クラビットについて

クラビットは有効成分としてレボフロキサシンを含有するニューキノロン系の抗生物質で、グラム陽性・陰性菌をはじめ、クラミジア、マイコプラズマ、レジオネラといった非常に幅広い細菌を強い殺菌効果を発揮して死滅させることができます。

尿路感染症、クラミジアや淋病などの性感染症、呼吸器科・皮膚科・歯科・眼科・耳鼻科領域などの感染症、またウイルス感染時の細菌による二次感染対策など様々な症例に世界中で非常に多く使用されています。

クラビットなどのニューキノロン系抗生物質は細菌のDNA複製を阻害することで細菌の増殖を抑制して死滅させます。
従来の抗生物質に比較すると強い抗菌力と病巣への早い移行性があるため、内服薬が効きにくい難治性の感染症にも高い効果を発揮します。
副作用も少なく、ペニシリン系やセフェム系の抗生物質にアレルギーを持つ方にも安全に使用することが可能です。

ただし、近年ではクラビット耐性菌が多く発現しているため注意が必要です。そのため、安易で蔓延的なクラビットの使用は控えることとなっています。

クラビットのクラミジアへの効果

クラビットは抗菌スペクトルが広く多くの細菌に対して殺菌効果を発揮するため、尿路感染症、性感染症、呼吸器科・皮膚科・歯科・眼科・耳鼻科領域などの感染症、またウイルス感染時の細菌による二次感染対策など様々な感染症治療に使用されています。 

日本で一番多い性感染症だと言われているクラミジアにもクラビットは有効であり、世界中で多く使用されています。クラビットは比較的副作用が少なく安全性が高い抗生物質であるため人気があります。

クラビットは細菌のDNA複製を阻害するという作用から殺菌的に働くため、原因菌であるクラミジアの増殖を抑え死滅させる効果が期待できます。尿道炎や子宮頚管炎などクラミジア感染により炎症疾患が起きてしまった場合もクラビットは炎症を抑え、短期間で完治へと導くことが可能です。

ただし、近年クラビットの耐性菌(クラビットが効かないように変異した細菌)が多く発現しているため使用には慎重な判断が必要であり、安易で蔓延的な使用は控えることとされています。

クラミジア治療でクラビットの飲み方

クラビットでクラミジアによる性感染症の治療を行う場合、1日1回500mgを数日間服用します。毎日同じ時間帯であれば何時でも大丈夫です。クラミジア治療の場合、服用期間の目安は7~14日間です。他の感染症治療の際は3~5日程度の服用期間が一般的であるため、クラミジア治療においては服用期間が長めになります。

以前はクラビット100mgを1日3回服用という用法でしたが、様々な感染症治療に非常に多く使用されるため耐性菌(クラビットが効かないように進化・変異した菌)の発現が問題になっていました。そこでクラビット高用量を一気に摂取すると耐性菌ができにくいということが明らかになったため、近年では1日1回500mgという用法が一般的になりクラビット100mg製剤は販売中止になりました。

個人差はありますが、クラビット服用開始後早ければ1週間ほどで症状が改善します。
しかし、症状がなくてもまだ感染している可能性があるのがクラミジアの特徴です。そこで服用を中止すると潜んでいる細菌を見逃し再発してしまう恐れがあるので自己判断での中止はしないでください。

クラビットの副作用

クラビットは抗生物質の中でも比較的副作用は少なく安全性が高い薬ですが、少ないながらも副作用が発現することがあります。

一番多い副作用は下痢ですが、クラビットだけでなく抗生物質全般でよく起こりうる副作用です。通常は症状が起きても一過性であり、軽度であればさほど心配いりません。日常生活に支障をきたす・血便や発熱を伴うなど症状が重い場合や服用終了しても改善しない場合はすぐ受診してください。
その他の副作用として、吐き気や胃痛などの胃腸症状、発疹や光線過敏症などの皮膚症状、めまい、頭痛、眠気などが稀に報告されています。

滅多に起こりませんが、重大な副作用としてけいれん、アナフィラキシーショック、腎障害、肝障害、皮膚粘膜障害、血液障害、アキレス腱障害、横紋筋融解症、低血糖、不整脈、間質性肺炎、大腸炎などが報告されているので念のため注意が必要です。
クラビット服用後に何らかの明らかな身体の異常があれば服用中止してすぐ受診してください。

クラミジアが良くなっても最後までクラビットを飲み切ること

クラビット内服によるクラミジア感染症治療にかかる期間は抗生物質の服用を開始してから約1ヶ月が目安です。内訳はクラビットを服用する1~2週間、そして服薬終了後の検査を行うまでの2~3週間となっています。

