ズキズキ痛い片頭痛!バファリン・ロキソニンでは不十分です

片頭痛の原因・症状とお薬の治療

片頭痛とは

片頭痛とは

片頭痛はこめかみのあたりがズキンズキンと痛くなる慢性の頭痛です。痛みの発作がおきると起きて活動することができないくらい強く痛みます。

発作の頻度は人によりまちまちですが、20~40代の女性に多い病気で患者の7割以上が女性です。

閉経後は自然に治ることが多いのが片頭痛の特徴です。

日本に慢性頭痛の患者は約3.000万人いると推定されていますが、そのうちの約800万人が片頭痛だとされています。

30代の女性では5人に1人が片頭痛持ちとも言われます。

片頭痛の痛みは、頭がい骨内部の血管が拡張して周囲の神経を刺激することで生じます。

その詳しい原因は分っていませんが、月経がある女性に多い病気なのでホルモンバランスの変化が関係していると考えられています。

片頭痛を根本的に治す治療法や薬はないので、治療は痛みが出たときに薬で痛みをしずめる対症療法になります。

市販の頭痛薬でもある程度痛みをおさえることができますが、多用すると発作の頻度が増すことがあるので、通常はスマトリプタンという片頭痛の特効薬を使用します。

発作の頻度が多いときには予防薬を服用することがあります。

片頭痛の症状

片頭痛はこめかみの周囲が、ズキズキと脈を打つようと痛む慢性の頭痛です。

片方のこめかみが痛む場合が多いのですが、両方が痛む場合もあります。

1ヶ月に1~2回痛みの発作がおこりますが、多い人は週に1~2回くらいおきるケースもあります。

▼痛みの出かたと程度

片頭痛は痛みだしてから1、2時間で痛みがピークになり、3、4時間続きます。放置して周囲の血管や神経に炎症が広がると2、3日痛みが残ることがあります。

痛みが出てすぐに薬を飲めばそのようなことにはなりません。

痛みの程度は強く、動くと痛みが増すので、仕事も勉強も手につかないことがあります。

光や音に敏感になり、明るい所や大きな音のする所では痛みが強くなる傾向があります。嗅覚も過敏になり、痛みが出ているときはふだんは気にならない臭いが気になることもあります。

痛みにとともに、胃がムカついて吐き気がする場合があります。

▼痛みの前兆

片頭痛の人の2~3割に、痛みが出る前に特有の前兆があります。

この前兆は閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれ、目の前にチカチカする(あるいはギザギザの形の)光が現れたり、視界の一部がモザイクがかかったように見えにくくなります。

この前兆から20分前後で痛みだしますが、前兆の段階で薬を飲めばほとんど痛みを感じなくて済みます。

片頭痛の原因

片頭痛の原因

片頭痛の痛みは、頭がい骨内部の血管が拡張して、その周囲にある三叉神経を刺激することで生じます。

神経が刺激されると血管から拡張物質が放出されて、その周囲に炎症が起きて痛みが発生します。

その詳しいメカニズムは解明されていませんが、脳内ホルモンのセロトニンの分泌異常に関係していると考えられています。

片頭痛の特効薬であるスマトリプタンは血管のセロトニン受容体に作用して血管を収縮させるお薬です。

片頭痛がおきやすい体質は遺伝することが分っています。とくに母親から娘に遺伝しやすく、母親が片頭痛の場合は娘の5割以上が片頭痛になると言われています。

次に、痛みが出るきっかけについてお話しします。

▼ストレスからの解放

片頭痛は週末などの休日によく発作がおきます。これは仕事のストレスからの解放が発作の誘因と考えられ「週末頭痛」とも言われます。

緊張しているときは血管は収縮ぎみになるので、リラックスして血管が拡張したときに痛みだすと考えられます。

週末頭痛はせっかくの休日を台無しにしますが、薬を常備して早めに服用すればその心配はありません。

▼月経の高温期の前後

女性は月経周期で低温期から高温期に移るとき、あるいは低温期から高温気に移るときに、片頭痛の発作が出やすくなります。

これは卵胞ホルモンの分泌が盛んな期間と黄体ホルモンの分泌が盛んな期間が入れ替わるときで、ホルモンバランスの変化が発作の誘因になります。

排卵日、生理の1~2日前、生理が始まってから1~2日が、このホルモンバランスの変化の時期にあたります。

片頭痛もちの女性でも、ホルモンのバランスが安定する妊娠期間や閉経後は発作が出にくくなります。

▼血管の収縮・拡張をおこす食べ物

血管の収縮や拡張に作用する食べ物や飲み物は片頭痛の発作の誘因になります。拡張作用だけでなく、収縮作用のある食品も誘因になることに注意してください。

血管に作用する食品で代表的なのは次の食品です。

<血管を拡張する食品>

  • アルコール(とくにポリフェノールの多い赤ワイン)
  • 赤い色の発色剤(亜硝酸化合物)を使用しているハムやソーセージ
  • 人工甘味料のアスパルテームを配合した食品

