うつ病|症状・原因・治療法・よくある質問 | くすりエクスプレスの教えてヘルスケア

海外医薬品・ジェネリック薬の個人輸入代行なら
安心のくすりエクスプレスにお任せください

公開日: 2018/07/10

目次

うつ病の検査と治療法

まず、うつ病の検査は心療内科など専門の医師によって問診から始まり、今までの経過など現在現われていたり感じている具体的な症状を聞き取っていきます。

その他にも、国際的なうつ病の診断基準によってうつ状態の診断ができるDSM-Vや前頭葉の血流量の変化を近赤外線で判断できる光トポグラフィー検査などをすることもあります。

うつ病の治療薬は症状に合わせて行われますが、基本的には薬物療法、精神療法、電気けいれん療法、磁気刺激治療があります。

うつ状態になってしまうのは、脳内の神経伝達物質のバランスが何らかの原因によって崩れてしまうことが原因とされているので、そのバランスを整えるための薬が使われることが多くなります。

抗うつ剤の種類はSSRI、SNRIが主流で、副作用が旧来のお薬より低くなっています。

また、沈んでしまった気分をあげて気持ちを安定させたり、不安感や緊張感を取り除いてやる気をださせる薬を処方されることがあります。

眠れなくなってしまった場合には、睡眠薬などを併用して治療を行われるでしょう。

うつ病の初期症状は

うつ病の初期症状には、まず次のような気分の落ちこみがあります。

  • 何をしても楽しくない、気分が晴れない
  • 仕事や学校に行く元気が出ない
  • 集中力がなくなる
  • 自己嫌悪や罪悪感を抱く
  • マイナス思考で、なんでも悪い方へ考えが向く

身体症状としては以下2点の症状が典型的ですが、逆に1日中眠っているとか、過食するという症状が出ることもあります。

  • 眠れない
  • 食欲がない

このような症状もうつ病の初期症状としてよく現れます。

  • 肩が凝る
  • 疲れやすい
  • 頭痛がする

このような症状が一時的ではなく長く(2週間以上)続くのがうつ病で、それによって仕事上のミスや学校の成績の低下、人間関係の悪化などが生じ、それがさらに抑うつ状態を悪化させる原因になります。

うつ病の初期には身体症状を強く自覚する人が多く、病院でもそれを訴えるので、医師もうつ病を見逃すケースがよくあります。処方された薬に効果がなく、不眠や気分の落ちこみをともなっているときは、うつ病の可能性を疑ってみる必要があります。

吐き気、嘔吐はうつ病の信号ですか

吐き気が起きる原因には、以下などがありますが、うつ病の症状としても、吐き気・嘔吐が起きることが多々あります。

  • 食中毒
  • 毒物の服用
  • 乗り物酔い

なぜうつ病で吐き気の症状がでるのか、はっきりしたことは分っていませんが、うつ病は脳の神経伝達物質のはたらきの不調と考えられているので、それが脳の下部の延髄にある嘔吐中枢を刺激すると考えられています。

食物などとは関係ない原因不明の吐き気が2週間以上も続くような場合は、うつ病が疑われます。

気分の落ちこみなどの精神症状が強くでないで、頭痛、吐き気、肩こりなどの身体症状が強く出るうつ病を仮面うつ病とよぶことがあります。

仮面うつ病はうつ病と気づかないうちに重症化する危険があるので注意が必要です。

うつ病で攻撃的になるか

うつ病の典型的な特徴は、他人を責めるのではなく自責的、自罰的になることなので、攻撃的になることはあまりありません。行動エネルギーも低下するので、他人を攻撃するような元気は出ないのがふつうです。

うつ病ではなく双極性障害(躁うつ病)の躁状態のときなら、他人に対して攻撃的になるのはよくある症状です。

いわゆるうつ病は医学的には「大うつ病」と呼ばれますが、大うつ病ではなく「新型うつ病(現代型うつ病)」とか「非定型うつ病」と呼ばれるタイプのうつ病では、ときに他人に対して攻撃的になることがあります。

また大うつ病の患者にもいろいろな性格の人がいるので、それがうつ病の症状とは言えなくても、攻撃的な行動に出る場合がないとは言えません。

新型うつ病―日本の若者に多いと言われるうつ病。仕事中だけうつになり、職場を離れると元気になる傾向がある。気分の浮き沈みが激しく、ふつうのうつ病と違って自分ではなく他人を責めることが多い。
非定型うつ病―20~30代の女性に多く、過眠や過食などの症状が出ることが多い。イライラして他人に対して攻撃的になることがある。

朝起きられないのはうつ病の症状

朝起きられない、学校や仕事に行く元気がない、午前中はとくに気分が落ち込む、というのがうつ病の典型的な症状です。特別な理由が思い当たらないのに2週間以上こういう状態が続いたら、うつ病の可能性がたいへん高いと言わなければなりません。

