ジスロマックとは

ジスロマックは有効成分としてアジスロマイシン250mgを含有する抗生物質です。マクロライド系の抗生物質で、蛋白合成阻害薬に分類されます。

細菌の発育過程において重要な蛋白の合成を阻害することで細菌の発育・増殖を抑制するという抗菌作用を持っていますが、それだけでなく抗炎症作用もあると言われています。

肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌などの一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、淋菌などに非常に幅広い領域の細菌に対して殺菌効果を発揮するため、呼吸器感染症、尿道炎や子宮頸管炎などの炎症疾患、クラミジアや淋病などの性感染症、皮膚科や耳鼻科、歯科領域の感染症など非常に幅広い治療に世界中で多く使用されています。

用法に特徴があり、1日1回3日間のみの服用で同系統の抗生物質を7日間服用した場合と同等の効果があります。アレルギー反応も少ないので、ペニシリン系やセフェム系などの抗生物質にアレルギーのある人も服用が可能です。

成分アジスロマイシンとは

ジスロマックの有効成分アジスロマイシンはマクロライド系の抗生物質で、蛋白合成阻害薬と呼ばれています。

アジスロマイシンは細菌内に取り込まれたあと細菌の発育において重要な過程である蛋白鎖の伸長を阻害することで蛋白の合成を阻害し、細菌の発育を抑制します。また、抗菌作用だけではなく抗炎症作用もあることから感染による炎症にも有効です。

多くの菌に対して高い効果を発揮するため、呼吸器感染症、クラミジアや淋病などの性感染症、皮膚科領域や歯科領域の感染症など非常に幅広い治療に使用されています。

アジスロマイシンには長時間に渡り高濃度で体内に留まるという特徴があり、一般的な1日用量である500mgを服用した場合は半減期が68.1時間と極めて長いいため1日1回3日間のみの服用で効果が1週間持続します。また、同系統の抗生物質で問題だった体内での薬の代謝における薬物間相互作用がアジスロマイシンは少ないため、併用するにあたって飲み合わせに注意が必要な薬が少ないです。

ジスロマックとクラミジア治療

日本で男女共に最も多い性感染症であるクラミジアの治療には、2017年現在ジスロマックが使用されることが非常に多いです。

クラミジアの治療期間は個人差があり症状の重症度によっても変わりますが、一般的には1ヶ月程度になります。この場合、ジスロマックの服用回数はたった1回です。

ジスロマックの有効成分アジスロマイシンは長期間に渡り高濃度で体内に留まるため、1回の服用で7~10日間ほど作用し続けます。服用した3~4週間後にクラミジアの検査をし、菌が検出されなければ完治・治療完了になります。

尚、クラミジア治療の場合のジスロマックの服用量は1回1000mgです。一般的な感染症の用法では1回500mgなので高用量ですが、クラミジア治療においては高濃度でクラミジアを一気に壊滅させることが重要なのです。

一度ジスロマック1000mgを服用すればあとは体内で薬がクラミジアを死滅してくれるのを待つだけなので、服薬管理を気にすることなく治療を終えることができるのがメリットです。

ジスロマックと淋病治療

淋菌による感染症、すなわち淋病の治療は基本的に抗生物質による点滴か注射です。

抗生物質の血中濃度が高ければ高いほど抗菌効果も高くなるため、どうしても内服より遥かに高濃度でダイレクトに血中に流れる点滴や注射剤が優先されます。点滴や注射の場合、1回の治療でほとんどの場合完治します。

ジスロマックはクラミジア感染症に非常に多く使用される抗生物質ですが、淋病にも有効です。淋病治療の点滴&注射の有効成分であるセフトリアキソンとスペクチノマイシンにアレルギーがある場合などにジスロマックは使用されます。

また、ジスロマックは淋病とクラミジアを同時に治療できるというメリットがあります。淋病患者のおよそ3割の方はクラミジアも合併しており、その場合にはジスロマックが処方されることが多いです。