クラミジアに感染すると尿道炎や子宮頸管炎を発症し、尿道痛、排尿痛、性交痛、性器の痒み、膿が出る、おりものの異常、下腹部痛などの症状が現れます。個人差はありますが、クラビットを服用開始後は早くて1週間ほどで症状が改善します。
しかし、症状がなくてもまだ感染している可能性が高いのがクラミジアの特徴です。症状がなくなった時点で服用をすぐ中止してしまうと潜んでいる細菌を見逃し再発する恐れがあるので、自己判断での服用中止はせずに決められた日数を必ず飲みきるようにしてください。

また、服薬終了後の検査を行い陰性が確認されるまでは性行為は禁止であることと、クラビットは妊娠中の方は服用できないことに注意してください。

ロキソニンとクラビットは一緒に飲んで大丈夫?

クラビットとロキソニンは同時に処方されることが多くありますが、製薬メーカーの添付文書ではクラビットとロキソニンは併用注意となっています。

なぜクラビットとロキソニンが併用注意なのかというと、併用によって神経内の興奮を抑える働きが強く阻害され痙攣を引き起こす可能性があるためだと言われています。ただし、痙攣が生じる可能性は極僅かで滅多に起こることはありません。研究ではクラビットとロキソニンを併用しても痙攣リスクの増加はないという報告があります。つまり、クラビット単体の場合とロキソニンとの併用の場合とで痙攣が生じる可能性は同じということです。 
尚、併用注意なのはロキソニンだけではなくフェニル酢酸系又はプロピオン酸系の非ステロイド性消炎鎮痛薬全般です。

クラビットは抗菌効果により細菌感染による熱や痛み・炎症などの症状を結果的に改善することはできますが、直接抑える作用はありません。クラビット服用中にこういった症状が強く身体が辛い場合は無理せずにロキソニンを服用してください。 
服用時にクラビットとロキソニンの間隔を空けるといった配慮も特に必要ありません。

クラビットとロキソニン併用の注意点

クラビットとロキソニンなどフェニル酢酸系&プロピオン酸系の非ステロイド性消炎鎮痛薬は併用すると神経内の興奮を抑える働きが強く阻害され痙攣を引き起こす可能性があるため、製薬メーカーの添付文書では併用注意となっています。

しかし、痙攣が発現する可能性は極僅かで滅多に起こることはなく、しかもクラビットとロキソニンを併用しても痙攣リスクは増加しないという報告があります。

ただし、クラビット自体に痙攣の副作用が稀に報告されています。そのため、てんかんなど痙攣性疾患の持病がある方、抗生物質でめまいなどの副作用が起きたことのある方はクラビットの服用に慎重な注意が必要です。
また、高齢者や腎障害の方は薬の排泄が遅れ血中濃度が高くなりがちで副作用の発現リスクが上がるので同じく注意が必要です。当てはまる方はクラビットを服用、またロキソニンを併用する際は服用を開始する前に必ず医師や薬剤師に相談してください。

クラビットが風邪にも処方される理由

クラビットを風邪に対して使用される場合には、主に細菌感染による疾患の可能性がある場合とウイルス感染時の細菌の二次感染の予防・対処が考えられます。風邪はほとんどの場合においてウイルスが原因であり、クラビットをはじめ抗生物質はウイルスには無効であるため風邪を治すことはできません。

溶連菌や肺炎球菌やインフルエンザ菌など風邪によく似た症状を引き起こす感染症や、稀なケースですが細菌性の風邪である場合はもちろん抗生物質が高い効果を発揮します。また、ウイルス性の風邪による炎症など悪化が原因で二次的に細菌にも感染してしまうことが多くあり、その可能性が高い場合に抗生物質が予防的に使用されます。
どちらの場合でも、特にクラビットは抗菌スペクトルが広いため様々な細菌に有効です。

クラビットなどの抗生物質には風邪自体を治す効果はないことを留意してください。昔は風邪をひいたらとりあえず抗生物質という考えが定着していましたが、風邪には効果がないことと近年では耐性菌の発現が問題となっていることから安易な抗生物質の使用は控えられています。

膀胱炎にもクラビットが効く理由

膀胱炎の中でも特に多く見られる急性膀胱炎は膀胱内で細菌が感染して炎症を起こす疾患で、膀胱の痛み・頻尿・残尿感・血尿などの症状が起こります。
特に女性がなりやすく、全ての年齢層で頻発します。疲労・ストレス・病気・加齢など身体が弱っていると免疫力低下によって膀胱炎の発症リスクが上がります。

