【低用量ピル】トリキュラーの飲み方・副作用・使い方など
目次
低用量ピル・トリキュラーとは
トリキュラーは、ドイツのバイエル社によって製造販売されている低用量ピルです。日本では、トリキュラー錠28とトリキュラー錠21の2種類が医薬品として認可されています。どちらにも2種類の女性ホルモンが少量ずつ配合されていて、体内のホルモンバランスを妊娠中に近づけることで、高い避妊効果を発揮します。
ピルは、女性ホルモンの含有量の違いによって低用量・中用量・高用量ピルに分けられ、更に開発された世代によって第1世代~第4世代に分けられます。低用量ピルとは、1錠に含まれる黄体ホルモン(プロゲステロン)の量が、0.05mg未満のピルを指します。トリキュラーは第2世代の低用量ピルに分類され、女性ホルモンの含有量が3段階に変化するのが特徴です。
緊急時を除く避妊や生理痛の改善、生理周期の安定などを目的とする場合、多くのクリニックでは一般的に低用量ピルが処方されます。低用量ピルが選択される理由としては、錠剤に含まれる黄体ホルモンの量が少ないほうが、血栓症や高血圧症といった副作用のリスクが軽減されるためです。
トリキュラーをはじめとする低用量ピルには、避妊効果だけではなく、多くの女性が悩む生理痛やPMS、肌荒れなどの改善効果や子宮内膜症の予防効果があります。女性の人生の質(クオリティ・オブ・ライフ)を改善する薬として、世界中で使用されています。
トリキュラーの効果①避妊
トリキュラーを毎日同じ時間に正しく服用することで、性交渉時にコンドームなどの避妊措置をしなくても約99%の確率で妊娠を回避することが可能です。
ただし、飲み忘れがあったり、服用する時間がバラバラだったりする場合は避妊効果が低下してしまうので注意が必要です。避妊を希望されている方は、避妊を望む期間の毎日同じ時間に服用する必要があります。また、正しく服用した場合でも、排卵が抑えきれなかったり下痢や嘔吐で有効成分が体内に吸収されなかったりした場合には、妊娠してしまう可能性があります。本当に妊娠したくない場合は、他の避妊方法との併用を推奨します。
トリキュラーを服用中に避妊の必要がなくなった場合は、服用を中止すれば再び排卵が始まります。中止した直後から妊娠の可能性はありますが、通常は2~3回の生理周期を繰り返した後に正常の排卵に戻ります。服用中止後すぐの妊娠は難しいかもしれませんが、服用を中止してから1年以内に90%以上の女性が妊娠しているという研究データもあります。
トリキュラーは低用量ピルとして日本でも承認されている薬ですが、緊急避妊薬としての使用は認められておりません。
緊急避妊薬とは、アフターピルやモーニングアフターピルとも呼ばれます。避妊に失敗した際に性行為から72時間以内に服用することで妊娠を回避できる、ホルモン量の多いピルです。緊急避妊薬は、精子と卵子が受精卵として着床しないように作用し、望まない妊娠を避ける効果があります。緊急避妊薬を服用した後の5~7日間にかけては排卵が抑えられ、その間に女性の性器内に進入していたすべての精子は受精能力を失い、妊娠が抑えられるとされています。
緊急避妊薬が必要な方は、トリキュラーではなく高用量の緊急避妊薬を入手する必要があります。
トリキュラーの効果②生理を早める
トリキュラーの服用によって、高い確率で生理予定日を調整できます。普段からトリキュラーを服用されている方もそうでない方でも、旅行などのイベントや大切な日の生理を避ける目的で使用できます。
普段からトリキュラーを服用していない方が生理日を早めるには、生理開始5~7日目までの間に服用を始め、生理を早めたい日まで継続してから中止します。すると、中止後1~3日でいつもより少ない量の生理がきます。
普段からトリキュラーを服用している方の場合は、生理を早めたい日数分だけ黄色の錠剤の服用を減らします。早めに休薬期間に入ることで、服用を中止した後1~3日で生理が起こります。その後、服用サイクルをリセットして、次のシートの1錠目から飲み始めることができます。