淋病治療でジスロマックを服用する場合は1回アジスロマイシン1000~2000mgを服用します。尚、治療は1度きりの服用で終わります。しかし淋病の原因の淋菌は薬への耐性化が早いためアジスロマイシン成分に対しても耐性を持つ病原菌が増えていることも事実です。

ジスロマックと風邪

外部から体内に侵入して悪さをする病原微生物には細菌、ウイルス、真菌(カビ)などが挙げられます。ジスロマックをはじめとする多くの抗生物質は細菌に対しては強力な抗菌作用を発揮しますが、ウイルスなどその他の病原体に対しては無効です。

風邪のほとんどはウイルス感染によるものであるため、細菌にしか効果を発揮しない抗生物質は無効なのです。そのため、ジスロマックなど抗生物質は風邪に効くと思われがちですが実際にはほとんど効果がありません。

ジスロマックはクラミジアなどの性感染症の他にも、扁桃炎、咽頭炎、副鼻腔炎など呼吸器領域や耳鼻科領域などでも幅広く使用されています。も

アジスロマイシンはもちろん細菌性の風邪には有効ですし、喉の痛みや鼻水、発熱を伴う風邪で受診して医療機関で処方されることも多いです。これは風邪そのものへの治療よりも細菌による二次感染やその予防目的で出されています。

ちょっと風邪気味だということで安易に抗生物質を服用するのは効果も期待できない上に耐性菌発現の恐れがあるので避けてください。

ジスロマックと歯周病

ジスロマックは様々な細菌感染症に対して強い抗菌作用を発揮しますが、歯科領域の治療にも多く使用されています。ジスロマックは歯周病の原因となる歯周病菌も死滅させるので、歯周病の治療に非常に有効です。

歯周病は成人の約80%の人が感染しているとも言われています。歯と歯茎の間の歯肉にプラーク(汚れ)が溜まり歯肉が細菌に感染・増殖して赤く腫れたり出血、痛みなどの炎症が起きる疾患です。歯科ではプラークや歯石などを取り除く治療が行われています。

しかし、プラークは長期間付着したままだと強固になり除去が難しくなります。その場合ジスロマックを使用すると強力な殺菌効果により体内から歯肉に入り込み、プラーク中に存在する歯周病菌を殺菌することが可能です。

ジスロマックは抗菌作用の他に抗炎症作用もあり、更に即効性があるので服用後早くに歯周病による炎症の苦痛を軽減させることができます。

ただし、基本的には薬に頼る段階にまでなる前に、毎日正しい方法できちんと歯磨きなど歯のケアを徹底することが一番大切です。

ジスロマックのジェネリック薬アジーとは

アジー(Azee)は有効成分としてアジスロマイシンを含有するマクロライド系の抗生物質で、インドの製薬会社シプラ社が販売しています。

ジスロマックのジェネリック医薬品であり、先発品と同等の成分・効果でありながら価格が大分お安いのが特徴です。

ジェネリック医薬品とは最初に開発・販売された新薬(先発品)の特許が切れた後に製造販売された医薬品で、後発医薬品とも呼ばれます。

今までに存在しない新薬を研究開発するには莫大な時間とコストがかかります。新薬の値段にはそのコストを回収するための費用が上乗せされています。ジェネリック医薬品はいわば後出しなので、研究開発の手間がかからないため価格を抑えることが可能なのです。

先発品のジスロマックとジェネリック医薬品のアジーは有効成分&含有量が一緒なので効果効能に違いはありません。

ただし、添加物など錠剤を構成する成分に僅かな違いがあるのでジスロマックとアジーが100%完全に全く同じ医薬品とは言い切れません。研究や厳しい臨床試験を実際に突破した薬を希望するならジスロマックを、お値段重視の方はアジーを推奨します。