こういう症状が出たら、ムリに元気を出そうとしても出ません。元気を出すために必要なセロトニンとかノルアドレナリンという脳内物質が不足しているからです。

元気を出せない自分が悪いと思うと、ますます元気が出なくなります。こういう悪循環にはまると、うつ病はだんだん重症になっていきます。

こういうときは、行きづらくても、敷居が高く感じても、早く病院に行って治療を始めることが大切です。そして、セロトニンを増やす薬を処方してもらって服用すると、ほとんどの場合症状は改善します。

それですぐにうつ病が治ってしまうほど単純ではないのがこの病気のやっかいなところですが、眠れないとか朝起きられないというつらい症状を薬でコントロールし、改善しながら治療していくのが基本です。

うつ病で動けなくなることも

うつ病は重症になるとトイレに行くにも必死の努力が必要なくらい、動くことがつらくなります。こうなると寝ているしかありません。家族に起きろと言われても、起きることは困難です。自分で頑張って起きようとしても、たいへんです。

足を骨折しているときに頑張って歩こうと思う人はいません。家族が骨折したときに、頑張って歩きなさいと言う人もいません。しかし、うつ病では本人も周囲も、骨がまだくっつかないうちにリハビリを始めるような無理をしがち、させがちです。

起き上がるのもつらいというのは、動くだけの元気が出る脳内ホルモンが出ていない状態です。対策は、病院に行って、薬を飲んで、まずその症状を軽くするしかありません。薬も飲まずに無理に頑張ったり、頑張らせたりするのは、骨折した脚で動き回るのと同じで症状が悪化するだけです。

うつ病と昼夜逆転の生活

うつ病の症状が重いときに、昼夜の生活が逆転することはよくあります。それは、朝起きることができなくなって、寝ていざるを得ないからです。症状によっては昼過ぎから少し元気がでて起きられるようになりますが、夜暗くなってからやっと起き上がる元気が出ることもあります。こうなると昼夜の生活は逆転してしまいます。

症状が重くて朝起きられないときは、学校や仕事も休むことになります。病状が回復するまでそれは仕方がないことですが、それにあまり後ろめたさを感じると昼夜逆転の生活を定着させてしまうことがあります。みんなが働いている昼間に働いていないという現実から目を背けるために、できるだけ眠っていようとするからです。もう働かなくてよい夜になるとやっと心が落ち着いて、起き上がる元気が出てきます。

うつ病の症状が重いときに昼夜逆転の生活パターンだけ変えようとしても無理です。治療をして、症状を改善しながら、あせらずに生活パターンを元に戻していきましょう。

うつ病で何をしてもつまらなくなる

医師がうつ病の診断に使うチェックリスの中に「この2週間毎日、ほぼ一日中何もしたくないし、何も面白くないと感じるか」という項目があります。何をしてもつまらない、楽しくないというのは、うつ病の典型的な症状の1つです。

なぜうつ病になると何をしてもつまらないと感じるのでしょうか。それは私たちの脳の「報酬系」のホルモンに関係していると言われています。ランナーズハイという言葉を聞いたことがあると思います。これは長距離走をしているときにドーパミンが放出されることによって感じる快感です。肉体的なつらさをカバーするために報酬系の脳内ホルモンが放出されたのです。

うつ病はこの脳内ホルモンの不調で、楽しいとか気持ちいいという報酬系が機能しなくなっている状態です。そうなると、今まで夢中だった趣味にも興味がもてなくなって、見向きもしなくなることがあります。

うれしい、楽しい、優越感を感じる、自分は何でもできると感じる―理由や根拠のあるなしに関わらずこういう気持ちにさせるのが脳の「報酬」です。むやみにこれが強くて多幸感がある人というも周りが迷惑することがありますが、まったく報酬が得られない脳の状態というのは、本人にとって非常につらいものです。

生きていても仕方がない、と思うのもこういうときです。何をしても楽しくない状態が続くようなら1日も早く医師の診断を受けて、必要な治療を始めることが大切です。

うつ病で涙もろくなる

わけもなく悲しい、というのはうつ病の典型的な症状の1つです。そんなときには男性でも涙をぼろぼろ流して泣くことがあります。ただしうつ病が重症になると泣く元気もなくなることがあるので、涙もろいのはまだそれほど重症化していないとも言えます。

また、同じ気分障害ですがうつ病(大うつ性障害)とは区別される非定型うつ病でも、涙もろくなる症状があります。女性の場合は月経前症候群でも、感情の変動が大きくなって突然泣き出すなどの症状が出ることがあります。