トリキュラーの効果③生理を遅らせる
普段からトリキュラーを服用していない方が生理を遅らせるには、生理予定日の5~7日前からトリキュラーの服用を始め、遅らせたい期間中は服用を継続します。
普段からトリキュラーを使用している方は、いつもの服用分とは別に生理日調整用の予備シートを用意しておくことで、生理を遅らせることが可能です。通常であれば、シート中の黄色の錠剤を21日目まで服用してから休薬期間に入ります。生理を遅らせたい場合は、22日目から予備シートを使用して、遅らせたい日数分の黄色の錠剤を追加で服用します。服用を中止すると、1〜3日で生理がきます。
ただし、どちらの場合も体質によっては早めに出血してしまう可能性も高いため、注意が必要です。
トリキュラーの効果④肌荒れの改善
トリキュラーは、避妊の目的だけでなくニキビ治療に使用されることもあります。
生理前にホルモンバランスが崩れると、皮脂を過剰に分泌する黄体ホルモンの影響を大きく受けて、ニキビができたり肌が荒れやすくなったりします。トリキュラーを服用することでホルモンバランスが安定すると、ニキビなどの肌トラブルが改善します。
ただし即効性はなく、何クールか継続することでホルモンバランスが徐々に安定し、肌の調子が改善していきます。トリキュラーの服用を始めてすぐはホルモンバランスが急激に変化する不安定な期間となるため、一時的な副作用として逆にニキビができやすくなってしまうこともあるので注意してください。
トリキュラーには、黄体ホルモンと卵胞ホルモンという2種類の女性ホルモンが含まれています。このうち卵胞ホルモンにはコラーゲンの生成を助ける働きがあるため、トリキュラーには美肌効果があるといわれています。
トリキュラーの効果⑤プレ更年期対策
最近話題になっているのが、プレ更年期に対する低用量ピルの活用です。
プレ更年期とは、女性の更年期と呼ばれる50歳前後よりも約10年若い、30代後半~40代前半の期間を指します。個人差は大きいもの、まだ更年期ではないにも関わらず更年期に近い症状が出るのが特徴です。例えば、イライラしたり、疲れやすくなったり、忘れっぽくなったり、生理周期や量が変化したりといった症状がみられます。ほかにも、頭痛や肩こり、手足の冷え、肌のかさつきなどの症状がみられる場合もあり、妊娠・出産経験のない女性に特に多いとされています。
プレ更年期の症状に悩む方が低用量ピルを服用することにより、不足している女性ホルモンを補う治療法に注目が集まっています。
ただし、こういった症状はプレ更年期ではなく他の病気が原因でも起こります。自己判断での服用は避け、まずは女性外来などで相談してみるとよいでしょう。
トリキュラーの効果⑥バストアップ
トリキュラーの主成分のひとつである黄体ホルモンには、乳腺を発達させる作用があります。多くの女性に起こる生理前や妊娠時に胸が張る現象は、黄体ホルモンが増えるために起こっています。トリキュラーを服用することで黄体ホルモンが補充され、妊娠時と同じような状態になるため、胸に張りを持たせることでバストアップが可能です。
劇的なバストアップ効果が得られるというわけではなく、運が良ければカップ数が上がる可能性があるというレベルですが、実際にバストアップしたという報告は多くあります。ただし、効果は一時的で、服用を中止するといずれ元に戻ります。
トリキュラーの効果⑦その他
トリキュラーを始めとする低用量ピルには、ほかにもさまざまな効果が知られています。
例えば、排卵を抑制することによってPMS症候群と呼ばれる生理前に起こる精神的、身体的な不調を改善します。不調だけでなく、生理前に食欲が増す症状を抑えることができるとされています。また、服用中は子宮内膜があまり厚くならないうちに生理が起こるため、経血量や日数が減り、生理痛や生理不順も改善します。
子宮内膜症にもなりにくくなり、すでに子宮内膜症のある場合は進行を抑える効果もあるとされています。トリキュラーではありませんが、子宮内膜症に伴う月経困難症に対して保険適用されている低用量ピルも存在します。
