタミン酸ナトリウム(人工調味料で、インスタント食品やスナック菓子に添加されています。)
- チョコレート、チーズ
- アルコール飲料に含まれる「ヒスタミン」が片頭痛を引き起こすことがあります。また特定の食べ物が片頭痛を引き起こすケースですが、以下のような食べ物は片頭痛の要因となり得ますので、頭痛持ちの人は気をつけたほうが良いでしょう。
片頭痛の治療法は?
片頭痛は「投薬治療」が主流です。以前は一般的な片頭痛の治療薬と言えば「鎮痛剤」や、片頭痛治療薬として「エルゴタミン製剤」の2種類しかなく、服用のタイミングが難しく、必ずしも期待する効果が得られない状況でした。
しかし近年、「トリプタン製剤」と呼ばれるきわめて効果の高いお薬が開発され、それ以来片頭痛の治療薬は一変したと言えます。このトリプタン製剤(有効成分:スマトリプタン)はあらゆる片頭痛に優れた効果を発揮し、服用タイミングに依存せずに効果を示すため、「片頭痛の特効薬」と称されています。
上記のトリプタン製剤を頭痛発症時に服用する投薬治療のほかに、頭痛をあらかじめ予防するため予防薬を服用するなどの予防的な治療も重視されています。予防をすることで片頭痛を防ぐと同時に、起きた場合でもその症状が緩和することができます。
片頭痛の治療薬(頭痛時に片頭痛を緩和)
- イミトレックス(スマトリプタン)
トリプタン製剤で片頭痛(偏頭痛)の痛みやわらげるお薬です。
- イミグラン(スマトリプタン)
こちらもトリプタン製剤で、イミトレックス同様の効果があります。
- スマトリプタン点鼻スプレー
トリプタン製剤のスプレータイプで、イミトレックス、イミグラン同様、片頭痛緩和の有効成分「スマトリプタン」配合の医薬品です。




