うつ病で被害妄想になる

妄想は統合失調症によく出る症状ですが、うつ病も重症になると妄想が出ることがあります。うつ病の妄想は誇大妄想の逆の「微小妄想」が特徴です。

微小妄想とは、現実よりも自分を過小評価してしまう妄想で、その中には次のようなものがあります。

・心気妄想 自分を病気だと思い込む
・貧困妄想 自分を貧乏だと思い込む
・罪業妄想 悪いのは自分だと思い込む

このような妄想は、根拠がなく、事実と反するだけに、かえって訂正が困難です。

命を狙われているとか盗聴されているというような被害妄想は統合失調症に典型的な症状です。うつ病の場合は、自分が悪いと思う気持ちからみんなが自分を非難しているように思うなど、微小妄想が被害妄想的な表現を借りて現れていることが多いと思われます。

うつ病の症状でイライラすることが

焦燥感、イライラの症状は同じ気分障害でもうつ病ではなく、双極性障害の躁状態のときに多い症状です。また大うつ病(いわゆるうつ病)ではなく非定型うつ病では、イライラはよく見られる症状です。うつ病の重症のときはイライラする元気もなくなるのが普通です。

うつ病でイライラの症状が現れることがあるのは、抗うつ剤の飲み始めの時期です。自分に合う抗うつ剤を見つけるまでには時間がかかることがあるので、医師の指示に従って辛抱づよく治療することが大切です。

また、自己判断で薬の量を減らしたり止めたりすると、イライラやそれ以上の危険な症状が出ることがあるので、勝手に薬の量を変えることはつつしみましょう。

うつ病で息苦しくなることが

うつ病の身体症状には実にさまざまなものがあり、どれといって当てはまらないものはないとも言えます。それは、うつ病の原因が脳内ホルモンのバランスのわるさで、それが自律神経に影響を与えるからです。女性の更年期障害に不定愁訴ともいわれるさまざまな症状があるのとよく似ています。

したがって、メジャーな症状とはいえませんが、うつ病で息苦しいという症状がでることはあります。精神障害で息苦しさがメジャーな症状の病気というとパニック障害があります。激しい動悸や息苦しさに驚いて救急車を呼ぶと、病院に着くころには収まっているというのが典型的なパニック発作です。

整体院のホームページなどでは、<うつ病―筋肉(横隔膜)の緊張―息苦しさ>という関係がよく論じられています。整体やマッサージで筋肉の緊張をほぐすことは、うつ病の治療のメインにはなりませんが、その補助としては考えられます。

うつ病とむくみ

むくみはうつ病のメジャーな症状ではありませんが、うつ病になると自律神経の失調を起こしやすいこと、運動不足になりがちなことなどから、顔や手足にむくみが出ることがあります。

また、むくみは女性に多い症状です。女性にむくみが出やすいのは、月経時のホルモンバランスの変化や、第二の心臓といわれるふくらはぎや太ももの筋肉が男性に比べて細いのが理由です。

うつ病も女性は男性の約2倍の患者がいる、女性がかかりやすい病気です。したがって、因果関係がなくても女性のうつ病の患者にむくみが併発することはめずらしくありません。

うつ病でむくみが出るのは、抗うつ剤の副作用のことが多いと考えられます。むくみの程度も出る場所も人によって違いますが、抗うつ剤の飲み始めの時期にむくみが出ることがあります。

飲み慣れるにしたがって副作用は軽減することが多いのですが、症状が重い場合は医師に相談してください。抗うつ剤の種類を変えるなどの対策をしてくれます。自己判断で薬の服用を止めてしまうのは、うつ病の方が重症化するリスクがあります。

むくみがひどい場合はラシックスなど利尿剤で尿を大量に排出してむくみを緩和することもあります。

抗うつ剤が原因の抜け毛

抗うつ剤には多くの種類がありますが、その副作用として脱毛が報告されているものは多くはありません。

四環系抗うつ剤ではマプロチリン塩酸塩が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)ではマレイン酸フルボキサミンが、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)では塩酸ミルナシプランが指摘されている程度です。

また、うつ病によくある症状として脱毛はあげられていませんが、ストレスから自己免疫で円形脱毛症になることがあるように、うつ病が何らかの影響を与えて、脱毛が増えることがないとは言えません。

男性の場合はうつ病とAGAが因果関係なしに併発することはめずらしくありません。また、仮に抗うつ剤が脱毛に関係しているとしても、自己判断で服用を中止するとうつ病の症状が悪化し、自殺企図などもっと重大な症状が出てくる恐れがあります。

