【まつ毛育毛剤】ケアプロストの使い方・副作用・注意点など

目次

まつ毛育毛剤ケアプロストとは

ケアプロストは、塗るタイプのまつ毛育毛剤として有名なルミガンやラティース、グラッシュビスタのジェネリック医薬品です。

まつ毛エクステやまつ毛パーマなど、目元の印象を大きく変えるために美容施術を受ける方が増えています。それと引き換えに、まつ毛の抜け毛に悩む方も少なくありません。美容施術の物理的な刺激によって、念入りなケアを行っていても、まつ毛が抜けやすくなってしまうのです。

多くの美容クリニックでまつ毛育毛剤として処方されているルミガンやラティース、グラッシュビスタといったビマトプロスト配合の薬剤は、その優れた発毛・育毛効果からたくさんの人に愛用されています。

ケアプロストは、ルミガンやラティース、グラッシュビスタと同一の有効成分を同一量配合しているジェネリック医薬品で、インドのサンファーマ社によって開発・販売されています。先発医薬品よりも開発費が抑えられているため、安い価格設定で販売されています。

ルミガンやラティース、グラッシュビスタのジェネリック医薬品としては、ケアプロスト以外にビマットという名称の商品も販売されています。

まつ毛育毛剤開発の経緯

ケアプロストの有効成分であるビマトプロストは、もともとはルミガンの名称で緑内障治療薬として開発された薬剤で、眼圧の異常によって発症する緑内障に対して、第一選択薬として使用されています。

緑内障治療薬として使用されるなかで「まつ毛が伸びる」「まつ毛がフサフサになる」「眉毛が太く濃くなったような気がする」といった声が多数寄せられたため、開発元のアラガン社が追加試験を行ったところ、まつ毛の長さ、密度、色の濃さが増すといった効果が認められました。

緑内障治療薬として長い販売実績があり、安全性も確認されていることから、アイブラシ(アプリケーター)を付け、ラティースという商品名でまつ毛育毛剤として再発売し、美容目的での使用が開始されました。その後、アラガン社の日本法人であるアラガン・ジャパン株式会社が、同成分のまつ毛育毛剤としてグラッシュビスタを発表しました。

ケアプロストの効果

ケアプロストの有効成分であるビマトプロストは、まつ毛の毛包に作用し、毛周期の1つである成長期を延長することで、まつ毛の成長を促進します。また、まつ毛の色の元となるメラニン色素の生成を活発にする作用もあり、まつ毛の付け根に塗ることで、まつ毛が増える、太くなる、色が濃くなるといった効果が期待できます。

国内の臨床試験では、まつ毛の長さ、豊かさ及び色の濃さの全ての項目において、統計学的に有意な改善が認められています。具体的には、16週間(約4ヶ月)の使用で約78%の方に育毛効果がみられ、特に抗がん剤治療による抜け毛がひどい方を対象にした試験では、約88%の方に育毛効果がみられたという結果が出ています。

ケアプロストの使い方

皮膚がかぶれやすい方は、必ずパッチテストを実施してから使用してください。

使用前にアイメイクを完全に洗い流し、コンタクトレンズは外してください。水気をふき取ったまつ毛の生え際に、目の中や口の中に入らないように注意しながら1滴塗ってください。片目のまつ毛につき1滴ずつ使用してください。

塗る際にはケアプロスト専用の付属キット(アプリケーター)の使用をおすすめしますが、綿棒やリップブラシ、細い筆などでも代用が可能です。アイラインを引くように上まぶたの根本に沿って、目頭から目尻の方へ軽く伸ばしながら塗ってください。まぶたからはみ出た液は、ガーゼやティッシュでやさしく拭き取ってください。

