レボフロキサシンについて

レボフロキサシンは「クラビット」で有名な抗生物質に分類されるお薬です。抗生物質の中でも抗菌力が強く、様々な細菌に適応があるニューキニロン系抗菌薬の代表的なお薬です。国内では「クラビット」として2009年に承認・販売された比較的新しいお薬で、錠剤以外に点滴や点眼、細粒(粉薬)の剤形でも販売されています。

抗生物質の中では副作用が少ないほうで、ペニシリン系やセフェム系の抗菌薬にアレルギーの既往がある方でも服用いただけます。クラミジアやマイコプラズマ、レジオネラといった細菌に幅広く抗菌作用をもち、グラム陽性菌と陰性菌の両方に適応があります。

同じ有効成分を配合したジェネリック医薬品も多数販売されており、国内では「レボフロキサシン錠250mg「トーワ」」などが挙げられます。感染症の中でも特に呼吸器感染症に抗菌力が強く、肺炎球菌をはじめ一般的な抗生物質では効きにくいとされるマイコプラズマ肺炎にも有効です。そのため、国内では抗生物質の代表として汎用されています。

クラミジア治療でレボフロキサシンの飲み方

国内ではレボフロキサシン錠の用量として、250mgと500mgの2用量が販売されています。クラミジア治療の場合、1回500mgを1日に1回服用してください。服用期間は10日間を目安に14日間を超えないように服用してください。従来は1回100mgを1日3回服用するのがスタンダードでしたが、その後の調査で1回500mgを1日1回飲んだ方が効果が高いことが判明しました。

服用のタイミングは特に決められていませんが、胃腸への負担を軽減できる食後の服用をおすすめいたします。飲み忘れがないように、毎日一定の時間に服用するのがよいでしょう。腎臓機能が低下している方は、用量を少なくする必要があります。具体的な基準として、腎機能クリアクリアランスが50以下の方は、服用開始2日目より量を少なくする必要があります。腎機能が正常な方に比べて、お薬の効果が強く出てしまう可能性があります。

また、ご高齢の方も用量を調整することが望ましいため、65歳以上の方はかかりつけ医や専門医を受診の上で用量を調整して服用してください。

クラミジア症状が改善しても最後までお薬を飲み切ること

レボフロキサシンを服用し始めると、早い方では5日~1週間で症状が落ち着きます。症状がなくなるとレボフロキサシンの服用を辞めてしまう方が多いのですが、最後まで飲みきるのが大切です。体内に残っているクラミジアを見逃してしまい、再発を繰り返す原因の一つになります。必ず医師から処方された日数分を用法用量を守って服用してください。毎日の服用を怠ったり途中で辞めたりしてしまうと、薬剤耐性菌(抗生物質が効かない菌)の発生に繋がる恐れがあります。

また、クラミジアは症状が落ち着いても感染している可能性があります。自己判断は禁物ですので、お薬を飲みきることで再発を防止してください。クラミジアへの感染は医療機関を受診して検査する以外に、検査キットを購入してご自身で確認することも可能です。心配な方は念のため、検査で感染を確認してみてください。

レボフロキサシンが風邪にも効く理由

レボフロキサシンは“広範囲経口抗菌製剤”に分類され、その名の通り様々な細菌に対して効果があるお薬です。肺炎などの重い感染症だけではなく炎症を抑える作用もあるため、ニキビの治療にも保険適用されます。そのため、細菌感染による一般的な風邪の症状にも効果があります。特に扁桃腺の炎症や咽頭痛などに効果が大きいとされており、呼吸器科や耳鼻咽喉科で多く処方される傾向にあります。

“風邪”とは医学的には「急性の上気道炎症状をきたす感染症」と定義されており、細菌やウイルスの感染により起こる諸症状を指します。レボフロキサシンは特に細菌による風邪に効果的です。

但し、レボフロキサシンは妊娠している女性には禁忌となっているため、妊娠の可能性のある女性の方は服用を控えてください。

レボフロキサシンとロキソニンは併用できる?

