うつ病の症状に関するよくある質問 | くすりエクスプレスの教えてヘルスケア

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公開日: 2018/07/10

うつ病の初期症状は

うつ病の初期症状には、まず次のような気分の落ちこみがあります。

・何をしても楽しくない、気分が晴れない
・仕事や学校に行く元気が出ない
・集中力がなくなる
・自己嫌悪や罪悪感を抱く
・マイナス思考で、なんでも悪い方へ考えが向く

身体症状としては以下2点の症状が典型的ですが、逆に1日中眠っているとか、過食するという症状が出ることもあります。

・眠れない
・食欲がない

このような症状もうつ病の初期症状としてよく現れます。

・肩が凝る
・疲れやすい
・頭痛がする

このような症状が一時的ではなく長く(2週間以上)続くのがうつ病で、それによって仕事上のミスや学校の成績の低下、人間関係の悪化などが生じ、それがさらに抑うつ状態を悪化させる原因になります。

うつ病の初期には身体症状を強く自覚する人が多く、病院でもそれを訴えるので、医師もうつ病を見逃すケースがよくあります。処方された薬に効果がなく、不眠や気分の落ちこみをともなっているときは、うつ病の可能性を疑ってみる必要があります。

吐き気、嘔吐はうつ病の信号ですか

吐き気が起きる原因には、以下などがありますが、うつ病の症状としても、吐き気・嘔吐が起きることが多々あります。

・食中毒
・毒物の服用
・乗り物酔い

なぜうつ病で吐き気の症状がでるのか、はっきりしたことは分っていませんが、うつ病は脳の神経伝達物質のはたらきの不調と考えられているので、それが脳の下部の延髄にある嘔吐中枢を刺激すると考えられています。

食物などとは関係ない原因不明の吐き気が2週間以上も続くような場合は、うつ病が疑われます。気分の落ちこみなどの精神症状が強くでないで、頭痛、吐き気、肩こりなどの身体症状が強く出るうつ病を仮面うつ病とよぶことがあります。

仮面うつ病はうつ病と気づかないうちに重症化する危険があるので注意が必要です。

うつ病で攻撃的になりますか

うつ病の典型的な特徴は、他人を責めるのではなく自責的、自罰的になることなので、攻撃的になることはあまりありません。行動エネルギーも低下するので、他人を攻撃するような元気は出ないのがふつうです。

うつ病ではなく双極性障害(躁うつ病)の躁状態のときなら、他人に対して攻撃的になるのはよくある症状です。

いわゆるうつ病は医学的には「大うつ病」と呼ばれますが、大うつ病ではなく「新型うつ病(現代型うつ病)」とか「非定型うつ病」と呼ばれるタイプのうつ病では、ときに他人に対して攻撃的になることがあります。

また大うつ病の患者にもいろいろな性格の人がいるので、それがうつ病の症状とは言えなくても、攻撃的な行動に出る場合がないとは言えません。

新型うつ病―日本の若者に多いと言われるうつ病。仕事中だけうつになり、職場を離れると元気になる傾向がある。気分の浮き沈みが激しく、ふつうのうつ病と違って自分ではなく他人を責めることが多い。
非定型うつ病―20~30代の女性に多く、過眠や過食などの症状が出ることが多い。イライラして他人に対して攻撃的になることがある。

朝起きられないのはうつ病ですか

朝起きられない、学校や仕事に行く元気がない、午前中はとくに気分が落ち込む、というのがうつ病の典型的な症状です。特別な理由が思い当たらないのに2週間以上こういう状態が続いたら、うつ病の可能性がたいへん高いと言わなければなりません。

こういう症状が出たら、ムリに元気を出そうとしても出ません。元気を出すために必要なセロトニンとかノルアドレナリンという脳内物質が不足しているからです。元気を出せない自分が悪いと思うと、ますます元気が出なくなります。こういう悪循環にはまると、うつ病はだんだん重症になっていきます。

こういうときは、行きづらくても、敷居が高く感じても、早く病院に行って治療を始めることが大切です。そして、セロトニンを増やす薬を処方してもらって服用すると、ほとんどの場合症状は改善します。

それですぐにうつ病が治ってしまうほど単純ではないのがこの病気のやっかいなところですが、眠れないとか朝起きられないというつらい症状を薬でコントロールし、改善しながら治療していくのが基本です。

うつ病で動けないことはありますか

うつ病は重症になるとトイレに行くにも必死の努力が必要なくらい、動くことがつらくなります。こうなると寝ているしかありません。家族に起きろと言われても、起きることは困難です。自分で頑張って起きようとしても、たいへんです。

足を骨折しているときに頑張って歩こうと思う人はいません。家族が骨折したときに、頑張って歩きなさいと言う人もいません。しかし、うつ病では本人も周囲も、骨がまだくっつかないうちにリハビリを始めるような無理をしがち、させがちです。

起き上がるのもつらいというのは、動くだけの元気が出る脳内ホルモンが出ていない状態です。対策は、病院に行って、薬を飲んで、まずその症状を軽くするしかありません。薬も飲まずに無理に頑張ったり、頑張らせたりするのは、骨折した脚で動き回るのと同じで症状が悪化するだけです。