クラミジアや淋病の治療の際に性病科に行く時間がない、病院に行くのが恥ずかしい、またはジスロマックを安く購入したいという男女が個人輸入でジェネリックのアジー1000mgを購入しています。

ジスロマックの飲み方

一般的な感染症の場合、ジスロマックを通常成人はアジスロマイシンとして500mgを1日1回3日間続けて服用します。

尿道炎と子宮頸管炎の場合(淋病やクラミジアもここに入ります)、通常成人はアジスロマイシンとして1000mgを1回だけ服用します。

小児は体重1kgあたりアジスロマイシンとして10mgを1日1回3日間続けて服用します。ただし1日量は成人の最大用量500mgを超えないものとします。

SR成人用ドライシロップの場合はなぜ空腹時投与かというと食後服用だと効きすぎて副作用発現のリスクが上がるからですが、普通のアジスロマイシン錠剤の場合は食前食後どちらでも構いません。3日間服用する場合は毎日同じ時間帯に服用するようにしてください。

どの飲み方の場合も、ジスロマック服用終了後は約7日間効果が持続します。

ジスロマックの副作用

ジスロマックは他の抗生物質に比べて副作用の発現が少ないです。ペニシリン系やセフェム系の抗生物質に多く見られるアレルギー反応もジスロマックは極めて少ないので、ペニシリン系やセフェム系の抗生物質に対してアレルギーのある方も安全に服用することが可能です。

それでも、ジスロマックも下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、血栓性静脈炎、カンジダ症、発疹、皮膚炎、光線過敏、発汗などの副作用による症状がたまに報告されています。

中でも下痢などの胃腸症状は比較的多く起こる症状です。軽度であればさほど心配は要りませんが、症状が重い場合や数日経過しても改善しない場合、血便や発熱を伴う場合などはジスロマック服用を中止してすぐ受診してください。

滅多に起こりませんが、重大な副作用としてアナフィラキシーショック、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、肝障害、腎障害、偽膜性大腸炎などが報告されているので念のため注意が必要です。

ジスロマックとクラビットの違い

ジスロマックはマクロライド系の抗生物質であるのに対し、クラビットはニューキノロン系の抗生物質です。

ジスロマックは細菌の蛋白合成を阻害しますが、クラビットは細菌のDNA複製を阻害します。このように作用機序は違いますが、どちらも様々な細菌に対して強い抗菌作用を発揮します。

ジスロマックとクラビットの特徴的な共通点はどちらもクラミジア感染症と淋病に有効であることですが、ジスロマックの方がクラビットよりも多く選択されやすい傾向があります。

クラビットは妊婦や授乳婦への投与が原則的に禁止されているため妊婦や授乳婦も安全に服用できるジスロマックが使用しやすいのと、クラビットは耐性菌がジスロマックより多く存在することが原因だと考えられます。

また、クラビットは1日1回500mgの服用を7日間以上続けて服用する必要がありますが、ジスロマックは半減期が長く効果が数日間持続するため1000mg1回きりの服用で治療が終了します。

ジスロマックとフロモックスの違い

ジスロマックとフロモックスはどちらも様々な細菌に強い抗菌作用を発揮する抗生物質ですが、薬のの系統と作用機序に違いがあります。

ジスロマックはマクロライド系の抗生物質で、蛋白合成阻害薬に分類されます。細菌の発育に必要な蛋白鎖の伸長を抑制することで細菌の発育を抑制します。

静菌的(細菌細胞の分裂増殖時の発育速度を抑制する)な作用ですが、ジスロマックは高濃度で体内に長く留まるため殺菌的(細菌細胞の分裂増殖時の細菌を死滅させる)に作用することが可能です。