育毛にはAGA治療薬プロペシア、フィンペシアやミノキシジル配合のツゲインが有名です。

うつ病が原因の過眠症

過眠症とは「1日10時間以上寝ても眠たくて、昼間がまんできない眠気が襲う」という症状です。こういう症状が週に3日以上あるようなら「過眠症」と診断されます。

うつ病の典型的な症状に不眠がありますが、若い人のうつ病や軽症の段階では過眠の症状が出ることがあります。また、同じ気分障害でもいわゆるうつ病(大うつ病)とは区別されている、非定型うつ病(新型うつ病)や冬季うつ病などでは、不眠よりも過眠の症状が多く出ます。

非定型うつ病とは、若い世代に多い気分障害で、過眠の症状が出るほか、過食の傾向が出る、午前中よりも午後や夜の方が気分が落ち込む、仕事の意欲は低下するが趣味ならやる気が出る、など大うつ病とは異なる症状がいろいろあります。

非定型うつ病の治療では薬物療法の他に、軽い運動や昼夜逆転した生活リズムの改善などの生活改善も重視されます。

昼間の突発的な眠気は重大な産業事故や交通事故の原因になることがあります。過眠症の原因にはうつ病や非定型うつ病などの他に、睡眠時無呼吸症候群などの身体の病気の場合もあるので注意してください。

うつ病が原因の過食

うつ病になると、たいていは食欲がなくなって体重も減ってしまいます。しかし、うつ病(大うつ病)とは臨床的に区別されている「非定型うつ病」では、むしろ過食で体重が増えるのという症状が多くなります。

非定型うつ病は20~30代の若い年齢に多い気分障害です。うつ病は男性よりも女性の患者が2倍くらい多い病気ですが、非定型うつ病はその差がもっと開き3~5倍女性の方が多くなります。

うつ病との違いは過食の傾向が出る他に、不眠よりも過眠の症状が出やすい、午前中よりも夜に気分が落ち込む、ふだんは落ち込んでいるが好きなことをすると元気になる、などいろいろあります。

非定型うつ病の過食傾向は、拒食症の裏返しとしての過食症とは違い、嘔吐しながら食べ続けるということはありません。しかし、食べることでストレスを解消したいという欲求が大きく、とくに甘いものが無性に欲しくなる傾向があります。

非定型うつ病が原因の過食傾向は「ダイエットの意志」だけで止めることは困難で、結局誘惑に負けてさらに落ち込むことになります。病気を治療することで自然に過食傾向はなくなります。

非定型うつ病に使われる治療薬

非定型うつ病の薬物療法には、抗うつ剤(セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や三環系抗うつ剤)のほか、安定剤、抗精神病薬抗不安薬、睡眠導入剤などが用いられます。

非定型うつ病の薬物療法は通常1年ほどはかかるため、継続して服用が必要となります。非定型うつ病の場合、通常のうつ病とは症状が異なり、SSRIに代表される抗うつ剤の投与のみでは十分な効果が得られないと言われます。

非定型うつ病の治療に選択されるお薬は以下が含まれます。

産後うつとは何ですか

産後うつは、妊娠中に豊富に分泌されていたエストロゲンの分泌が妊娠前に戻ることによる、ホルモンバランスの急激な変化が原因です。産後の女性の10~20%に発症すると言われます。多くは1年以内に回復しますが、軽く考えて放置すると重症化することがあります。

産後うつで以下のような症状が出ます。

  • 気分の落ちこみ・不安
  • イライラ
  • 不眠(逆に過眠の症状が出ることもあります)
  • 疲労感
  • 食欲不振
  • 赤ちゃんに愛情がわかない
  • 自己否定的になり、自分に値打ちがないと思う

産後うつは、出産した産婦人科や地域の子育て支援センターなどで相談することができます。また、家族の協力が重症化を防ぐためにたいへん重要です。とくに夫が子育てに理解を示し、その負担を分担することが妻の精神の安定に欠かせません。

うつ病と統合失調症の違い

うつ病と統合失調症は日本人ではもっとも患者数が多い精神疾患です。平成23年の厚生労働省の患者調査では、医療機関を受診したうつ病患者は約95万人、統合失調症の患者は約71万人となっています。

うつ病と統合失調症は異なる病気ですが、統合失調症の陰性症状に抑うつ症状があり、うつ病とまぎらわしい点があります。陽性症状には双極性障害の躁状態とまぎらわしい点があります。

<うつ病と統合失調症の違い>

  • 自分が病気であるという自覚は、うつ病にはあるが統合失調症にはないことが多い。
  • 統合失調症には幻視や幻聴などの幻覚があるが、うつ病にはない。
  • 統合失調症の特徴的な症状に被害妄想があるが、うつ病にはない。
  • うつ病の妄想の特徴は「微小妄想」といわれるもので、自分が悪いと思い込む罪業妄想や貧乏だと思い込む貧困妄想などがある。
  • うつ病には「抗うつ薬」が効くが、統合失調症には効かない。
  • 統合失調症には「抗精神病薬」が効くが、うつ病には効かない。