うつ病で昼夜逆転の生活になったりしますか

うつ病の症状が重いときに、昼夜の生活が逆転することはよくあります。それは、朝起きることができなくなって、寝ていざるを得ないからです。症状によっては昼過ぎから少し元気がでて起きられるようになりますが、夜暗くなってからやっと起き上がる元気が出ることもあります。こうなると昼夜の生活は逆転してしまいます。

症状が重くて朝起きられないときは、学校や仕事も休むことになります。病状が回復するまでそれは仕方がないことですが、それにあまり後ろめたさを感じると昼夜逆転の生活を定着させてしまうことがあります。みんなが働いている昼間に働いていないという現実から目を背けるために、できるだけ眠っていようとするからです。もう働かなくてよい夜になるとやっと心が落ち着いて、起き上がる元気が出てきます。

うつ病の症状が重いときに昼夜逆転の生活パターンだけ変えようとしても無理です。治療をして、症状を改善しながら、あせらずに生活パターンを元に戻していきましょう。

何をしてもつまらないのはうつ病だからですか

医師がうつ病の診断に使うチェックリスの中に「この2週間毎日、ほぼ一日中何もしたくないし、何も面白くないと感じるか」という項目があります。何をしてもつまらない、楽しくないというのは、うつ病の典型的な症状の1つです。

なぜうつ病になると何をしてもつまらないと感じるのでしょうか。それは私たちの脳の「報酬系」のホルモンに関係していると言われています。ランナーズハイという言葉を聞いたことがあると思います。これは長距離走をしているときにドーパミンが放出されることによって感じる快感です。肉体的なつらさをカバーするために報酬系の脳内ホルモンが放出されたのです。

うつ病はこの脳内ホルモンの不調で、楽しいとか気持ちいいという報酬系が機能しなくなっている状態です。そうなると、今まで夢中だった趣味にも興味がもてなくなって、見向きもしなくなることがあります。

うれしい、楽しい、優越感を感じる、自分は何でもできると感じる―理由や根拠のあるなしに関わらずこういう気持ちにさせるのが脳の「報酬」です。むやみにこれが強くて多幸感がある人というも周りが迷惑することがありますが、まったく報酬が得られない脳の状態というのは、本人にとって非常につらいものです。

生きていても仕方がない、と思うのもこういうときです。何をしても楽しくない状態が続くようなら1日も早く医師の診断を受けて、必要な治療を始めることが大切です。

うつ病で涙もろくなりますか

わけもなく悲しい、というのはうつ病の典型的な症状の1つです。そんなときには男性でも涙をぼろぼろ流して泣くことがあります。ただしうつ病が重症になると泣く元気もなくなることがあるので、涙もろいのはまだそれほど重症化していないとも言えます。

また、同じ気分障害ですがうつ病(大うつ性障害)とは区別される非定型うつ病でも、涙もろくなる症状があります。女性の場合は月経前症候群でも、感情の変動が大きくなって突然泣き出すなどの症状が出ることがあります。

うつ病で被害妄想になることはありますか

妄想は統合失調症によく出る症状ですが、うつ病も重症になると妄想が出ることがあります。うつ病の妄想は誇大妄想の逆の「微小妄想」が特徴です。

微小妄想とは、現実よりも自分を過小評価してしまう妄想で、その中には次のようなものがあります。

・心気妄想 自分を病気だと思い込む
・貧困妄想 自分を貧乏だと思い込む
・罪業妄想 悪いのは自分だと思い込む

このような妄想は、根拠がなく、事実と反するだけに、かえって訂正が困難です。

命を狙われているとか盗聴されているというような被害妄想は統合失調症に典型的な症状です。うつ病の場合は、自分が悪いと思う気持ちからみんなが自分を非難しているように思うなど、微小妄想が被害妄想的な表現を借りて現れていることが多いと思われます。

うつ病の症状でイライラすることがありますか

焦燥感、イライラの症状は同じ気分障害でもうつ病ではなく、双極性障害の躁状態のときに多い症状です。また大うつ病(いわゆるうつ病)ではなく非定型うつ病では、イライラはよく見られる症状です。うつ病の重症のときはイライラする元気もなくなるのが普通です。

うつ病でイライラの症状が現れることがあるのは、抗うつ剤の飲み始めの時期です。自分に合う抗うつ剤を見つけるまでには時間がかかることがあるので、医師の指示に従って辛抱づよく治療することが大切です。

また、自己判断で薬の量を減らしたり止めたりすると、イライラやそれ以上の危険な症状が出ることがあるので、勝手に薬の量を変えることはつつしみましょう。

うつ病で息苦しくなることはありますか

うつ病の身体症状には実にさまざまなものがあり、どれといって当てはまらないものはないとも言えます。それは、うつ病の原因が脳内ホルモンのバランスのわるさで、それが自律神経に影響を与えるからです。女性の更年期障害に不定愁訴ともいわれるさまざまな症状があるのとよく似ています。

したがって、メジャーな症状とはいえませんが、うつ病で息苦しいという症状がでることはあります。精神障害で息苦しさがメジャーな症状の病気というとパニック障害があります。激しい動悸や息苦しさに驚いて救急車を呼ぶと、病院に着くころには収まっているというのが典型的なパニック発作です。

整体院のホームページなどでは、<うつ病―筋肉(横隔膜)の緊張―息苦しさ>という関係がよく論じられています。整体やマッサージで筋肉の緊張をほぐすことは、うつ病の治療のメインにはなりませんが、その補助としては考えられます。

うつ病でむくみますか?

