アフターピルについて

アフターピルは緊急避妊薬です。コンドームが破けるなどの理由で避妊に失敗した、性被害に遭ったなど何らかの理由で妊娠の可能性がある時に、望まない妊娠を回避して女性を守るための薬です。性交後24時間以内に服用すれば90%以上の確率で妊娠を回避することが可能です。

アフターピルの作用には3つあります。排卵を抑制して精子と受精しないようにする作用・子宮内膜の増殖を抑えて受精卵の着床を難しくする作用・子宮頚管の粘液を変化させて子宮内に侵入する精子の動きを鈍くする作用の3つです。

精子侵入時、受精時、受精後の3段階に渡って避妊効果を発揮するので性交後の服用でも問題なく、避妊成功率もとても高いのです。ただし、受精卵の着床後においてはアフターピルの効果はありません。そのため、遅くても性交後72時間以内にアフターピルを服用することが必要です。72時間以内の服用では避妊成功率は約80%です。

アフターピルも低用量ピルと同様に女性ホルモン製剤ですが、一般的に低用量ピルより有効成分の含有量が多く一時的にホルモンバランスが大きく変わるため吐き気や頭痛などの副作用が発現しやすいです。アフターピルの常用は避け、もしもの時の薬としての使用を強く推奨します。

アフターピルの服用タイミング

アフターピルは性交後早くに服用すればするほど高い避妊効果が発揮され、避妊成功率が上がります。

性交後24時間以内に服用すれば避妊成功率は95%以上ですが、時間の経過と共に下がっていき、72時間以内ではおよそ80%まで下がります。72時間以降ではもうすでに受精卵が着床している可能性があるためアフターピルの効果はあまり期待できなくなります。

ただし120時間以内ならおよそ60%は妊娠を回避できると言われているので、72時間以上経過してしまっても望みはまだ残っています。

そのため、アフターピルの最終的なタイムリミットは性交から120時間(5日)と覚えておけばいいかと思いますが、確実な効果を得たいのであれば性交後は出来る限りすぐにアフターピルを服用する必要があることを忘れないようにしてください。

尚、アフターピルは食事や時間帯の影響を受けないので、そういったタイミングは気にせずに服用できます。

アフターピル服用の注意点

アフターピルの服用には注意点が幾つかあります。まず、高い避妊効果を得る条件は72時間以内にアフターピルを服用する必要があります。

最新のピル(エラワン)であれば120時間以内でも高い避妊成功率を保ちますが、ノルレボなど主流のアフターピルは72時間以降は効果が減弱し120時間以内では60%程度まで下がり避妊効果が期待できなくなります。

避妊失敗した性交後は出来る限り早くにアフターピルを服用してください。24時間以内では95%以上の避妊成功率です。

あとは副作用の発現に注意する必要があります。アフターピルは一時的にホルモンバランスを大きく変えるため吐き気や頭痛の副作用が起こることが多くあります。

もしもアフターピル服用後2時間以内に嘔吐してしまったら薬が吸収されず排出されてしまった可能性が高いため、再度のアフターピル服用をおすすめします。食後に服用することで吐き気の副作用はある程度抑えられると言われています。

また、飲み合わせがあまり良くない薬やサプリメントが幾らか存在するので何らかの薬やサプリメントを服用している方は注意が必要です。

アフターピル服用後の飲酒

薬の中にはアルコールとの相互作用で薬の効果に影響が出るものが多数ありますが、アフターピルは基本的にはアルコールの影響を受けないので、服用後に飲酒をしても特に問題ありません。

ただし、注意しなければならないことがあります。飲酒による嘔吐です。アフターピルは吐き気の副作用が比較的多く起こります。お酒も飲みすぎると吐き気を催すことがあるので、アフターピルと過度の飲酒が相まって嘔吐してしまうと薬の成分が体内に吸収されずに嘔吐物と共に排出されてしまう恐れがあります。

アフターピル服用後2時間以内に嘔吐した場合は薬の成分が出てしまい効果が期待できなくなる可能性が高いので、再度アフターピルを服用することを推奨します。服用から2時間以上経過した後の嘔吐であれば問題ないかと思われますが、心配な場合は産婦人科を受診して医師に相談してください。

アフターピル服用後に飲酒をする場合はいつもより量を控えめにしておくようにしましょう。特に服用から3時間以内の飲酒には十分に注意してください。

アフターピル服用後に生理はいつ来る

アフターピルの服用後、3日~3週間ほどで出血があれば避妊が成功したと見なすことができます。この出血を消退出血と呼びます。消退出血はアフターピルの作用によってホルモンバランスが変わり、受精卵が着床するための子宮内膜が剥がれて起きた出血です。もしもアフターピルの服用後から3週間以上経過しても出血がない場合には妊娠の可能性が挙げられるので、妊娠検査薬などで検査をする必要があります。