一方、フロモックスはセフェム系の抗生物質で、細胞壁合成阻害薬に分類されます。細菌細胞を覆う細胞壁の合成を阻害することで細胞を死滅させます。殺菌的に作用します。

両者とも様々な領域での感染症に有効ですが、歯科領域の歯性感染症や歯周病に対する治療においては他の抗生物質より抜きん出てこの2つの薬剤が特に多く使用されています。

一般的な感染症に対しては、フロモックスは1日3回数日間の服用に対しジスロマックは1日1回3日間のみの服用です。

ジスロマックとミノマイシンの違い

ジスロマックはマクロライド系の抗生物質で、蛋白合成阻害薬に分類されます。細菌の発育に必要な蛋白鎖の伸長を抑制することで細菌の発育を抑制します。

ミノマイシンはテトラサイクリン系の抗生物質で、ジスロマックと同じく蛋白合成阻害薬に分類されます。ジスロマックと作用する部位は違いますが、根本的な作用機序は同じです。

両者とも多くの細菌に強い抗菌作用を発揮するので、幅広い領域での感染症に有効です。ミノマイシンはニキビ治療に特に多く使用されますが、ジスロマックもアクネ菌に有効であるため使用されることがあります。

また、ジスロマックをはじめマクロライド系抗生物質が効かない耐性マイコプラズマ肺炎にもミノマイシンは使用されます。

また、ミノマイシンは金属イオンを含む薬と飲み合わせが良くない・小児や妊婦には原則使用しないなどの縛りがありますが、ジスロマックは飲み合わせが良くない薬は少なく小児や妊婦も服用することができます。

ジスロマックとメイアクトの違い

ジスロマックはマクロライド系の抗生物質で、蛋白合成阻害薬に分類されます。細菌の発育に必要な蛋白鎖の伸長を抑制することで細菌の発育を抑制します。

マクロライド系抗生物質は一般的には静菌的(細菌細胞の分裂増殖時の発育速度を抑制する)な作用ですが、ジスロマックは体内で高濃度のまま長時間に渡り留まるため殺菌的(細菌細胞の分裂増殖時の細菌を死滅させる)に作用します。

一方、メイアクトはセフェム系の抗生物質で、細胞壁合成阻害薬に分類されます。細菌細胞を覆う細胞壁の合成を阻害することで細胞を死滅させるため殺菌的に作用します。

両者とも多くの細菌に対して強い抗菌作用を発揮するため、様々な領域での感染症に有効です。メイアクトをはじめとするセフェム系抗生物質はアレルギー反応を示すことがたまにありますが、ジスロマックはアレルギー反応が出ることが極めて少ないためアレルギー体質の方も安全に服用することができます。

一般的な感染症治療に対しては、メイアクトは1日3回数日間の服用に対してジスロマックは1日1回3日間のみの服用になります。

ジスロマック1000mg(またはアジー1000mg)の場合は1回の服用でクラミジア、淋病等の感染症を治療します。

ジスロマックとマイコプラズマ

マイコプラズマ肺炎は秋~春に流行するマイコプラズマという細菌による感染症です。飛沫感染のためうつりやすく、全ての年齢層で起こりますが特に8歳くらいの小児間で流行します。

感染から発症までの潜伏期間は2~3週間で、最初は乾いた咳から始まることが多いです。次第に痰の絡んだ咳に変わり、長期間続きます。

咳の他にも発熱や頭痛など風邪によく似た症状ですが、6歳以降の小児や成人は肺炎を起こし重症化しやすい厄介な疾患です。

抗生物質による治療が基本で、ジスロマックをはじめとするマクロライド系の抗生物質が第一選択されます。特にジスロマックは服用方法が他の同系統の薬剤より簡単で耐性菌も少ないため多く使用されています。

尚、マイコプラズマに対してペニシリン系やセフェム系の抗生物質は無効です。ジスロマックなどマクロライド系抗生物質が効かない耐性マイコプラズマ肺炎の場合は第二選択としてテトラサイクリン系やニューキノロン系の抗生物質クラビット等が選択されます。

小児用のジスロマックとは

ジスロマックは小児の様々な感染症にも多く使用されるため、ジスロマック小児用細粒や小児用カプセルが販売されています。小児用細粒は有効成分としてアジスロマイシン100mgが1g中に含まれていて、小児用カプセルはアジスロマイシン100mgが1カプセルに含まれています。

