胃痛とその原因

胃痛とは、一般的にみぞおちの辺りに痛みがあらわれることをあらわしており、さまざまな疾患が疑われる要因となります。

胃炎などの軽度の病気の場合もありますが、胃・十二指腸潰瘍やヘリコバクターピロリ感染症、胃がんなどの重大な病気がひそんでいる可能性も否定できません。

以前は神経性胃炎や慢性胃炎とよばれていましたが、「機能性ディスペプシア」という、検査をしても異常のない胃痛の患者さんも増えています。

この機能性ディスペプシアは、日本でも10人に1人の割合で存在するといわれており、「アコファイド錠」などの治療薬の登場によって注目されるようになりました。

胃痛の原因はさまざまですが、胃酸の出すぎや消化管運動機能の異常、精神的なストレスなどが代表的です。

ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)の感染が原因となることもあり、胃・十二指腸潰瘍や胃リンパ腫、胃がんなどと関連があることが知られています。

また、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)などの医薬品が胃痛を引きおこすこともあるので、何らかのお薬を飲んでいる場合にも注意が必要です。

胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎とは

胃潰瘍とは

胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎は、どれも胃酸によって臓器の内壁がダメージを受ける病気です。

胃潰瘍は、胃壁の深くまでダメージが進んだ症状で、逆流性食道炎は胃酸が食道に逆流して食道の粘膜が傷つく症状です。

胃酸はph1~2という強い酸ですが、胃粘膜がバリア層となって胃壁を守っています。

何かの原因で胃酸が過剰になったり、胃粘膜が薄くなったりすると、胃壁が強い酸に侵されて、炎症や潰瘍が生じます。

食道はもともと胃酸から組織を守る仕組みがないので、胃酸が日常的に逆流すると必ず炎症を起こします。

胃炎の症状

胃炎のもっとも特徴的な症状は、みぞおちの痛みです。

食べすぎや強いストレスで胃酸が多く分泌されると急性胃炎になりみぞおちのあたりが痛くなりますが、日常的にこれが繰り返されるのが慢性胃炎で、胃潰瘍に進行するおそれがあります。

慢性胃炎の症状は、みぞおちの痛みのほかに、胃もたれ、腹部膨満感、胸やけ、ゲップなどがあります。

胃潰瘍の症状も、みぞおちの痛みが特徴ですが、胸やけが強くなり吐き気や嘔吐もひんぱんに出ます。

潰瘍が進むと胃から出血するので、吐血したり、便に血が混じって便の色が黒っぽくなることがあります。

腰や背中など胃以外の痛みを感じることもあります。

逆流性食道炎の症状は、強い胸やけと、喉や口に酸っぱいもの(胃液)がこみ上げてくる呑酸(どんさん)です。

とくに食べてすぐ横になったときに、このような症状が現れます。

食道だけでなく喉も胃酸で炎症をおこすと、声がかすれたり咳が止まらなくなどの症状も出ます。

胃潰瘍や逆流性食道炎をくり返していると、胃がんや食道がんのリスクも高くなります。

また、逆流性食道炎がぜんそくの原因になることもあります。

胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎は、生活習慣と関係が深く、ストレスの影響も大きい病気です。

現在は良い治療薬があるのでしっかり治療することと同時に、生活習慣の改善が大切です。

胃潰瘍とは

胃潰瘍とは消化管粘膜の胃に荒れや穴があくことを言います。

ほとんどの場合、ピロリ菌や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の痛み止めの薬による副作用で発症します。