抗生物質であるレボフロキサシンは、解熱鎮痛作用があるロキソニンと併用されるケースがあります。国内の臨床試験の結果、レボフロキサシンとロキソニンの併用によりけいれん症状の副作用が報告されていますが、その発生頻度は高くありません。製造販売元が作成した添付文書には“併用注意”と記載されており、医師がその有益性を認めた場合は処方が可能です。

クラビット単体で何かしらの副作用が起こる可能性は1.6%であり、副作用として痙攣が起こる可能性は0.01%未満です。但し、けいれんの既往がある方や、中枢神経に作用するお薬を服用中の方は注意が必要です。

また、レボフロキサシンの服用とロキソニンの服用時間を空けて飲むことはおすすめできません。服用時間をずらすことなく、処方された用法用量を守って最後まで飲みきることが大切です。

レボフロキサシンとロキソニン併用の注意点

ロキソニンは医師の処方箋に基づいた医療用医薬品として処方されるケースだけではなく、薬局で薬剤師の指導の元に購入できるOTCとしても販売されています。レボフロキサシンと併用が可能なのは医師の処方箋がある時のみで、自己判断による併用は原則できません。抗生物質のアレルギーの既往がある方や腎疾患がある方は、ロキソニンと併用する前に必ず医師に相談してください。

また、体調がすぐれないときや免疫力が下がっている時は薬の効果にも影響があります。腰痛や頭痛などによりロキソニンを処方された際や、歯科医院で痛み止めを処方された際には、レボフロキサシンを服用している旨申告するようにしてください。抗生物質又は解熱鎮痛薬のどちらの服用を優先させるのがいいか迷った際には、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。

風邪治療でレボフロキサシンの飲み方や注意

風邪の症状でレボフロキサシンが処方されるのは、感染源の殺菌目的です。そのため、発熱や痛みを取る解熱鎮痛効果はございません。風邪の感染源はウイルス又は細菌ですが、レボフロキサシンは細菌のみに抗菌効果を発揮します。そのため、インフルエンザやおたふく風邪、手足口病や突発性発疹などウイルスが原因の疾患には効果がありません。

但し、風邪の感染源がウイルス性か細菌性かを短時間で見分けるのが難しく、免疫力が低下している風邪症状の場合、新たな感染を防ぐためにもレボフロキサシンが処方されるケースが多いのが事実です。レボフロキサシンを服用するデメリットとして、腸内細菌などの体に良い菌も殺菌してしまうことです。このため、レボフロキサシンの主な副作用として下痢の症状が報告されています。

風邪症状の治癒には、本来体に備わっている免疫力を高めることが大切です。自己判断でレボフロキサシンを服用するのは控え、医師と相談の上で服用を検討してください。

レボフロキサシンの膀胱炎への効果

膀胱炎は尿を貯める役割を果たす膀胱に細菌が感染したことに起こる疾患で、主に働く女性や更年期の女性に多いとされています。女性は男性に比べて尿道が短いため、膀胱炎を発症しやすい傾向にあります。尿意を我慢したり、ストレスを溜めたりすることで悪化することがあり、放っておくと腎盂腎炎を引き起こす可能性があるため適切な治療をすることが大切です。

再発しやすいと言われる膀胱炎ですが、医療機関を受診し、グラム染色で細菌の種類を検査して適切な抗生物質を選択すれば、1回きりの受診で完治できます。多くの病院で膀胱炎に処方されるのがレボフロキサシン(クラビット錠)です。膀胱炎の感染源となりうる最も多い細菌は大腸菌のため、ほとんどの抗生物質が有効なのですが、ペニシリン系の抗生物質に対して薬剤耐性を持っている場合が多いのが現状です。

そのため耐性菌のできにくいニューキノロン系抗生物質であるレボフロキサシンが一般的に処方されています。

膀胱炎に対するレボフロキサシンの飲み方

膀胱炎に対してレボフロキサシンを服用する場合は、1回500mgを1日1回服用します。服用期間は原則1週間です。きちんと処方された薬剤を飲みきれば短期間で治ります。難治性の膀胱炎の場合、女性は特に膣などに残存している菌が原因となり、1年以内に再発を繰り返すことがあります。症状が治まった後も必ず飲みきるようにしてください。多めの水と一緒に服用し、柑橘系のジュースや牛乳とレボフロキサシンを一緒に服用することは控えてください。

服用して3~5日経過してもの症状の改善がみられない場合は、原因菌に対して耐性化している可能性があるため、薬の変更が必要です。自己判断せずに医療機関を受診するようにしてください。レボフロキサシンを服用後、ひどい下痢に悩まされる方がいらっしゃいます。下痢の症状がひどい場合は、レボフロキサシンの服用を中止して他の抗生物質への切り替えを検討してください。