服用した生理周期のタイミングにより生理の状態は変わります。排卵前や排卵期にアフターピルを服用した場合、月に2回生理が来ることがあります。1つはアフターピル服用による消退出血で、1つは通常の生理です。排卵日の後に服用した場合は、そのまま本来の予定日通りに生理が来ます。

アフターピルを服用することで一時的にホルモンバランスが大きく変わるため、生理周期にも影響をきたします。アフターピルを服用した後は生理周期が元通り安定するまでにおよそ3か月かかると言われています。

アフターピル服用後の消退出血&生理は、開始時期や日数・経血量などにおいて個人差が大きいです。また妊娠時の着床出血や何らかの疾患による異常出血のケースもあり得るので、出血のことで何か心配なことがあれば早めに産婦人科を受診してください。

アフターピルと飲み合わせ

アフターピルと他の薬やサプリメントとの飲み合わせにはいくつか注意点があります。

セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)を含む健康食品やサプリメントはピルの効果が減弱する恐れがあるので併用を控えてください。

プエラリアミリフィカ、チェストベリー・チェストツリー、大豆イソフラボンなど女性ホルモンに関連するサプリメントはアフターピルとの併用で女性ホルモン過剰になる可能性が考えられるので注意が必要です。併用は控えることを推奨します。

C型慢性肝炎治療薬のオムビタスビル・パリタプレビル・リトナビルはアフターピルとして有名なプラノバール(エチニルエストラジオール・ノルゲストレル)と併用禁忌です。

また、市販薬の風邪薬や解熱鎮痛薬にも含まれているアセトアミノフェンはアフターピルと併用禁忌ではありませんが、両者の効果に影響を及ぼす可能性があります。他にも病院で処方される薬にはアフターピルと飲み合わせがあまり良くない併用注意薬が多数存在するため、何らかの疾患で服薬治療中の方は医師か薬剤師に相談してください。

ただアフターピルはその場限りの薬であり定期的に服用する薬ではないので、併用注意薬との問題はさほど心配しなくていいかと思います。

アフターピルの副作用

アフターピルの副作用は吐き気・頭痛・めまい・倦怠感・下腹部鈍痛・乳房の張りなどの症状が挙げられますが、特に吐き気と頭痛の症状が比較的多く起こります。一時的にホルモンバランスが崩れるために起こる症状ですが、通常アフターピル服用後1~2日ほどですぐに改善していきます。

もしも強い吐き気で嘔吐してしまった時、アフターピル服用後2時間以内の場合は薬の成分が吸収されずに排出されてしまった可能性が高いので、再度の服用をおすすめします。

吐き気をはじめ副作用による症状が重い場合や数日経過しても改善しない場合は医師の診察を受けてください。

また、アフターピルや低用量ピル特有の重大な副作用として血栓症があります。アフターピルは毎日継続服用する薬はないので血栓症の発症リスクはごく僅かですが、念のため注意が必要です。特に喫煙者の方はリスクが上がってしまいます。血栓症は血の塊ができる疾患で、最悪命に関わることもあります。アフターピル服用後に何らかの明らかな身体の異常をきたしたらすぐ受診してください。

アフターピルと吐き気止め

アフターピルを服用して多く起こる副作用に吐き気があります。これは一時的にホルモンバランスが大きく変わり、嘔吐中枢を刺激する作用を持つエストロゲンが増えるためだと言われています。服用後2~3時間後に吐き気の症状が出現しやすいと言われています。

アフターピルによる吐き気は吐き気止めの薬によって抑えることが可能です。医療機関でアフターピルを処方してもらった場合は吐き気止めも一緒に処方してもらえることもあります。

その場合主に使用されるのドンペリドン(ナウゼリン)という吐き気止めです。処方医薬品ですが、個人輸入で購入することも可能です。もちろん市販の吐き気止め(酔い止めの薬など)でも問題ありません。

また、吐き気対策には吐き気止めを服用しておくことの他にもできることがあります。ピルを食後に服用すると空腹時に服用した場合より吐き気を抑えられると言われています。炭酸水を飲むのもげっぷが出やすくなるのでおすすめです。