他にもタバコやストレスも原因になります。胃は胃酸による攻撃因子と粘膜による防御因子のバランスが重要になっています。

胃潰瘍の原因は、胃の防御因子となる粘膜が減少することで、胃酸によるダメージを胃が受けやすくなります。  

胃潰瘍の症状は、潰瘍の場所や年齢によって変わります。高齢者の場合ですが、ほとんど症状がないか感じていない状態です。

よくある症状として痛みを感じます。胸のみぞおちが痛み、食べ物を食べたり胃薬を飲むことで軽減されます。

痛みは他にも、灼熱感やさしこむ痛み、お腹が空いた感じなどあります。

食前の胃痛もありますが、食後に痛くなることが多いと言われております。

痛み以外の症状として、お腹の張りや吐き気・嘔吐があります。  

胃潰瘍を放っておくと、胃がんになる可能性があります。

特にピロリ菌は胃潰瘍を発症しやすく、後に胃がんを発症する可能性は3〜6倍高くなるということが報告されています。

ピロリ菌以外の原因 で生じた潰瘍では、がん発生のリスクは増えないと言われています。

胃潰瘍のお薬

胃潰瘍の治療には、薬物療法やヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法、外科的手術などがあります。

薬物療法では、主に「胃酸の分泌をおさえる薬」と「胃の粘膜を保護する薬」が中心となります。

胃酸をおさえる薬には、ガスター(ファモチジン)やプロテカジン(ラフチジン)などのヒスタミンH2受容体拮抗薬や、ネキシウム(エソメプラゾール)やタケキャブ(ボノプラザン)などのプロトンポンプ阻害薬があります。