ほかには、骨粗鬆症の予防や多毛の改善、近年では癌の予防効果にも注目が集まり、研究が進められています。
トリキュラーの使用方法
トリキュラーは、3週間毎日服用した後、4週目の7日間は休薬します。21錠入りと28錠入りの2種類が販売されていますが、どちらも28日(4週間)周期を1クールとします。
トリキュラー錠21のシートには、有効成分が含まれた錠剤(実薬)が21錠(21日分)入っています。トリキュラー錠28のシートには、実薬21錠に有効成分が何も含まれていないダミーの錠剤(偽薬)7錠が加わり、合計28錠(28日分)が入っています。実薬の有効成分の量や効果に違いはありませんが、トリキュラー錠28は、毎日服用する習慣を休薬期間によって崩されないように配慮されています。飲み忘れる可能性の高い方はトリキュラー錠28を毎日1錠ずつ服用し、自分で薬の管理ができる方はトリキュラー錠21がおすすめです。
トリキュラーの服用を開始する方法としては、生理開始日に服用を開始するDay1スタート、生理が始まってから最初の日曜日に服用を開始するサンデースタート、生理周期に関係なく服用を開始するクイックスタートの3種類があります。
避妊効果が最も確実で即効性があるため推奨されているのは、Day1スタートです。Day1スタートは生理開始後24時間以内に初めての服用を開始する方法で、服用開始後3~6日以内に避妊効果が得られます。排卵準備が始まる生理中からピルを服用することで確実に排卵を抑制することができ、生理周期を乱さず28日周期を保つことができます。
Day1スタート以外の開始方法は、避妊効果を得られるまでに1~2週間かかるのがデメリットとなりますが、生理開始日を逃してしまった場合はクイックスタートがおすすめです。生理開始日に関係なくいつでも服用が開始でき、服用開始後1週間以降には避妊効果が得られます。次の生理まで待てない方や、生理不順の方に向いている方法です。
サンデースタートのメリットは、消退出血という生理の代わりの出血が平日に訪れる点です。週末のイベントやデートなどを楽しみたい方におすすめの方法です。
飲み忘れたときの対処法
低用量ピルは、毎日欠かさず服用するのが最も大切なポイントです。飲み忘れが続いたり、不規則な服用を続けたりすると、確実な避妊効果が得られません。
朝の服用を推奨する医療機関や薬局が多いですが、朝が弱く起きてすぐ家を飛び出す方には不向きです。個人のライフスタイルに合わせて、毎日確実に服用できるタイミングを見つけてください。飲み忘れが気になる方は、飲み忘れ防止のアプリを活用するのもおすすめです。設定した時間にアラームで知らせてくれ、不正出血や頭痛といった体調の変化をメモできるアプリもあります。
もしも飲み忘れてしまった場合は、飲み忘れた日数によって対応方法が異なります。
飲み忘れたのが1日(1錠)だけであれば、気づいた時点で飲み忘れた1錠をなるべく早く服用し、本来その日に飲むべきだった残りの錠剤も予定通りの時刻に服用してください。つまり、その日は合計2錠を服用することになります。
飲み忘れが2日(2錠)以上続いてしまった場合は、避妊効果が期待できなくなります。服用周期を一旦リセットして新たなシートを使用してください。この場合、再開後7日以上連続して服用するまでは避妊効果が得られません。それまでの期間は他の避妊法を実施してください。
どうしても飲み忘れてしまう場合は、産婦人科医などの専門医に相談の上、ピル以外の適切な避妊方法を検討する必要があります。
トリキュラーを服用できない人
トリキュラーは有効成分として女性ホルモンを含むため、乳がんや子宮内膜がん、子宮頸がんに罹患された方やその疑いがある方、原因不明の性器出血がある方は服用できません。これらの悪性腫瘍は、女性ホルモンによって悪化する恐れがあるためです。