アフターピルの購入方法

アフターピルを手に入れるにはレディースクリニックや産婦人科の医療機関で医師の診察を受けて処方してもらう方法と個人輸入でネット通販などで購入する方法があります。日本ではドラッグストアなど街の薬局でアフターピルを購入することはできません。

医療機関で購入することのメリットは安全性です。何かあれば医師に相談できますし、万が一重い副作用が起きた場合は保障の対象になります。デメリットは費用が高額なのと、緊急用の分しか処方してもらうことができないことが多くお守りで常備しておける分は確保できません。その都度受診する必要があります。

個人輸入のメリットは費用が安く手軽に購入できることです。産婦人科に入る勇気がない、誰かに見られたくないという方にとってもうってつけの方法です。また、お守りとしての常備分も購入することができます。

デメリットは服用が自己責任であることと手持ちのアフターピルがない場合は到着まで日数がかかるのでアフターピルの服用タイムリミット(72時間~MAX120時間)に間に合わない可能性があることです。

アフターピルの値段

アフターピルを医療機関で医師の診察を受けて処方してもらう場合、保険適用外であるため全額自己負担となります。 自由診療のため値段設定は各病院で変わり大きく差があります。

ピルの種類にもよりますが、相場はおよそ5000円~20000円です。新しい世代のピル(ノルレボなど)の場合は1錠10000円以上するのでかなりの高額になります。診察料や処方料や調剤料など、更に検査をした場合は検査料も加算されるので注意が必要です。予めどれくらいの値段になるか受診する前に問い合わせておいたほうが無難です。

ノルレボの低価格ジェネリックに該当するアイピルなど個人輸入のネット通販でアフターピルを購入する場合、こちらもピルの種類によりますが、相場はおよそ1000円~7000円ほどで購入できるため、病院の場合と比較すると大分価格を抑えることが可能です。

海外は国内との薬価差もありますがジェネリック医薬品が豊富に販売されているため、このような価格が実現可能なのです。国内の医薬品と効果の強さや効能に違いはないので安心して使用できます。あとは送料がかかるくらいですが、送料無料の場合も多いです。

アフターピルの避妊率

アフターピル服用による避妊成功率は時間の経過と共に低下していきます。性交後(避妊失敗後)24時間以内の服用であれば90%以上の成功率となり、更に12時間以内に服用できたのであれば95%~ほぼ100%とかなり高い確率で妊娠を回避することができます。そのためアフターピルはとにかく出来る限り早急な服用が大切と言われています。

72時間すなわち3日以内の段階ではおよそ80%まで下がると言われていますが、この時間の段階まではアフターピルの服用は非常に有効です。尚、コンドームによる避妊法の避妊成功率もおよそ80~85%です。

73時間以降の避妊成功率はガクンと下がります。受精から着床(妊娠成立)するまでの時間が約96~120時間であることから72時間以内というのがひとつのボーダーになっているのです。

それでも120時間すなわち5日以内であればおよそ60%は妊娠を回避できると言われているので決して無効ではありません。尚、現存するアフターピルの中で最新の「エラワン」であれば、120時間以内でも80%以上と他のピルに比べて高い効果を発揮します。

アフターピルの種類

緊急避妊におけるアフターピルの服用には2種類の方法があり、ヤッペ法・LNG法と呼ばれています。

ヤッペ法は古くから行われている緊急避妊法で、中用量ピルのプラノバール(有効成分としてエチニルエストラジオール0.05mg・ノルゲストレル0.5mg)を使用します。本来は避妊用の薬ではありませんが、緊急避妊時には避妊薬として転用されます。尚、ヤッペというのはこの避妊法を編み出した医師の名前です。

避妊に失敗した性交後72時間以内に2錠服用し、12時間後に更に追加で2錠服用することで高い避妊効果を発揮します。女性ホルモンの卵胞ホルモンと黄体ホルモンが共に大量に含まれているため吐き気の副作用が多く発現するのと2度服用する必要があるのがデメリットです。

LNG法は現在主流の緊急避妊法で、2011年に国内で正式に緊急避妊薬として初めて承認されたノルレボ(有効成分としてレボノルゲストレル)を使用します。尚、「LNG」は有効成分「LevoNorGestre」を示します。

避妊に失敗した性交後72時間以内にノルレボ1.5mgを1錠(もしくは0.75mgを2錠)を服用することで高い避妊効果を発揮します。ノルレボは黄体ホルモン製剤であり、プラノバール錠と比べると副作用が少ないため身体への負担が小さく服用回数も1度きりで済むことがメリットです。