これら2種類のうち、効果はプロトンポンプ阻害薬の方が強く、国内ではすべて医師の処方せんが必要な医療用医薬品に指定されています。

投与期間に一定の制限がある(十二指腸潰瘍では6か月、胃潰瘍・逆流性食道炎では8か月など)こともあるので、服用には注意が必要です。

胃の粘膜を保護する薬には、ムコスタ(レバミピド)やアルサルミン(スクラルファート)などがあります。

胃の粘膜を厚くするものや胃酸を中和するものなど、効果はさまざまですが、「防御因子」とよばれる胃の保護機能を高めることで効果をあらわします。

病院で医師が処方するだけでなく、市販の胃薬の中に含まれていることも多いので、安全性が高く使いやすい成分といえます。

ただし、こちらのお薬単独では効果がそれほど強くないので、胃酸の分泌をおさえるお薬を組み合わせることが一般的です。

胃潰瘍の症状

胃潰瘍の症状は、胃の粘膜が障害されることによる、空腹時のみぞおち付近の痛みや、胃酸が出すぎることによる、胸焼けやゲップなどが代表的です。

胃潰瘍とよく似た病気に「十二指腸潰瘍」というものもありますが、胃潰瘍では食事中から食後に、十二指腸潰瘍では空腹時に痛みが出ることが一般的です。

なお、痛みには個人差があるので、大きな潰瘍があるにも関わらず「全く痛くない」ということもあるので、注意が必要です。

これらの症状以外にも、胸やけや胃もたれ、吐き気、嘔吐、食欲の低下があらわれることもあります。

また、胃潰瘍が悪化して胃からの出血がある場合には、タール便や吐血、貧血などの症状があらわれることもあります。

タール便とは、黒いねっとりとした悪臭を放つ黒色の便で、コールタールに似ているためこのような名称がついています。

血液は本来は赤色ですが、胃でおこった出血が肛門まで送られる間に、血液中のヘモグロビンが胃液や腸内細菌の作用を受けて酸化され、黒褐色となります。

胃潰瘍以外にも、食道炎や食道静脈瘤破裂、胃がんなどのサインでもあることもあるので、注意が必要です。

胃潰瘍の場合の食事法

胃潰瘍では、食べ物の消化にかかわる胃に病変部があるため、食事には特に気を付けなくてはなりません。

潰瘍発症の初期は症状が激しく、時には出血の危険性もあるので、消化の良いやわらかい食事を少量ずつ、数回に分けて摂ることが推奨されています。

ミルクやバニラのアイスクリームは胃酸を中和し、栄養にも富んでいるので、おすすめの食べ物の一つです。

急性期を過ぎれば、ある程度普通に食事を摂っても構いませんが、規則正しい食事を心がけることが重要です。

アルコール飲料やカフェイン飲料、たばこは潰瘍の治療を遅らせるだけでなく、再発につながることもあるので、胃潰瘍の治療中には控えるようにしましょう。

食べ物の種類においても、香辛料の強いものや酸味の強いもの、刺激の強いもの(炭酸やコーヒーなど)は避けたほうが無難です。

食物繊維や脂肪分が多い食事は、消化が悪いことが知られているので、消化の良い食事をよく噛んで食べるようにしましょう。

胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎の原因

胃潰瘍の原因

胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎の原因は胃酸過多、あるいは胃酸から胃を守る胃粘膜が薄くなることです。

胃酸過多の原因となるのが、食べすぎ(とくに脂こいものの食べすぎ)とストレスです。

ストレスは胃が空っぽのときでも胃酸を分泌させるので、胃へのダメージが強くなります。

胃粘膜が薄くなり、胃壁を保護する力が弱くなる大きな原因にピロリ菌があります。

ピロリ菌に感染すると、菌の分泌物であるアンモニアなどが胃粘膜を傷つけ胃酸への抵抗力が弱くなります。

ピロリ菌の繁殖が、胃酸の分泌を促進するガストリンというホルモンを増やすことも分っています。

人によってロキソニンやアスピリンなどの解熱鎮痛剤も、胃粘膜を傷つける原因になります。

最近は頭痛や生理痛で鎮痛剤を飲む機会が増えているので注意が必要です。

アルコール度数の強いお酒も胃粘膜を傷つける原因になります。

禁煙も胃潰瘍のリスクを高めるとともに、治療の効果を弱める可能性があります。

逆流性食道炎の原因は、食べすぎ、肥満による腹圧の上昇、加齢によって食道と胃を仕切っている筋肉(下部食道括約筋)が弱ること、などが原因です。食べてすぐ横になるのも、胃酸が逆流する原因になります。

胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎改善・予防の生活習慣

胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎を予防・改善するには、食べすぎないことと、なるべくストレスのない暮らしをすることがもっとも大切です。

食生活で胃酸過多を起こしやすいのは、いわゆるドカ食いと、脂濃いものや香辛料がきついものを好んで食べることです。

とくに脂肪を多く含む肉を大量に食べるのは、消化に時間がかかり、それだけ胃酸の分泌も多くなります。

胃酸が食道に逆流しやすいのは、食べすぎと食べてすぐ横になることです。肥満して腹圧が高くなるのも胃酸の逆流の原因になります。

1日3回の食事を規則正しく、バランスよく取ることで、過剰な胃酸の分泌をおさえることができます。

朝食や昼食を抜く1日2回の食事は、1回食事の量が増えて胃酸過多の原因になります。

深夜に食事をする習慣は、逆流性食道炎を起こす原因になります。

また、睡眠の質も低下してストレス耐性が弱くなり、ストレスの影響を受けやすくなります。

コーヒーなどのカフェイン飲料、アルコール、タバコのニコチンも胃酸を増やす原因になります。

とくに空腹時にこれらを摂取すると、胃酸の影響がストレートに出ます。また、アイスコーヒーはより胃酸の分泌を増やすと言われています。

胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎の治療法

胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎のもっとも基本的な治療は、原因となる胃酸の分泌を減らすお薬を服用することです。