<血管を収縮させる食品>

  • カフェインを含むコーヒー、緑茶、紅茶
  • カフェイン、ポリフェノールを含むチョコレート、ココア
  • グルタミン酸を含む調味料やスナック菓子
  • チラミンを含むチーズ、ココア

▼日差しや気圧変化などの天候

晴れた日の明るい日差しや、気圧の変化も片頭痛の発作の誘因になります。

片頭痛が出た場合の対処法

片頭痛の発作が起きたときの対処法は、できるだけ早く痛みをしずめる薬(スマトリプタン薬)を飲むことです。

薬を飲むのが遅れると、痛みは強くなり、薬が効きにくくなります。

痛みを生じさせる神経や血管の炎症は、連鎖的に周囲の神経や血管に広がり、痛む部分も広がります。

炎症が進むと痛みが回復するのに2~3日かかることがあります。

片頭痛の痛みは、以下の状況で強くなります。

  • 動き回ること
  • 明るいところ
  • 音がするところ

痛みが出ているあいだは、明るすぎない静かな部屋で安静にしてることが大切です。

痛みをしずめる薬は、市販の頭痛薬を多用するとしだいに効きにくくなり、発作の頻度も増える「薬物乱用頭痛」になるリスクがあるので、片頭痛の特効薬であるスマトリプタンを使用することが推奨されています。

▼発作の回数を減らすための対処法

発作の回数を減らすには、発作の誘因の内で避けることが可能なものをできるだけ避けることが有効です。

前章の「片頭痛の原因と発作の誘因」で説明した発作の要因には、意識して避けることができるものとできないものがあります。

週末などストレスから解放されることが発作の要因になるかといって、ストレス漬けになっているわけにはいきません。

なるべくストレスをためないようにすることは有効ですが、思うようにいかないことも多いでしょう。

女性は生理の前後に発作の頻度が高くなりますが、これも避けて通ることはできません。

意識して対処できるのは、食べ物や飲み物に注意することです。

前章であげた発作の誘因になる食品をすべて止める必要はありませんが、経験的に「これを食べたときに痛みが出やすい」という食品があれば、しばらく食べるのを止めてようすを見ましょう。

気候の変動も自由にはなりませんが、日差しが強いときはサングラスをかけるなどの対処は有効です。

その他に、日常生活で気をつけたいのは次のようなことです。

  • 睡眠不足に気をつけて、規則正しい生活をする。
  • 寝過ぎも発作の誘因になることがあるので、休日に寝過ぎない。
  • 強い光、まぶしいライトなどをなるべく浴びない。
  • 音楽を大音量で聞かない。
  • 過労、ストレスの蓄積を避ける。
  • 人ごみや混雑も発作の誘因になることがあるので、できるだけ満員電車などを避ける。
  • バランスの良い食生活をする(ビタミンB2、マグネシウムの不足は発作の誘因になると言われています)。

片頭痛の治療薬

片頭痛のスマトリプタン

片頭痛の治療薬には、痛みが出たときに服用する鎮痛剤と、痛みの発作がひんぱんに起きる場合に服用する予防薬があります。

どちらも対症療法薬で、片頭痛を根本的に治療するお薬ではありません。

▼痛みをしずめる薬

片頭痛の痛みをしずめるには、スマトリプタンの錠剤を服用します。

スマトリプタンは脳内神経伝達物質のセロトニンの受容体に作用するお薬で、血管を収縮して痛みを取ります。

痛みが出てから早く服用するほど短時間で痛みが治まります。発作の前兆の段階で服用することもできます。

ロキソニンやバファリンなどの市販の頭痛薬でもある程度の効果がありますが、スマトリプタンのような医薬品ではないため、痛みが出だしてから時間がたったときや痛みが強いときは効かない場合があります。

スマトリプタンはそのような場合にも効果を発揮します。

▼スマトリプタンの服用法

痛みの前兆があるとき、あるいは痛みが出たしたときになるべく早く服用します。

症状に合わせて1回50~100mgを服用します。次の服用までには2時間以上時間を空けてください。

人によって、動悸、めまい、倦怠感、眠気、身体の痛みなどの副作用が出ることがあります。

血管を収縮させる作用がある薬なので、狭心症などの心臓の病気がある人は服用前に医師に相談してください。

▼片頭痛の予防薬

片頭痛の発作が月に2回以上あって日常生活への支障が大きい場合は、予防薬を服用する場合があります。

予防薬は毎日服用する薬で、発作の回数を減らすほかに、発作時の痛みの程度を軽くする効果もあります。

片頭痛の予防薬としておもに使われているのは、カルシウム拮抗薬の1つの塩酸ロメリジンです。

カルシウム拮抗薬は高血圧の治療に使われる薬ですが、塩酸ロメリジンは脳の血管に選択的に作用するので、他の血管への影響がほとんどありません。

塩酸ロメリジンのほかに、抗うつ剤抗てんかん薬、β遮断薬が使われることもあります。