うつ病になりやすい性格

真面目で几帳面な人がうつ病になりやすいとよく言われますが、このような発病前の性格にうつ病の原因があるとする考え方を「病前性格論」といいます。

とくに、几帳面、完璧主義、責任感が強い、他人に気をつかいすぎるなどの「メランコリー親和型性格 」がうつ病を発症しやすい性格だという仮説は、統計的に有意として支持されてきました。

しかし最近は、メランコリー親和型には属さない性格の人のうつ病が増えて、この仮説の有効性は否定されつつあります。どんな性格の人でもうつ病になりうるし、心理的な原因が見つからないうつ病も多いというのが現代のうつ病に関する常識です。

うつ病の原因として現在有力視されているのは、上記のような「心理学的仮説」ではなく、「生物学的仮説」の1つである「モノアミン仮説」です。これはうつ病の原因は脳内神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンの不足によっておこるという説です。

ただしこの説も「セロトニンなどを増やす抗うつ剤がうつ病の症状改善に効果がある」ということから立てられた仮設で、その機序が明らかになっているわけではありません。

女性は男性よりもうつ病になりやすく患者数は約2倍います。その理由は月経、閉経、妊娠・出産などのホルモンバランスの変化によって、脳内物質の分泌に影響が出るためと考えられています。このことからも、うつ病を性格からくる病気とだけ考えるのは間違いであることが分ります。

うつ病と自傷行為の関係

自傷行為については、いろいろ誤解されていることがあります。まず、自傷行為は自殺の失敗ではないということを知っておく必要があります。自傷行為をする人に死ぬ気はありません。

うつ病は重症になると、自傷行為ではなく自殺を図るようになります。自分に生きている値打ちがない、自分が生きていることで他人に迷惑をかける、などの考えに取りつかれ、ほんとうに自殺してしまう危険があるのがうつ病です。手段もリストカットなどではなく、確実に死ねると思う方法を選びます。

自傷行為は実行した後に一種の解放感やカタルシスがあります。自殺の失敗の場合は、そのような満足感に似た感情はわかず、失敗によってさらに落ち込むことになります。

自傷行為はある意味で「生きたい」というサインであり、訴えですが、うつ病の自殺企図は自分の存在をこの世から抹殺したいと本気で思っています。

したがって自傷行為はうつ病のメジャーな症状ではありません。自傷行為がよく見られるのは境界性人格障害といわれる病気で、児童虐待や性的虐待を経験した人などに多いと言われています。

うつ病患者の車の運転

2012年に京都の祇園で軽ワゴン車が暴走して8人が死亡した事故がありました。原因は運転していた男性がてんかんの発作を起こして意識不明になったことでした。この事故を受けて、2014年に精神障害の患者の車の運転に関する2つの法律が施行されました。それが、以下の2つです。

  1. 自転車運転死傷行為処罰法
  2. 改正道路交通法

①は下記のどれかの病気にかかっていて、車の運転が危険だと自分でもわかっていながら事故を起こしたときの罰則です。人を死亡させた場合に懲役15年以下、負傷させた場合に同12年以下となっています。

  • 統合失調症
  • 低血糖症
  • 躁うつ病(うつ病含む)
  • 再発性失神
  • 重度の睡眠障害
  • 意識や運動の障害を伴うてんかん

②は、公安委員会が運転に支障を及ぼす症状のある運転者へ、その病気に該当するか判断するための質問票を交付する事ができるという法律です。それによって公安委員会は一定期間(3ケ月以内)免許を停止することができます。

この2つの法律は施行されたばかりで、現実にどのように運用されるかは未知数です。精神疾患と交通事故の因果関係の判断は、実際にはたいへん難しいケースが多いと考えられます。うつ病のどのような症状が、車の運転が危険だと判断すべきかは、医師にとっても難しいと思われます。しかし、自己判断はもっと危険なので、うつ病で車の運転に支障があるかもしれないと思うときは医師に相談する必要があります。

うつ病と遺伝

親がうつ病を発症したことがあれば、その子供のうつ病の生涯有病率は10~20%あると言われています。親の病歴を考慮しないうつ病の生涯有病率は7.5%なので、うつ病に遺伝的要素はあると言わなければなりません。

しかし、例えば色弱の場合は親から子に遺伝する確率は決定されていますが、うつ病は遺伝以外の要素がいろいろ関係しているので、同じ遺伝子を持っている双子でも発症する人もいればしない人もいます。

性格や体質がある程度親に似るのは当然なので、うつ病の遺伝もその程度と考えてよいでしょう。それを不安材料にするのではなく、親の経験を予防的に生かすことが大切です。

自分で気づく、あるいは家族が気づく「うつ病のサイン」

<自分で気づく、心の変化>

  • 理由もなく憂うつな気分になる。
  • それまで夢中になっていた趣味に興味がわかなくなる。
  • テレビを見ても面白く感じない。
  • 新聞を読む気がしない。
  • 他人となるべく会いたくない。
  • 物事を悲観的に見る。
  • 自分が周囲に迷惑をかけていると思う。
  • 生きていても仕方ないと思う。