胃酸をおさえる薬は、おもにプロトンポンプ阻害薬H2ブロッカーが使用されます。

ピロリ菌の除菌も、胃潰瘍や胃がんの治療や予防のために有効です。

プロトンポンプ阻害薬

を抑制する効果が高いお薬で、第一選択薬になっています。

胃酸を作る働きをしているプロトンポンプというタンパク質の作用を阻害して、胃酸の分泌を抑制します。1日1回の服用で効果が持続します。

プロトンポンプ阻害薬はロキソニンなどの鎮痛剤が胃を荒らすのを予防するためにも使われます。

プロトンポンプ阻害薬には「タケプロン」、「エソメプラゾール(ネキシウム)」「オメプラゾール」などの製品があります。

H2ブロッカー

胃酸の生産に必要なヒスタミンをブロックするお薬です。プロトンポンプ阻害薬より効果は劣りますが、補助薬として使われます。

H2ブロッカーには市販薬の「ガスター」、「三共Z胃腸薬」などがあります。

その他に、食べすぎたときの頓服として、胃酸を中和する、アルギン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸カルシウムなどが使われることがあります。

ピロリ菌の除菌

ピロリ菌の除菌にはプロトンポンプ阻害薬と2種類の抗生物質(サワシリンクラリス)を7日間服用します。

ピロリ菌除去薬のセットもございますので以下リンクをご確認ください。

逆流性食道炎とは

胃そのものの症状ではありませんが、「逆流性食道炎」という病気も増えています。

胃の内部にある強酸性の胃液や、胃で消化されている途中の食物が逆流することによって、食べ物の通り道である「食道」に炎症をおこす病気です。

粘膜がただれて「びらん」とよばれる症状を引きおこすだけでなく、粘膜や組織の一部が障害される「潰瘍」につながることもあります。

自覚症状としては、胸やけや焼けるような感覚、痛み、口の中に胃酸が逆流する、食べ物がつかえるといった症状があらわれます。

放置してしまうと、食道の粘膜が胃の粘膜に置き換わる「バレット食道」という病気や、食道がんなどにつながることもあるので、治療が必要です。

もともと日本人には少ない病気でしたが、食生活の変化によって、最近では患者さんの数が増えつつあります。

本来であれば、胃酸は食道に逆流することのないように、食道と胃のつなぎ目にある「下部食道括約筋」という筋肉がはたらいています。

しかし、この下部食道括約筋のはたらきが弱まったり、胃酸の量が増えすぎてしまうと、逆流性食道炎を引きおこしてしまいます。

加齢や食事の内容(高脂肪食、高タンパク食、食べ過ぎなど)、姿勢などのさまざまな要因が原因となると考えられています。

逆流性食道炎を放置するリスク

逆流性食道炎は、胃酸が上がった状態になるので胸焼けや酸っぱい胃酸が喉まで上がってきます。

それにより、胃食道の痛みや不快感を感じて日常生活に支障をきたすおそれがあります。

また逆流性食道炎は、喉・食道・胃など炎症しているため、症状によって口から嫌な匂いがでていることがあります。

嫌な匂いは自分で気づかないことがあり、相手に不快な思いをさせている可能性があるので注意してください。  

それよりも気をつけなければならない重要なリスクがあります。

逆流性食道炎は「食道裂孔ヘルニア」という疾患を合併するリスクが高まる恐れがあります。

食道裂孔ヘルニアとは、胃の一部が食道裂孔から胸の方に突出してしまっている病気です。

この症状になると、胸とお腹の間にある横隔膜が食べたものや胃酸の逆流を防ぐことができず、逆流性食道炎を引き起こしてしまうのです。

よって、逆流性食道炎の胸焼けや胃食道の不快感の症状が改善しにくくなります。  

このようなリスクを回避するために、早期に治療することをおすすめします。

参考資料|
日本消化器学会 胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015     
アステラス製薬 病気ガイド 逆流性食道炎食道裂孔ヘルニア