小児は体重1kgあたり有効成分アジスロマイシンとして10mgを1日1回3日間服用します。ただし1日量は成人の最大服用量500mgを超えないようにします。

また、15kg未満の小児には原則ジスロマック細粒を使用します。小児が服用する場合、下痢の副作用が起こることが比較的多くあるので注意が必要です。軽度であればさほど心配いりません。

ジスロマック細粒はあまり美味しくないため、子供・飲ませる両親共にジスロマック服用にかなり苦労することが多くあります。対策としては食べ物や飲み物に薬を混ぜて飲ますことですが、注意点があります。

オレンジジュースなど酸性のジュース、ヨーグルト、ヤクルトなどの乳酸飲料、スポーツ飲料、またムコダイン・ムコソルバンなど一緒に処方されることが多い酸性の薬剤はジスロマック細粒と一緒に服用すると逆に苦味が増してしまうので避けてください。バニラアイス、チョコレート、ココア、メープルシロップ、牛乳、服薬補助ゼリーなどは薬の味がマスキングされて美味しく飲めるようになるのでおすすめです。

またジスロマックのジェネリック医薬品には味が違うタイプが幾つか販売されているので、味の好みに合うメーカーのものが見つかるかもしれません。

ジスロマックとニキビ

ニキビ治療において外用薬であまり改善が見られない場合や化膿ニキビなど症状が重い場合に抗生物質の内服薬が使用されることが多くあります。

ジスロマックは多くの菌に対して強い抗菌作用を発揮しますが、ニキビの原因菌であるアクネ菌に対しても有効です。またジスロマックは皮膚の深部での感染症に有効だと言われているため皮膚科領域でも使用されています。しかし、一般的にはジスロマックはニキビ治療にはあまり使用されていません。

ニキビ治療に特によく使用されるのはテトラサイクリン系の抗生物質であるミノマイシンやビブラマイシンです。値段も比較的お安く、ニキビ治療では1週間以上服用することも少なからずあるのでおすすめです。

日本皮膚科学会の尋常性痤瘡(ニキビ)治療ガイドラインでもミノマイシンなどのテトラサイクリン系の抗生物質が強く推奨されています。

また、ガイドラインにはミノマイシンの有効成分ミノサイクリンは抗菌作用だけではなくリパー ゼ活性抑制作用、白血球遊走抑制作用、活性酸素抑制作用などのニキビに対する抗炎症作用が期待できると記載されています。

ジスロマックドライシロップとは

ジスロマックSR成人用ドライシロップは2009年に日本で製造承認を取得しました。服用はたった1回だけの飲みきりタイプです。水でよく混濁し服用します。

従来のジスロマック錠剤・細粒・カプセルは1日1回3日間続けて服用することで7日間効果が持続する薬剤でしたが、このジスロマックSRドライシロップは1回服用するだけで効果が7日間効果が持続するように設計されています。ドライシロップ製剤ですが成人用になります。2gすなわちアジスロマイシン2000mgという高用量ですが、副作用は軽減されるように設計されています。

1回飲みきりタイプは自己判断による勝手な服薬中止が起きず、蔓延的な服用やずさんな服薬管理で起こる耐性菌の発現の防止が期待できます。

ジスロマックSRドライシロップはこの剤形に限り食事の影響を受けやすく、食後に服用すると血中濃度が効果発現以上に上がり副作用の発現リスクが上がってしまうため、空腹時の服用とされていてます。食後は2時間以上経過してから服用し、服用後は2時間以上食事を控えることとします。

ジスロマックにはジェネリック薬アジーのブランドとしてドライシロップ(Dry Syrup)という液体タイプのお薬もあり、子供からお年寄りまで飲みやすいタイプのお薬として人気です。