<自分で気づく、身体の変化>

  • よく眠れなくなる。不眠症(寝付けない、深夜や早朝目が覚める)
  • 疲れやすく、疲れが取れない。
  • 食欲がなく、何を食べてもおいしく感じない。
  • 頭痛や肩の痛みなど、原因のわからない身体の痛みがある。
  • 朝起きれなくて、会社や学校に行けない。
  • 風呂に入る、ひげを剃るなどの日常生活が面倒になる。

<家族が気づく変化>

  • 口数が減った。
  • 外出しなくなった。
  • 学校や会社を休むようになった。
  • 今まで好きだった趣味を見向きもしなくなった。
  • テレビや新聞を見なくなった。
  • 何もせずボンヤリしていることが増えた
  • 風呂に入りたがらず、ひげも剃らない。
  • 「オレはダメな人間だ」とか「死にたい」などと口にする。

これらの一つひとつは誰にでもあることですが、いくつかの症状が2週間以上も続いているようなら、うつ病の可能性が高いと言えます。うつ病はできるだけ早く治療を始めることで、早く治り再発のリスクも減らすことができます。

うつ病の認知行動療法の効果とメリット・デメリット

認知行動療法とは、物事をネガティブに考えてしまいがちな日々を送っているうつ病の人の考え方を正し、ストレスフリーな精神状態を作っていくための治療法を言います。

まず、日常の出来事やその時に感じたことなどをノートなどに書き込んでいき、自分がどう思っているかを客観的に把握してもらいます。

そして後から振り返りを行って前向きな考え方ができるようにサポートし、この繰り返しによって抱え込むストレスをなくしていくのが目的の療法なのです。

最大のメリットとしては、薬物療法と違い副作用がないことです。なので、症状が軽い場合は薬よりも認知行動療法の方が効果的だというケースもあります。

また悲観的な考えをしづらくなるので、うつ病の再発防止につながるとも言えるでしょう。

デメリットは、医師との相性が合わない場合はこの療法が確実に効果的ではないということです。

また日本では、この認知行動療法は保険点数の低さなどから推奨しているクリニックがあまり多くなく、専門的な治療を行っている医師も少ないので治療法が広まっていないという現状もデメリットのひとつだと言えるでしょう。

抗うつ剤

うつ病の治療薬の抗うつ薬にはいくつかの種類がありますが、共通した性質は次のようなものです。

  • 脳の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンに作用する薬です。
  • 薬を飲みはじめてから効きだすまでに1週間~数週間かかります。
  • 始めは副作用が強く出る傾向があり、薬の効果が出る前に副作用が現れがちです。
  • 自己判断で薬を飲む量を増やしたし、減らしたりするのは危険です。

抗うつ剤の種類

うつ病の原因はよく分っていませんが、かならず脳内神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンの働きの低下がともないます。また、うつ病を発症したきっかけがどうであれ、これらの神経伝達物質の働きを活性化させることで症状が改善します。

現在よく使われている抗うつ剤は、比較的最近に開発された

SSRI(選択的セロトニン再取り込阻害薬) ― 第3世代抗うつ薬と言われます。
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込阻害薬) ― 第4世代抗うつ薬と言われます。
の2つです。

「選択的」というのは、狙った効果以外には作用を及ぼしにくいという意味で、従来の抗うつ剤より口の乾きや便秘などの副作用が少ないのが特徴です。

「再取込阻害」というのは、分泌されたセロトニンやノルアドレナリンを再取り込する受容体の働きを阻害することで、脳内のセロトニンやノルアドレナリンの量を保つことです。

この他に第1世代、第2世代抗うつ薬の「三環系抗うつ薬」「非三環系抗うつ薬」があります。これらもセロトニンとノルアドレナリンに作用しますが、うつ病に関係のないアセチルコリンやヒスタミンなどの神経伝達物質にも作用するので、副作用が出やすくなるマイナスがあります。

しかし、症状によっては三環系、非三環系の抗うつ剤が有効なので、症状によって医師がどのタイプの抗うつ薬を使うかをきめます。

薬の効果より副作用が先に出ることも

抗うつ剤は頓服の鎮痛剤のように飲んですぐ効き目が現れる薬ではありません。

イメージとしては、薬の作用で脳内のセロトニン量のレベルが徐々に上がっていく感じです。抗うつ剤のやっかいな点は、その前に副作用が先に出てくることが多く、ときとして服薬の意欲をそいでしまうことがあることです。