逆流性食道炎のお薬

逆流性食道炎に対してのお薬は様々あります。

大きく分けて1.胃酸を抑えるお薬、2.胃の粘膜を守ったり修復するお薬、3.消化管の運動をよくするお薬、4.漢方薬などあります。

1.胃酸を抑えるお薬は、プロトンポンプ阻害薬ヒスタミンH2受容体拮抗薬、カリウムイオン競合型アシッド拮抗薬があります。

これらは、逆流性食道炎の原因である胃酸の量を抑えることで症状を改善させます。

胃酸を抑える作用の強さとしてざっくりと表すと、カリウムイオン競合型アシッド拮抗薬>プロトンポンプ阻害薬>ヒスタミンH2受容体拮抗薬という順番になります。

2.胃の粘膜を守ったり修復するお薬は、胃の粘膜成分を薬で補うことで胃酸による荒れを防ぎます。

3.消化管の運動をよくするお薬は、食べ物や胃酸の逆流を防ぎます。

また、胃や食道が呑酸で気持ち悪くなったりすることがあります。

その際に、胃酸による胃の不快感を改善するお薬を服用することがあります。

該当するお薬の種類として、主に5-HT4受容体刺激薬やドパミンD2受容体拮抗薬を使用することがあります。

これらは、これらの作用により、消化管の運動が亢進されることで症状を改善します。

4.漢方薬は、逆流性食道炎や消化性潰瘍に使用するものやお腹の張りに使用したりする漢方薬もあります。

逆流動性食道炎の症状

逆流性食道炎の症状は軽い炎症であれば症状を感じていない方もいます。

しかし、炎症がひどくなると人によって「胸焼け」「胃の痛み」など様々あります。

胸焼けや胃の痛みの他に「呑酸(どんさん)」「咳や喘息」「喉の痛み・違和感・眠れない」「胸の痛みや締め付けられている感じ」があります。  

呑酸は酸っぱい液体が口の中まで逆流してきて、ゲップしたりします。

ひどい時には吐き気や嘔吐することもあります。咳や喘息は逆流した胃酸が喉および気管支を刺激したり、食道の粘膜から神経を刺激して発症することだってあります。

喘息の方は、逆流性食道炎の治療を行うと改善することがあります。

胃酸が逆流することによって喉が爛(ただ)れるため、喉が痛くなることがあります。

また違和感を覚えたり、その違和感で眠れないことがあります。

さらに悪化すると、声が枯れたり、食べ物など飲み込みにくくなってしまいます。

胸の痛みは、狭心症に似た痛みを感じることがあります。胸の真ん中の先が痛い(穿通)を感じるため、狭心症と間違えやすいです。

逆流動性食道炎の場合の食事法

逆流性食道炎の症状は軽い炎症であれば症状を感じていない方もいます。

しかし、炎症がひどくなると人によって「胸焼け」「胃の痛み」など様々あります。

胸焼けや胃の痛みの他に「呑酸(どんさん)」「咳や喘息」「喉の痛み・違和感・眠れない」「胸の痛みや締め付けられている感じ」があります。  

呑酸は酸っぱい液体が口の中まで逆流してきて、ゲップしたりします。

ひどい時には吐き気や嘔吐することもあります。

咳や喘息は逆流した胃酸が喉および気管支を刺激したり、食道の粘膜から神経を刺激して発症することだってあります。

喘息の方は、逆流性食道炎の治療を行うと改善することがあります。

胃酸が逆流することによって喉が爛(ただ)れるため、喉が痛くなることがあります。

また違和感を覚えたり、その違和感で眠れないことがあります。

さらに悪化すると、声が枯れたり、食べ物など飲み込みにくくなってしまいます。

胸の痛みは、狭心症に似た痛みを感じることがあります。胸の真ん中の先が痛い(穿通)を感じるため、狭心症と間違えやすいです。

胃潰瘍、逆流性食道炎の病院での治療

< 胃潰瘍や逆流性食道炎の疑いがある場合には >

胸やけや食べ物の逆流、痛みなどの症状があらわれた場合には、胃潰瘍や逆流性食道炎を疑うことが必要です。

自分では正確な診断をおこなうことはできないので、専門医を受診するようにしましょう。

病院を探す際には、「消化器内科」や「胃腸内科」、「胃腸科」などにかかることがおすすめです。