また、重大な副作用として、血管が詰まってしまう血栓症が報告されているため、血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患、心臓弁膜症などのある方も服用できません。特に、1日15本以上たばこを吸う35歳以上の方では血栓症のリスクがより高まるとされているため、該当する方は原則服用できません。
ほかに、高血圧や糖尿病、片頭痛、肝機能障害をお持ちの方も、病状によっては服用できない場合があります。服用を開始する前に、医師の診察や検査を受けてください。
飲み合わせの悪い薬
トリキュラーは、飲み合わせの悪い薬がいくつかあります。併用によって効果が弱まり避妊などの効果が得られなくなってしまう場合や、頭痛や吐き気などの副作用が強く出てしまう場合もあるため注意が必要です。
よく使われる薬のなかでトリキュラーとの併用に注意が必要な薬として、解熱鎮痛剤のアセトアミノフェン、胃薬のオメプラゾール、ペニシリン系やテトラサイクリン系の抗生物質、気管支拡張薬のテオフィリンなどが知られています。
トリキュラーの服用中に別の薬を使用したい場合は、事前に必ず医師や薬剤師に報告・相談してください。
飲み合わせの悪いサプリメント
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含むサプリメントや、チェストベリー・チェストツリーと併用すると避妊効果が減弱するので避けてください。特にハーブの一種であるセントジョーンズワートは、さまざまなサプリメントやハーブティーに含まれているため注意が必要です。
また、プエラリアミリフィカなどのバストアップ系サプリメントや大豆イソフラボンのサプリメントは、女性ホルモンの過剰摂取になりトリキュラーの効果に影響を及ぼす可能性があります。同様に、プラセンタにも女性ホルモンを活性化する作用があるため、病院で処方されるような高濃度プラセンタや注射の併用は避けたほうがよいでしょう。
トリキュラーの副作用
トリキュラーの副作用としては、頭痛、胸のむかつき、吐き気、下腹痛、動悸、めまい、乳房の張りや痛み、不正出血、眠気、倦怠感などが挙げられます。体が妊娠時と同じような状態になるため、つわりに似た症状が起こるとされています。
特に、服用開始後まもなくはこのような症状が出ることが多くあります。ただ、日数が経過するにつれて体が慣れ、徐々に症状が治まるのが通常です。もしも服用開始後3ヶ月以上経っても症状が改善されない場合や、日常生活に支障をきたすほどの重い症状がある場合は、薬が体質に合っていないことが考えられます。早めに医師に相談してください。
トリキュラーを始めとする低用量ピルでは、重大な副作用として血栓症が知られています。血栓は、できる場所によっては心筋梗塞などの命に関わる病気を引き起こすことがあるため、特に注意が必要な副作用です。年齢が40歳以上の方、喫煙、血栓症・乳がんの家族歴、肥満、糖尿病、肝障害、心臓病、腎臓病、高血圧のある方では、血栓症のリスクが上昇します。
息切れ、胸の痛み、痺れ、激しい腹痛や頭痛、舌のもつれ、視力障害、失神などが、血栓症の主な初期症状です。トリキュラー服用後にこれらの症状を感じた場合は、すぐに受診してください。
低用量ピルを服用中の方は、服用していない方に比べると乳がんや子宮頸がんになるリスクがやや高くなるとされています。反対に、低用量ピルを長期間服用することで卵巣がんや子宮体がんなどの発症リスクは下げることが分かっています。
トリキュラーなどの低用量ピルを服用すると、太るという話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、国内で行われた臨床試験では体重増加の副作用は報告されておらず、発生確率は非常に低いと考えられます。
ただし、むくみが原因で体重が増加する可能性は否定できません。トリキュラーの服用によって体内のホルモンバランスが変化するため、電解質のバランスが崩れてむくみが出ることがあります。このむくみの症状は、服用を続けることでホルモンバランスが整い、徐々に改善していくのが一般的です。どうしてもむくみが気になる方は、産婦人科医に相談の上で、むくみが出にくいとされる第4世代のピル(ヤーズなど)の服用を検討してみてください。