ジスロマックと肺炎

ジスロマックは肺炎などの呼吸器感染症の治療にも多く使用されています。肺炎は発症当初は風邪に似た症状ですが、放置していると重症化して命を落としかねない重大な疾患なので注意が必要です。

肺炎の中でも、特にマイコプラズマという細菌の感染によって発症するマイコプラズマ肺炎は秋~春に広く流行する疾患ですが、ジスロマックをはじめとするマクロライド系の抗生物質が第一選択で使用されます。 

一般的な肺炎の原因菌の中で最も多い細菌である肺炎球菌に対してもジスロマックは効果を発揮しますが、β ラクタムを持つペニシリン系やセフェム系などの抗生物質よりは感受性に劣ります。

近年では抗生物質の安易な服用、長期服用、服薬コンプライアンスの悪さからマイコプラズマやその他の菌においても薬剤耐性菌が増加しており、抗生物質の服用を続けていても効かずに症状が改善しない場合が少なからずあります。その場合は薬剤の切り替えなどの早急な治療が必要なので、必ずすぐ受診して医師の指示に従ってください。

ジスロマックと口内炎

ジスロマックをはじめ抗生物質を服用していると口内炎を引き起こしやすくなります。抗生物質が抗菌作用で病原菌を抑制するだけではなく、口腔内や腸内にいる身体に必要な常在菌(善玉菌)も抑制して体内の環境が崩れてしまうことに起因していると言われています。

抗生物質の服用を中止すれば体内の細菌の環境が戻るので通常改善しますが、抗生物質を途中で止めると感染症は治らず耐性菌が発現して薬が効かなくなるなど様々なリスクが生まれます。

口内炎などの副作用が軽度であればジスロマックに限らず抗生物質は決められた量を飲みきることを推奨します。自己判断で中止せず、必ず医師の判断に従ってください。

善玉菌を増やすため、発酵食品や乳酸菌を積極的に摂取したりビオフェルミンRなど整腸剤を服用するのも口内炎対策になります。また、口内炎が酷い場合は食塩水でうがいをしたりケナログなどの口内炎の外用剤を使用すると炎症が軽減します。

ジスロマックと飲酒

ジスロマック服用中の飲酒は極力控える必要があります。ジスロマック服用中にアルコールを摂取するとどちらも肝臓や腎臓で分解されるため、それらの臓器への負担が増え、副作用の発現リスクが上がります。

また、ジスロマックの効果は有効成分アジスロマイシンの血中濃度が一定以上になることで発揮されますが、アルコールが血中に取り込まれると有効成分の血中濃度は低くなってしまうことが分かっています。

そうなると、最大の効果を得ることができなくなる上に原因菌に対して中途半端な攻撃になってしまうため菌が耐性化するリスクが高まります。

若干の個人差はありますが、ジスロマックの効果は1日1回500mg3日間もしくは1回1000mgの服用で7~10日間に渡り持続します。

ジスロマックの服用後少なくとも1週間は血中で有効成分が高濃度で細菌と戦っているので、その間アルコールは控えることを強く推奨します。

会社の飲み会などどうしても飲酒が避けられない場合には、十分な水分を摂取したり飲酒の前に食事をして胃の中を満たしておくなどの対策をしましょう。

ジスロマックと梅毒

梅毒は梅毒トレポネーマによる性感染症です。全身に症状が出るのが特徴で、時間の経過と共に症状が4段階に変化していきます。
最終段階まで放置していると重い脳障害や死に至るケースもある重大な疾患であるため、早期での治療が非常に大切です。大昔から不治の病として恐れられていましたが、特効薬の出現により完治が可能になりました。
梅毒感染者はずっと減少していましたが、近年になり再び増加傾向にあります。

その特効薬とはペニシリンです。そのため現在も梅毒にはアモキシシリンなどのペニシリン系の抗生物質の内服もしくは点滴で治療を行います。
ペニシリン系の抗生物質は梅毒トレポネーマに対しては他の抗生物質より抜きん出て強い抗菌作用を発揮します。