ケアプロスト使用中の注意事項

使用回数は、1日1回までです。1日2回以上の使用は効果を倍増することはなく、色素沈着の副作用を引き起こす可能性があるため避けてください。

まつ毛以外の部位への使用は控え、他のまつ毛美容液との併用も避けてください。また、ケアプロストと類似の薬効をもつキサラタン点眼液、ザラカム配合点眼液、ミケルナ配合点眼液、ラタチモ配合点眼液といった緑内障治療薬との併用もできません。

無水晶体眼の方、眼内レンズを挿入している方、眼内炎(虹彩炎、ぶどう膜炎)のある方については、ケアプロストを使用できません。

ケアプロストの副作用

国内の臨床試験では、ごく稀な副作用として眼脂(めやに)、結膜充血、皮膚色素過剰(目のまわりが黒ずむ)が報告されています。これらの症状は一過性で、時間の経過と共に消失する場合がほとんどです。万が一症状が悪化したり持続したりする場合は、使用を中止して眼科などの医療機関を受診してください。

虹彩への色素沈着(メラニンの増加)による色調変化があらわれることがあります。虹彩の色調変化については、中止後も消失しないことが報告されているため、薬液が目に入らないように注意してください。

また、稀な副作用として、一時的に霧視(視野に霧がかかったようにかすんで見える症状)を生じることがあります。症状が回復するまでは、自動車等の運転や機械の操作に従事しないでください。

まつ毛育毛剤ルミガンとの違いは?

ルミガンは、ボトックスを開発したことで有名なアメリカのアラガン社が開発したまつ毛用育毛剤で、アメリカ・カナダ・ヨーロッパなどで販売されています。ケアプロストよりも少々高価ですが、まつ毛育毛剤としての知名度は元祖であるルミガンの方が高いといえます。

国内では、同じルミガンという商品名の薬剤が2009年に緑内障の治療薬として承認され、千寿製薬から販売されています。ただし、国内で医療用医薬品として認可されているルミガンについては、緑内障治療のみが保険適応とされており、美容目的で使用することはできません。

まつ毛育毛剤ラティースとの違いは?

まつ毛育毛剤のラティースは、アメリカの規制当局であるFDAが承認した薬剤で、アメリカ・カナダ・ヨーロッパなどで販売されています。本来は緑内障の治療薬であるルミガンにアイブラシ(アプリケーター)を付け、まつ毛育毛剤として再発売した商品です。

ケアプロストとの違いは、製造するメーカーと価格です。ラティースは、ルミガンと同じくアラガン社が開発・販売している薬剤です。それに対し、ケアプロストはサンファーマ社が開発・販売しているジェネリック医薬品で、同一の有効成分を同一量配合していますが、開発費が抑えられているため、比較的安い価格設定で販売されています。

まつ毛育毛剤グラッシュビスタとの違いは?

グラッシュビスタは、日本の厚生労働省が承認した唯一のまつ毛育毛剤です。

以前から日本に輸入され使用されていたラティースの国内承認版として、グラッシュビスタという商品名に変更されています。2014年に国内で承認され、ルミガンやラティースを展開するアラガン社の日本法人であるアラガン・ジャパン株式会社より販売されています。

国内では、美容皮膚科以外にも一般の眼科や皮膚科で取扱いされている場合もあり、まつ毛育毛剤のなかでは最も入手しやすい薬剤といえるでしょう。

ケアプロストの国内での入手方法

ジェネリック医薬品であるケアプロストは国内での流通量が少ないため、入手方法としては個人輸入が中心です。

それに対し、ケアプロストと同一の有効成分が同一量配合されているルミガンやラティース、グラッシュビスタについては国内の一部医療機関で入手することができます。ただし、いずれも健康保険は適用できず、全額自己負担での自費診療となります。

ルミガンやラティースは、国内ではまつ毛育毛剤として承認されていません。そのため、医師が海外から輸入し、個人的に処方することのみが認められており、自由診療に力を入れている美容皮膚科などで入手が可能です。

グラッシュビスタは国内で医薬品として認可されており、一部の眼科や皮膚科、美容皮膚科などの医療機関で、医師による診察を受けた上で購入することができます。