抗うつ剤の副作用には、眠気、口渇、便秘などがありますが、飲み慣れるにしたがって軽減します。また、SSRI、SNRIはこれらの副作用が少ないのが特徴です。

心療内科でのうつ病治療法

うつ病の基本的な治療法はパキシル、ジェイゾロフト、レクサプロ、サインバルタなど抗うつ薬を使用した薬物治療で、脳内の神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンに働きかける効果があります。

しかしこれらの薬は効果が表れるまで時間がかかり、頭痛や吐き気などの副作用が発生するケースもあるので、担当医とよく相談しながら治療を進めていくことが大切と言えるでしょう。

また精神療法のひとつで認知行動療法支持的精神療法といった治療法もあり、これは医師と共に会話のキャッチボールを繰り返しながら症状を改善させていくというものです。

また磁気を使って脳を刺激することで血流を活性化し、低下した機能を戻していく磁気刺激治療(TMS)という治療法も存在します。

こちらは副作用が少なく安全性が高いのがメリットで、薬の副作用で悩んでいたり数十年うつ病を患っているのになかなか改善されない方などによく使われる治療法です。

磁気刺激治療は外来通院型の治療法なので、週に5回通院するとしたら1回あたりにかかる時間は約37分、治療機関の目安は5週間くらいとなるでしょう。

うつ病患者に処方される「抗不安薬」の効果と副作用

うつ病患者には抑うつ状態を改善するために抗うつ薬が処方されるのが一般的ですが、抗不安薬はその名の通りうつ病の症状の中の不安感やイライラを軽くするために抗うつ薬と併用されることが多い薬です。

様々な種類を持つ抗不安薬ですが、日本で主に使われている抗不安薬は「ペンゾジアゼピン」と呼ばれるものです。

このペンゾジアゼピン系には脳の活動を抑制して不安状態を押さえ込む働きがあります。

こちらの効果は服用後1~2時間以内と抗うつ薬よりも早い効き目があり、不眠症に対しても使われることがあります。

またペンゾジアゼピンと同じく抗不安薬として処方される薬で「タンドスピロン」といものがあります。

こちらは不安や緊張・睡眠障害などの症状の改善に効果があるとされています。ベンゾジアゼピンに比べると依存性が少ないといった特徴がありますが、効果が現れるまで2週間~4週間ほどの時間を要する薬です。

抗不安薬の副作用としては、まず脳の活動を抑制するために「眠くなる」「ふらふらする」「脱力感」など体への副作用が起こります。

そして薬への依存度が高まりやすいということがもう一つの副作用として挙げられます。

ベンゾジアゼピン系の抗不安薬は正しい飲み方をしないと痙攣や発作といった副作用を引き起こすこともあるので、適切な服用を心掛けるようにしましょう。

ベンゾジアゼピン系の抗不安薬は最近では処方されにくくなり、個人輸入もできないお薬に分類されました。

その代替としてバスピロン、ロゼレムなどの個人輸入が可能なお薬も人気があります。

女性に多いうつ病の原因

ホルモンが変化する女性の3大イベントが女性のうつ病と深い関係があります。

うつ病は脳内ホルモンのセロトニンやノルアドレナリンが不足することによって起きる病気ですが、なぜ脳内ホルモンの不足が生じるかという原因はよく分っていませんが、強いストレスなどがそのきっかけになります。

女性の場合はそういうきっかけになりやすいのが、エストロゲンなどの女性ホルモンのバランス変化です。女性には

  1. 月経周期
  2. 妊娠・出産
  3. 閉経

というホルモンのバランスが変化する「3大イベント」があります。女性ホルモンの変化は自律神経にも影響を与えるので、それが脳内ホルモンにも作用してうつ病の原因になることがあると考えられています。

月経前症候群(PMS)がきっかけで起きる非定型うつ病

ふつうは単にうつ病と呼ばれている「大うつ病」の他に、最近注目されているのは20代、30代の女性に多い「非定型うつ病」です。

ふだんは気分が落ち込んでいるのに好きなことには熱中できる、朝ではなくて夕方に落ち込む、などふつうのうつ病とは違う症状がいろいろあります。このタイプのうつ病が若い女性に多いのは、月経前症候群(PMS)が発症のきっかけになることが多いからだと考えられています。

PMSは月経の前にむくみや腹痛などの身体症状の他に、イライラ・憂うつ・突発的な感情の揺れなどの精神症状がでる病気です。ふつうは月経が始まると症状はおさまりますが、PMSがきっかけでうつ病や非定型うつ病を発症する女性が少なくありません。