また、下痢の症状が見られた際には、多めの水で水分補給をするようにしてください。

レボフロキサシンの副作用

  • 国内の臨床試験の結果、副作用として悪心(気分が悪くなる)が3.3%、めまいが3.1%、白血球数減少が2.7%、不眠が2.6%、ALT(肝逸脱酵素)上昇が1.7%報告されています。
  • その他に、一般的な副作用として下痢が多く見られます。
  • 肝疾患・腎疾患をお持ちの方はかかりつけ医と相談の上で服用を検討してください。
  • 妊娠中の方や授乳中の方は服用できません。
  • 小児への適応もないため、未成年の方は服用を控えてください。
  • ニューキノロン系抗生物質の特徴として、光線過敏症という副作用があります。
  • 発症頻度は高くありませんが、日光を浴びた皮膚が発赤したり、ひどいときは水ぶくれができたりすることがあります。皮膚の弱い人やレボフロキサシンを長期間服用される際は、できるだけ直射日光を避けるようにしてください。

レボフロキサシンは蓄膿症にも効く?

一般的に蓄膿症と呼ばれる慢性副鼻腔炎は、かぜが原因となって細菌が感染し、副鼻腔が慢性的に炎症を起こして膿がたまった状態を指します。主な症状として頭痛や鼻水があり、治療せずにそのまま放置するとアレルギー性鼻炎や気管支喘息を併発しやすくなります。鼻水の症状が長引いたり鼻水のニオイが気になったりする場合は、早めに抗生物質で治療することが大切です。

マクロライド系の抗生物質は効きにくいことが分かっており、耳鼻咽喉科を受診して主に処方されるのがレボフロキサシン(クラビット)です。

服用方法は1日1回500mgを7日間服用するのが一般的です。他の疾患と同様に、処方された日数分を必ず飲みきるようにしてください。そうすることで耐性菌が発生しにくく、再発防止にも繋がります。

レボフロキサシンとフルコナゾールを一緒に飲めますか?

フルコナゾール(薬剤名:ジフルカンカプセル)は、アメリカのファイザー社が開発した深在性真菌症治療薬です。細菌とは別の微生物である真菌(カビ)を殺菌する作用をもち、主にカンジダ膣炎やクリプトコッカス症に処方されます。

一方のレボフロキサシンは真菌ではなく、細菌を殺菌する作用を持っています。同じ感染症に用いるお薬ですが、殺菌する対象となる病原体は異なります。そのため、レボフロキサシンとフルコナゾールを一緒に服用することはできません。

発生頻度は稀ですが、急性アレルギー性症状の一種であるアナヒラキシーショックを引き起こす可能性があります。併用は控えるようにしてください。

レボフロキサシンは細菌のDNAを阻害することで増殖を抑えるのに対し、フルコナゾールはエルゴステロールの生合成を阻害することで真菌の増殖を抑えます。同じ抗菌作用をもつお薬ですが、その作用機序も異なります。

レボフロキサシンとアジスロマイシンの違い

レボフロキサシン(薬剤名:クラビット)とアジスロマイシン(薬剤名:ジスロマック)は共に細菌を殺菌する作用をもつ抗生物質です。レボフロキサシンはニューキノロン系抗生物質に分類され、アジスロマイシンはマクロライド系抗生物質に分類されます。レボフロキサシンは小児への適応がありませんが、アジスロマイシンは小児にも服用できるため、小児用カプセルやドライシロップが販売されています。

どちらもクラミジアなどの性感染症や尿道炎に一般的に処方されますが、女性には特にアジスロマイシンが処方される傾向にあります。これは、レボフロキサシンが妊婦には処方できないからです。その他に服用期間にも違いがあり、原則1週間服用が必要なレボフロキサシンに対し、アジスロマイシンは1回きりの服用で済みます。飲み忘れを防止できる点ではアジスロマイシンがより便利だと言えます。

レボフロキサシンはペットの感染症にも効きますか?

ペットの感染症であるサルモネラ腸炎など、一部の感染症にはレボフロキサシンが有効です。しかし、ペットに抗生物質であるレボフロキサシンを服用させることはとても危険です。

レボフロキサシンが小児への適応がないことや、妊娠中の方が服用できないことから、体に負担が大きく抗菌力が強いお薬であることがわかります。自己判断での服用はお控え下さい。特に犬の場合は人間よりも元々保有している菌が多く、およそ10%は何かしらの菌を保有した免疫機能があります。

抗生物質を飲ませることで、良い菌まで殺菌してしまう可能性があります。感染症を発症した場合は動物病院を受診するようにしてください。