ペニシリン系の抗生物質はアレルギー反応が出ることがたまにあるため、ペニシリンアレルギーの方には第二選択として主にテトラサイクリン系の抗生物質が使用されます。

ジスロマックは梅毒の適応がなく、効果はないと言われています。ただし全く効果がないというわけではなく、稀に梅毒治療で使用されることがあるそうです。一般的にはジスロマックなどのマクロライド系の抗生物質は梅毒治療には選択されません。

ジスロマックと下痢

ジスロマックは比較的副作用が少ない抗生物質ですが、その中で一番多く発現する副作用による症状が下痢です。ジスロマックはその強力な抗菌作用により感染症の原因菌以外にも整腸作用のある常在菌など身体に必要な菌も抑制しまうため、腸運動が亢進され下痢が起きやすくなります。

通常は数日(ジスロマックの有効成分が身体に残っている期間)で下痢の症状は改善するのでさほど心配いりませんが、日常生活に支障が出るくらい症状が重い場合や長期間改善しない場合はすぐ医師に相談してください。

尚、下痢対策にはビオフェルミンRなどの市販の整腸剤を服用することをおすすめします。また下痢による脱水症状を起こさないように、こまめに水分補給をしてください。

ジスロマックと膀胱炎

膀胱炎の中でも特に多い急性膀胱炎は膀胱内で細菌が感染して炎症を起こす疾患で、膀胱の痛み、頻尿、残尿感、血尿などの症状が現れます。
特に女性がなりやすく、全ての年齢層でよく見られます。疲労やストレス、病気や加齢など身体が弱っていると免疫力が低下して膀胱炎を発症しやすい傾向にあります。

膀胱炎の原因菌の90%は大腸菌だと言われています。膀胱炎治療は基本的に抗生物質の内服ですが、主にニューキノロン系・セフェム系・ペニシリン系の抗生物質が使用されています。

大腸菌はグラム陰性菌の桿菌で、通性嫌気性菌に属します。
ジスロマックなどのマクロライド系の抗生物質は様々な細菌に対して強い抗菌作用を発揮しますが、グラム陰性菌に対してはごく一部を除いて効果がありません。

膀胱炎の原因菌には大腸菌以外の細菌のパターンもあるのでジスロマックは膀胱炎治療には全くの無効とは限りませんが、他の系統の抗生物質を使用したほうが賢明です。

ジスロマックと蓄膿症(副鼻腔炎)

副鼻腔炎は鼻の粘膜に病原菌が感染して炎症が起きて膿が溜まる疾患です。鼻の痛み・鼻水・鼻づまりなどの症状が続き苦痛を強いられる耳鼻科疾患です。
急性副鼻腔炎を放置すると慢性化すなわち蓄膿症になってしまいます。
あまりに症状や状態が酷いと手術になりますが、基本的には抗生物質内服の治療により完治が可能です。

ジスロマックは副鼻腔炎全般に適応があり、強い抗菌作用を発揮します。
慢性副鼻腔炎すなわち蓄膿症にはジスロマックをはじめとするマクロライド系抗生物質が多く使用されます。
ジスロマックよりも同系統のクラリスが通常用量の半分で長期間使用されることが多く、この服用方法はマクロライド少量長期投与と呼ばれます。マクロライド系の抗生物質は抗菌作用だけではなく抗炎症作用も兼ね備えているため副鼻腔炎による炎症を抑制する目的でこのような服用になります。

ジスロマックは体内で高濃度で長時間留まるので、どちらかというと急性期向けですが慢性型の蓄膿症にも効果を発揮します。
ただし蓄膿症は治療が長期間になることが多く、抗生物質の自己判断での蔓延的な服用は危険です。必ず医師の指示のもとで服用するようにしてください。

ジスロマックの併用禁忌薬は?