PMSは経口避妊薬の低用量ピルを服用することで改善が期待できます。

エストロゲンシャワーの終了で起きるマタニティーブルー

出産後まもなく起きる不安定な精神状態をマタニティーブルーと言いますが、その主な原因は妊娠中に豊富に分泌されていたエストロゲンが急に低下することだと考えられています。不安、抑うつ感情、不眠などの症状が出ますが、ふつうは1~2週間で解消します。しかし、マタニティーブルーをきっかけにうつ病になり、症状が長びくことがあります。

もっとも多い、更年期障害がきっかけのうつ病

更年期障害がでる40代後半から50代前半は「思秋期」とも言われる精神状態が不安定になる時期です。ちょうど子供が独立して家を出る時期でもあるので「空の巣症候群」などと言われることもあります。理由がなく気分が落ち込んだり、将来に強い不安を感じたりする症状がでます。

このような更年期障害による抑うつ症状からうつ病を発症することがあります。更年期障害は女性ホルモンのエストロゲンを補充するホルモン療法で、身体症状も精神症状も改善することが期待できます。

家族のうつ病のサイン

2週間以上こんなようすが続いたらうつ病かも

夫や子どもがうつ病になると、家にいるときのようすがそれ以前とは大きく変わります。次のような言動が2週間以上続くようならうつ病を疑う必要があります。

  • 以前よりご飯を食べなくなった。
  • 口数が減り、冗談を言わなくなった。
  • ため息が多く、「オレはダメな男だ」などと自己否定的なことを言う。
  • 好きだった趣味にあまり関心を示さなくなる。外出が減り、週末も家にいる。
  • 夜、眠れていないようだ。
  • 会社や学校を止めたいと口にする。
  • 死にたいと漏らすことがある。

こんなようすが見えると心配になるので、仕事で疲れているのだろうとか、試験前だからとか、合理的な理由を探して不安をまぎらわそうとしがちです。しかし、それで自分を納得させてしまうと、家族が発信しているうつ病のサインを見逃してしまうことになります。

まず、家ではのんびり休めるようにしてあげよう

しかし、心配だからといって「どうしたの?」と問い詰めるのは良くありません。どうしてこんなに気分が落ち込んで、考え方がマイナーになるのか、本人がいちばんその理由が分らずに不安を感じているからです。

うつ病を発症すると、会社や学校は患者にとってはとても厳しい環境になり、家庭がせめてもの安息の場になります。家族がうつ病かなと思ったら、家ではできるだけリラックスできるようにしてあげるのが、まず大切なことです。

気分転換のイベントなどを企画しない

パーティや旅行などを企画して気分転換をしたら気が晴れるだろうというのは、大きな間違いです。うつ病は、朝ベッドから起き上がるのも元気をふりしぼらなくてはいけない病気です。うつ病の人にとって「イベント」ほどうとましく、疲れるものはないのです。

向こうから何か話しかけてきたら、先回りして結論めいたことを言ったり、アドバイスしたりせずに、とにかく「ゆっくり聴く態度」が大切です。「思い過ごしよ」とか「そんなことないって」というような否定的な言葉や評価・批評する言葉は胸にしまって、本人がそう感じているという事実をまず肯定的に受け入れてあげましょう。

会社を辞めるなどの重大な決定をしない

しかし、会社を辞めたいとか学校を辞めたいと言い出したときは、肯定的に受け止めてはいられません。うつ病のときには、そういう重大な決定は避けなければいけません。「そんなことを言わないで頑張って!」と励ますのはいけませんが、それもいいかもしれないけれど急ぐ必要はないと言って結論を先延ばしにしましょう。

出来るだけ先延ばししたくないのが治療の開始です。うつ病のときはなかなか一人で病院に行く決心もつきにくいので「いっしょに行こう」という一言が効果的なことがあります。

抗うつ剤で性的な興奮が高まるか

抗うつ剤には性的興奮を高める作用はありませんが、心をリラックスさせる作用があるので、精神的な緊張が勃起のじゃまをしている場合は効果があるケースがあります。

奥さんが病気で数年間セックスがなく、再開したときに中折れするようになっていたとのことなので、奥さんの身体に対する気遣いから勃起の継続が難しくなっていることも考えられます。

しばらくは射精を望まずに、とりあえずセックスできるようになったことを良しとする余裕が必要かもしれません。

また、ED治療薬は1度や2度の服用では効果が出ない場合もあります。何回か服用を続けることで効果が出てくることは珍しくありません。

ED治療薬の効果が弱いと感じている人に多く見られるのが、食後にお薬を飲んでいるケースです。

ED治療薬は満腹時に服用すると効果が弱くなるので、空腹時に飲む必要があります。

抗うつ剤は飲みはじめてから効果が現れるまで1~2週間かかるお薬です。

長期間服用すると依存性が生じるリスクもあります。ED治療薬との併用を考える前に、ED治療薬を正しい服用法でしばらく服用してみることをおすすめします。