胃潰瘍や逆流性食道炎の正確な診断をおこなうためには、医師の問診に加えて、内視鏡によるカメラの検査が必要となることもあります。

風邪などを診ている一般的な内科では、このような設備は整っていないことが多いので、胃の症状が明らかである場合には専門医を受診した方が良いのです。

< 病院ではどのような治療が行われる?>

胃潰瘍や逆流性食道炎がある場合には、薬物療法が中心となります。

胃酸の分泌をおさえる薬である、PPI(プロトンポンプ阻害薬)やH2ブロッカーが一般的に用いられています。

なかでも、PPIは最も強力な胃酸分泌抑制薬として知られており、高い効果が期待できます。

安中散や六君子湯などの漢方薬が、胃炎や胸やけなどの症状に効果を発揮することもあります。

胃潰瘍の場合には、「防御因子増強剤」とよばれる胃の粘膜を厚くしたり、胃酸を中和するはたらきを持ったお薬を併用することもあります。

ヘリコバクター・ピロリという菌が胃潰瘍の原因となることも知られているので、検査によって菌の存在が確認できた場合には、除菌療法がおこなわれます。

胃潰瘍が重度となり、穿孔(胃に穴が開いてしまっている状態)がある場合には、外科的な治療が必要となる場合もあります。

< 胃潰瘍や逆流性食道炎の生活指導とは? >

胃潰瘍や逆流性食道炎を治療するためには、生活習慣の改善をあわせておこなうことが必要不可欠です。

お薬によって症状を一時的に抑えていても、生活そのものを改善しなければ、治療終了後に再発してしまう可能性があります。

辛すぎる食べ物や甘すぎる食べ物、酸味の強い食べ物、アルコール飲料やコーヒーなどの嗜好品は、胃酸が出やすくなることが知られています。

食物繊維の多い食べ物や脂肪分の多い食べ物も、消化が悪く胃酸を増加させてしまうため、胃潰瘍や逆流性食道炎の治療中には控えるようにしましょう。

肥満も、胃潰瘍や逆流性食道炎のリスクファクターです。適度な運動を行って肥満を解消することで、これらの症状の改善を目指しましょう。

姿勢や服装にも注意が必要です。日中は前かがみの姿勢を避け、寝るときは上半身を高くすることで胃酸の逆流を防ぐことができます。

ベルトやコルセットなどの腹部をしめつける服装も、可能であれば避けましょう。

食後3時間くらいは胃酸が逆流しやすい状態となるので、食後すぐに横になったり、寝る直前に食事を摂ることは避けてください。

寝たままの体勢で飲食をおこなうこともNGです。

ストレスが胃酸の増加につながることもあるので、過労を避け、ストレスの解消を心がけましょう。規則正しい生活を心がけ、睡眠を十分にとることも重要です。

ピロリ菌と逆流性食道炎の関係

ピロリ菌に感染している方は、逆流性食道炎を発症していることが少ないことが知られています。

理由として、ピロリ菌に感染すると胃酸の分泌量が減少します。

結果、胃酸が減るため逆流性食道炎を発症しにくい特徴があります。  

通常、細菌は胃の中で胃酸によって死滅されます。

しかしピロリ菌は、胃の中にある尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する物質を持っており、胃酸をアンモニアで中和させます。そのため、ピロリ菌は死なずに生き延びることができるのです。  

そもそも、ピロリ菌は胃潰瘍になるリスクがあり、放っておくと胃がんになる可能性があります。

井戸水などに存在しています。昔はその井戸水などを飲んでいたため、ピロリ菌に感染していました。

しかし近年、日本の公衆衛生が向上してきたので感染する人が減っています。

それに反して、逆流性食道炎を発症する方が増えた理由になります。  

また最近研究では、ピロリの除菌による逆流性食道炎は一時的なものであることが報告されています。

そのため、慢性胃炎や胃がんのリスクを避けるために、ピロリ菌の除菌をする方が望ましいです。

逆流性食道炎について動画で学ぼう