以上の副作用を考慮し、特に血栓症のリスクがある方は、定期的(1年に2~3回ほど)に血液検査や血栓症の予兆がないかの検査を受けておくと安心です。また、血栓症のリスクがあるなしに関わらず、服用中は定期的に乳がん検診と子宮頸がん検診を受けることを推奨します。
トリキュラー服用中の生理
トリキュラー服用中は、休薬期間に生理のような出血があります。この出血は消退出血と呼ばれ、通常の生理とは異なります。低用量ピルの服用中には、有効成分である女性ホルモンの影響によって、排卵が抑えられた状態が続きます。そのため、子宮内膜が通常時ほど厚くならず、消退出血の出血量は生理よりも少なくなります。
休薬期間に出血がまったくない場合には注意が必要ですが、出血量が減ることは正常な消退出血が起こっている証拠であり、特に問題はありません。
休薬期間に出血が起こらない理由としては、ストレスや環境の変化によりホルモンバランスが乱れている可能性があります。また、飲み忘れが続いている状況では、適切な避妊効果が維持されず妊娠している可能性があります。
トリキュラーと他の低用量ピルとの比較
アンジュ・ラベルフィーユ
トリキュラーの主成分は、卵胞ホルモン製剤のエチニルエストラジオールと黄体ホルモン製剤のレボノルゲストレルです。同じ主成分が含まれる商品としては、アンジュやラベルフィーユが挙げられます。
これらの薬は製造販売メーカーが異なるだけで、主成分の種類や含有量はトリキュラーと同じです。違いを挙げるとすれば、錠剤を形成するための添加物や、主成分を製造するまでの過程に若干の違いがある程度です。
ただ、トリキュラーでは副作用は出なかったものの、アンジュやラベルフィーユは体質に合わなかった、もしくはその逆などの状況も見られるため、全く同じ薬であるとは考えにくい部分もあります。
マーベロン
知名度の高い低用量ピルであるマーベロンも、トリキュラーと比較して効能効果に大きな違いはありません。ただし、マーベロンとトリキュラーでは、有効成分である女性ホルモンの配合量が異なります。
トリキュラーは、女性ホルモンの配合量がそれぞれ異なる3種類の錠剤を順番通りに服用するタイプの、第2世代と呼ばれる低用量ピルです。第2世代の低用量ピルは、生理周期の経過によって変化するホルモンバランスにマッチするよう作られています。
一方、第3世代の低用量ピルに分類されるマーベロンは、全ての錠剤に同じ量の女性ホルモンが配合されており、ホルモンバランスの変化に関係なく、毎日同じ薬を服用します。
第2世代のピルでは、ニキビなどの男性ホルモンが影響する副作用が問題になっていました。その副作用を抑えた改良型が、マーベロンが属する第3世代です。第3世代のほうが新しい薬で服用も簡単ですが、重大な副作用である血栓症のリスクがやや高くなるといわれています。
ヤーズ(ヤスミン)
トリキュラーと同じくバイエル薬品が開発したピルに、ヤーズ(ヤスミン)があります。ヤーズは第4世代に分類され、従来の低用量ピルよりも女性ホルモンの含有量が少ないのが特徴です。低用量ピルと比較され、超低用量ピルとも呼ばれています。国内ではトリキュラーが1999年に発売されているのに対し、ヤーズの発売は2010年と新しい薬です。共に世界的シェアが高く、ヨーロッパやアメリカを中心に世界中で多く処方されています。
トリキュラーとヤーズの最も大きな違いは服用方法です。トリキュラーは21日間服薬+休薬7日間の合計28日サイクルであるのに対し、ヤーズは24日間服用+休薬4日間の合計28日サイクルとなります。休薬期間の短いヤーズは、休薬期間中にも卵胞の発育を抑制し続けるため、休薬による女性ホルモンの変動が少ないのが特徴です。それにより、ホルモンバランスの変化によって起こるさまざまな症状を軽減することが期待されています。具体的には、トリキュラーよりもヤーズのほうがむくみなどの副作用が出にくいとされています。

