また、避妊成功率はどちらの方法も正しく服用すれば90%以上ですがヤッペ法よりもやや高めです。

日本では1錠につきおよそ15000円と非常に高額なのがデメリットですが、個人輸入で購入できる海外の製品はアイピルに代表されるジェネリック医薬品もあり価格が大分抑えられています。

アフターピルのノルレボ錠について

ノルレボはHRA Pharma社、国内においては武田薬品から販売されているアフターピルで、有効成分としてレボノルゲストレル1.5mgを含有しています。ノルレボは黄体ホルモン製剤で、排卵を抑制して受精を防ぐ作用・子宮内膜の増殖を抑えて受精卵が着床しずらくする作用・子宮頚管の粘液を変化させて精子を動きにくくする作用で、72時間以内に1錠1.5mgを服用することによって高い避妊効果を発揮します。

ノルレボは国際的にも標準的な緊急避妊方法の薬として位置づけられ、世界中の女性に非常に多く使用されています。日本では2011年に国内初の緊急避妊薬として承認され、現在では国内でも主流となっています。

それまでは中用量ピルのプラノバールを使用した緊急避妊法が一般的でしたが、2回服用する必要があるのと吐き気などの副作用が多く発現するのがネックでした。ノルレボは1回きりの服用で済み、プラノバールと比べるとそういった副作用はかなり抑えられているため身体への負担が少ないです。日本の医療機関で処方してもらう場合、1錠が15000円~とかなり高額であることが唯一のデメリットです。

アフターピルのアイピルについて

アイピルはインドの製薬メーカーであるシプラ社から販売されているアフターピルで、有効成分はレボノルゲストレル1.5mgです。

アイピルは世界中で標準的な緊急避妊薬として多く使用されているノルレボのジェネリック医薬品です。ジェネリック医薬品とは先発品が販売されてある程度経過した後に他のメーカーが追って製造販売した医薬品であるため、有効成分や効果に先発品と相違ありません。

先発品の製造販売では逃れることのできない研究開発や臨床試験のコストがジェネリック医薬品の製造販売では抑えられるため、先発品より価格が安くお買い得です。

アイピルはノルレボと同様に黄体ホルモン製剤です。排卵を抑制して受精を防ぐ作用・子宮内膜の増殖を抑えて受精卵が着床しずらくする作用・子宮頚管の粘液を変化させて精子を動きにくくする作用を持っており、避妊失敗の性交後72時間以内に1錠1.5mgを服用することによって高い避妊効果を発揮します。24時間以内の服用であれば95%以上の確率妊娠を回避することが可能です。

アフターピルのエラワンについて

エラワンはフランスの製薬メーカーLaboratorie HRA Pharma社から製造販売されている、現存するアフターピルの中で最新のアフターピルです。現在日本でも開発が進められています。

エラワンは有効成分としてウリプリスタール酢酸エステルを含有しており、薬学的には黄体ホルモン受容体調節薬に分類されます。ホルモンバランスを変えることで排卵を抑制して受精を防ぐ作用・子宮内膜の増殖を抑えて受精卵が着床しずらくする作用・子宮頚管の粘液を変化させて精子を動きにくくする作用で高い避妊効果を発揮します。

従来のアフターピルと比べると避妊効果がより上がり、性交後72時間以内の服用で95%、120時間以内の服用でも85%以上という高い避妊成功率を保つため時間の制限が緩くなっています。(他のアフターピルは72時間以内で約80%、120時間以内では60%ほどに下がります。)

それでも早く服用すればするほど避妊成功率は高くなるので、避妊失敗の性交後は出来る限り早急なエラワンの服用を強く推奨します。

アフターピルのプラノバールについて

プラノバールはあすか製薬が製造販売している中用量ピルです。有効成分としてエチニルエストラジオール・ノルゲストレルを含有する女性ホルモン製剤です。生理不順、無月経、機能性子宮出血、月経困難症、月経前緊張症、子宮内膜症、不妊症、生理日変更など様々な用途に使用されますが、緊急避妊薬すなわちアフターピルとして使用されることも多いです。

緊急避妊目的で使用する場合、プラノバールは排卵を抑制して受精を防ぐ作用・子宮内膜の増殖を抑えて受精卵が着床しずらくする作用・子宮頚管の粘液を変化させて精子を動きにくくする作用により、性交後72時間以内に2錠、12時間後に追加でもう2錠服用することで高い避妊効果を発揮します。女性ホルモンを一時的に大量に摂取してホルモンバランスを大きく崩すため吐き気の副作用が多いのがデメリットです。