急性膀胱炎の治療は抗生物質の内服か、軽度であれば自然治癒が一般的です。

膀胱炎の原因菌の90%は大腸菌だと言われていて、クラビットなどのニューキノロン系の抗生物質は大腸菌に対して強い抗菌作用を発揮するため膀胱炎治療に非常に多く使用されています。その他の菌の場合でもクラビットは抗菌スペクトルが広く多くの菌に有効であるため、やはり使用されます。
ほとんどの場合、クラビットを1日1回およそ2~5日間服用するだけで完治することが可能です。

クラビットの淋病への効果

淋菌による性感染症である淋病の治療は基本的には抗生物質による点滴又は注射です。有効成分セフトリアキソンと有効成分スペクチノマイシンが使用されています。
体内で抗生物質の血中濃度が高ければ高いほど抗菌効果が高く完治しやすくなるため、どうしても内服より遥かに高い濃度で直接血中に流れる点滴や注射剤が優先されます。点滴や注射による治療では1回の治療でほとんどの場合完治します。

クラビットは淋病にも有効だと言われていますが、実際の臨床の現場ではあまり使用されていません。内服薬で淋病治療を行う場合はマクロライド系抗生物質のジスロマック(有効成分アジスロマイシン)が服用されることが多いです。

淋菌は耐性化(薬の殺菌攻撃に耐えられるように細菌が変異すること)の進化がとても早く、クラビットにおいては耐性菌が非常に多く発現しています。そのため淋病治療でクラビットが選択されることは少ないです。
淋病と疑われる場合はまず泌尿器科・婦人科・性病科を受診して検査を受け、医師の指示に従い適切な薬で正しく治療していくことを推奨します。

クラビットとフルコナゾールを併用できますか?

フルコナゾールはアゾール系の抗真菌薬で、カンジダ属およびクリプトコッカス属の真菌に対し強い抗真菌作用を発揮します。様々な内臓真菌症や腟炎の治療に多く使用されています。フルコナゾールは真菌特有の細胞膜であるエルゴステロールの合成を阻害することで真菌の成長を抑制、死滅させる効果があります。

一方、クラビットの有効成分レボフロキサシンはニューキノロン系の抗生物質で、グラム陽性・陰性菌をはじめ、クラミジアやマイコプラズマといった幅広い細菌に対し強い抗菌作用を発揮します。様々な細菌感染症の治療に多く使用されています。
レボフロキサシンは細菌のDNA複製を阻害することで細菌の増殖を抑制して死滅させる効果があります。

このようにクラビットとフルコナゾールは「バイ菌を殺菌する」という意味では同じような役割を持つ薬同士ですが、クラビットは細菌・フルコナゾールは真菌と攻撃対象が全く違い、作用機序も全く違います。この2つの薬剤を併用していても特に問題ないので安心して服用してください。

クラビットとジスロマックの違い

ジスロマックはマクロライド系の抗生物質であるのに対してクラビットはニューキノロン系の抗生物質であるため、同じ抗生物質でも化学構造や作用機序が大きく異なります。 ジスロマックは細菌の発育に必要な作業である蛋白合成を阻害することで、そしてクラビットは細菌のDNA複製を阻害することで強力な抗菌作用を発揮します。

クラビットもジスロマックも幅広い抗菌スペクトルを持つため、クラミジアなどの性感染症をはじめ様々な感染症の治療に世界中で多く使用されています。ただし、クラビットは妊婦や授乳婦への投与が原則的に禁止されていますがジスロマックの場合は安全に使用できることやクラビットのほうが抗菌スペクトルが広いためジスロマックより多くの感染症に有効であるなどの違いがあります。

また、クラビットのほうがジスロマックより安価ですが、ジスロマックは1日1回3日間の服用で効果が7~10日間持続するのに対してクラビットにはそういった持続性はなく数日間服用する必要があります。どちらにもメリット・デメリット・特有の抗菌スペクトルがあるため、慎重に判断して薬を選択します。

クラビットはペットの感染症にも効果がありますか?

クラビットは本来は人間用に開発された抗生物質ですが、犬や猫などペットに使用することも可能です。クラビットはペットにおいてフィラリア、下痢、皮膚炎などの治療に使用されることがあります。

ペットに使用する場合は1日1回、有効成分レボフロキサシンとして10mg/kgを服用させます。ペットは身体が小さいので人間が服用する場合よりも身体への負担が大きいです。副作用の発現リスクを抑えるためにも必要最小限の量で服用させるようにしてください。
クラビットの副作用は基本的には人間と同じですが、ペットにおいては腱断裂と関節の悪化が危惧されているので注意が必要です。

ペットは体重や体表面積の個人差が大きく用量の判断や調節が難しいです。ペットに何らかの身体の異常があれば、まずは動物病院を受診して獣医師の指示に従って正しい治療を施してあげてください。