ジスロマックは比較的安全性が高く薬物間相互作用も少ないので、併用してはいけない薬は特にありません。ただし、胃腸薬のうち制酸薬に分類される薬剤と一緒に服用するとジスロマックの吸収が悪くなる恐れがあるのと、抗血液凝固薬のワルファリン・強心薬のジゴキシン・免疫抑制薬のシクロスポリンなどではこれらの薬剤の作用が増強して副作用が発現する恐れがあります。
このように禁忌ではないものの飲み合わせがあまり良くない薬は幾つか存在するので、何らかの疾患で服薬治療中の方はジスロマックを服用する前に医師か薬剤師に相談するようにしてください。

尚、一般的に複数の抗生剤を同時に服用することはありません。またジスロマックは服用終了後も効果が7~10日間ほど持続するので、服用終了してから日を置かずに別の抗生剤を服用することも基本的にありません。
ジスロマック服用中に自己判断で安易に抗生剤を併用したりすることは絶対に避けてください。

妊娠中のジスロマック服用は大丈夫?

ジスロマックは比較的安全性が高く、妊娠中の方でも安全に服用できる抗生剤として認識されています。特にクラミジア感染症は妊娠が判明した際に同時に発見されるケースが割と多くあるため、ジスロマックはそのような場合にも使用することが可能であり非常に多く使用されています。

ジスロマックの添付文書上では妊娠中の方に対する投与について「安全性が確立していないため、治療上の有益性が危険性を上回る際に投与する」との記載があります。
これは妊婦に対する臨床試験はできないため100%安全で問題ないとは言い切ることが難しいからです。実際には妊娠中の方に多く使用されています。

それでも妊娠中での自己判断での服用はジスロマックだけでなく全ての薬剤において危険です。必ず医師か薬剤師に妊娠中であることを伝えて相談するようにしてください。

低用量ピルとジスロマックの併用

低用量ピルは避妊目的や月経困難症治療などで多くの女性が服用している女性ホルモン製剤です。ピルと飲み合わせが良くない薬は多数存在しますが、ジスロマックとの併用は特に問題ありません。
ただし、注意点が少しあります。

まず、ジスロマックの副作用で比較的多い下痢の症状が起こった場合です。下痢自体は軽度であればさほど問題ありませんが下痢によってピルの体内への吸収が悪くなる恐れがあるので注意が必要です。
心配な場合は下痢が収まるまではコンドームなどピル以外の避妊法を併用してください。

またクラミジアなどの性感染症の治療でジスロマックを服用している場合、ピルとの併用自体は何も問題ありませんがそもそも性行為が厳禁です。
クラミジアは性行為により感染するので、感染を拡大させないためにも完治するまでは性行為を避ける必要があります。

歯科医でも処方されるジスロマック

ジスロマックは非常に幅広い領域の細菌に対して強い殺菌効果を発揮するマクロライド系の抗生物質であるため、呼吸器感染症、クラミジアや淋病などの性感染症、皮膚科や耳鼻科領域、歯科領域などにおいて世界中で多く使用されています。

ジスロマックは成人の約8割が感染していると言われる歯周病にも有効であるため、歯医者で処方されることも多いです。 歯周病は歯と歯茎の間の歯肉にプラーク(汚れ)が溜まることで歯肉が細菌(歯周病菌)による感染・増殖で炎症し、赤く腫れたり出血、痛みなどの炎症が起きる疾患です。歯科ではプラークや歯石などを除去する治療が行われますが、長期間付着したままだと強固になり除去が難しくなります。

そういった場合にジスロマックを通常成人は1日1回500mg3日間服用すると、強い殺菌効果により体内から歯肉に到達してプラーク中に存在する歯周病菌を殺菌し炎症も抑えることができます。更に即効性があるので服用後は早くに効果を発現します。3日間服用することで7~10日間殺菌効果が持続します。
また、歯根が膿むなどその他口腔内の化膿炎症にもジスロマックは有効です。