2011年にノルレボがアフターピルとして国内で初めて承認されたため、現在ではノルレボが主流となりプラノバールがアフターピルとして使用されることは少なくなりました。ノルレボはプラノバールに比べると高額ですが1度きりの服用で済み副作用も少ないです。

アフターピルと妊娠中絶の違い

アフターピルはあくまで避妊薬であり、排卵を抑制して受精を防ぐ作用・子宮内膜の増殖を抑えて受精卵が着床しずらくする作用・子宮頚管の粘液を変化させて精子を動きにくくする作用の3段階の作用で妊娠を回避しますが、受精卵が着床した後ではアフターピルは無効です。受精卵の着床とは妊娠が成立したことを意味します。

妊娠が成立した後の妊娠回避もとい妊娠継続を望まない場合は、人工妊娠中絶手術の選択肢しかありません。妊娠12週未満の場合は器具を使用して胎児と胎盤を体外に掻き出すもしくは吸い出す方法で、妊娠12週~21週の場合は人工的に子宮口を広げ陣痛を起こし出産のように分娩する方法で中絶手術を行います。尚、22週以降は中絶不可能になります。

中絶は心と身体に大きなダメージを残します。望まない妊娠を避けるためにも、避妊失敗してしまった性交の後は早急(72時間以内)なアフターピルの服用を強く推奨します。それだけで95%以上の確率で望まない妊娠を回避することが可能です。

アフターピル服用でも妊娠してしまった場合、胎児に影響ありますか

アフターピルを72時間以内に服用すれば平均95%以上の確率で妊娠を回避することができますが、それでも100%ではありません。受精卵着床後にアフターピルを服用しても、着床した時点ですでに妊娠が成立しているため効果はありません。

ごく稀な確率に入った場合やアフターピルの服用が遅れ妊娠回避が間に合わなかった場合、またすでに妊娠していることに気付かずアフターピルを服用していた場合にお腹の中の胎児に何らかの影響があるかというと、影響は与えないというデータがあるので安心してください。

ただし、妊娠中に服用を避けなければいけない薬はたくさんあります。特に妊娠早期4~7週前後の時期は絶対過敏期と呼ばれ、胎児の器官形成がされる時期であり最も薬の影響を受けやすい時期になるので薬の服用には注意が必要です。妊娠中で何らかの薬の服用を希望する場合は、自己判断せずに必ず医師の指示に従ってください。

アフターピルと低用量ピルの違い

アフターピルも低用量ピルも女性ホルモン製剤でどちらも高い避妊効果を発揮しますが、まず服用方法が大きく異なります。

低用量ピルは月経周期に合わせて毎日規則正しく継続的に服用することで排卵を抑制し、高い避妊効果を発揮します。またホルモンバランスが整うことにより月経痛やPMS(月経前症候群)が軽減されるため月経困難症の治療にも多く使用されています。

一方、アフターピルはその場限りで服用する緊急避妊薬です。性交後72時間以内に服用することで一時的にホルモンバランスを大きく変えて排卵を抑制し消退出血と呼ばれる月経を誘発させ、高い避妊効果を発揮します。

アフターピルは一時的にホルモンバランスを崩すため身体に負担がかかり、吐き気などの副作用も少なくありません。性交の度にアフターピルを服用するのは身体的にも金銭的にも負担が大きいので、常に確実な避妊を希望するという方は低用量ピルの服用を推奨します。

アフターピルは常用せず、もしもの時のためのお守り的な薬として持っておくのが適切な使用法です。

アンジュでは緊急避妊はできません

アンジュは第2世代の低用量ピルで、毎日規則正しく継続的に服用することで排卵を抑制し、常に高い避妊効果を発揮することができます。

普段低用量ピルを服用しておらず、避妊に失敗してしまったからといってその日から低用量ピルの服用を開始しても避妊効果は期待できません。低用量ピルを生理初日から開始しない限り避妊効果を発揮するまでに1週間はかかるからです。

低用量ピルを緊急避妊に代用する方法もあります。アンジュなどの第2世代ピルの場合、性交後72時間以内に第3相の黄色錠剤4錠を服用し12時間後に更に追加で4錠を服用することでアフターピルと同等の有効成分量を確保できるため同等の避妊効果を発揮します。プラノバールにおけるヤッペ法に基づきます。ただし一般的ではなく吐き気の副作用も多いのであまり推奨されていません。

緊急避妊が必要で、安全に確実な避妊効果を得たい場合はアフターピルとして使用されている薬剤の使用を強く推奨します。普段から正しく低用量ピルの服用を続けていれば、アフターピルがなくても同等の高い避妊効果を得ることが可能です。