むくみはうつ病のメジャーな症状ではありませんが、うつ病になると自律神経の失調を起こしやすいこと、運動不足になりがちなことなどから、顔や手足にむくみが出ることがあります。

また、むくみは女性に多い症状です。女性にむくみが出やすいのは、月経時のホルモンバランスの変化や、第二の心臓といわれるふくらはぎや太ももの筋肉が男性に比べて細いのが理由です。うつ病も女性は男性の約2倍の患者がいる、女性がかかりやすい病気です。したがって、因果関係がなくても女性のうつ病の患者にむくみが併発することはめずらしくありません。

うつ病でむくみが出るのは、抗うつ剤の副作用のことが多いと考えられます。むくみの程度も出る場所も人によって違いますが、抗うつ剤の飲み始めの時期にむくみが出ることがあります。

飲み慣れるにしたがって副作用は軽減することが多いのですが、症状が重い場合は医師に相談してください。抗うつ剤の種類を変えるなどの対策をしてくれます。自己判断で薬の服用を止めてしまうのは、うつ病の方が重症化するリスクがあります。

抗うつ剤で抜け毛が増えますか

抗うつ剤には多くの種類がありますが、その副作用として脱毛が報告されているものは多くはありません。四環系抗うつ剤ではマプロチリン塩酸塩が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)ではマレイン酸フルボキサミンが、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)では塩酸ミルナシプランが指摘されている程度です。

また、うつ病によくある症状として脱毛はあげられていませんが、ストレスから自己免疫で円形脱毛症になることがあるように、うつ病が何らかの影響を与えて、脱毛が増えることがないとは言えません。

男性の場合はうつ病とAGAが因果関係なしに併発することはめずらしくありません。また、仮に抗うつ剤が脱毛に関係しているとしても、自己判断で服用を中止するとうつ病の症状が悪化し、自殺企図などもっと重大な症状が出てくる恐れがあります。

うつ病の過眠症って?

過眠症とは「1日10時間以上寝ても眠たくて、昼間がまんできない眠気が襲う」という症状です。こういう症状が週に3日以上あるようなら「過眠症」と診断されます。

うつ病の典型的な症状に不眠がありますが、若い人のうつ病や軽症の段階では過眠の症状が出ることがあります。また、同じ気分障害でもいわゆるうつ病(大うつ病)とは区別されている、非定型うつ病(新型うつ病)や冬季うつ病などでは、不眠よりも過眠の症状が多く出ます。

非定型うつ病とは、若い世代に多い気分障害で、過眠の症状が出るほか、過食の傾向が出る、午前中よりも午後や夜の方が気分が落ち込む、仕事の意欲は低下するが趣味ならやる気が出る、など大うつ病とは異なる症状がいろいろあります。

非定型うつ病の治療では薬物療法の他に、軽い運動や昼夜逆転した生活リズムの改善などの生活改善も重視されます。

昼間の突発的な眠気は重大な産業事故や交通事故の原因になることがあります。過眠症の原因にはうつ病や非定型うつ病などの他に、睡眠時無呼吸症候群などの身体の病気の場合もあるので注意してください。

うつ病で過食になることはありますか?

うつ病になると、たいていは食欲がなくなって体重も減ってしまいます。しかし、うつ病(大うつ病)とは臨床的に区別されている「非定型うつ病」では、むしろ過食で体重が増えるのという症状が多くなります。

非定型うつ病は20~30代の若い年齢に多い気分障害です。うつ病は男性よりも女性の患者が2倍くらい多い病気ですが、非定型うつ病はその差がもっと開き3~5倍女性の方が多くなります。

うつ病との違いは過食の傾向が出る他に、不眠よりも過眠の症状が出やすい、午前中よりも夜に気分が落ち込む、ふだんは落ち込んでいるが好きなことをすると元気になる、などいろいろあります。

非定型うつ病の過食傾向は、拒食症の裏返しとしての過食症とは違い、嘔吐しながら食べ続けるということはありません。しかし、食べることでストレスを解消したいという欲求が大きく、とくに甘いものが無性に欲しくなる傾向があります。

非定型うつ病が原因の過食傾向は「ダイエットの意志」だけで止めることは困難で、結局誘惑に負けてさらに落ち込むことになります。病気を治療することで自然に過食傾向はなくなります。

非定型うつ病に使われる治療薬は?

非定型うつ病の薬物療法には、抗うつ剤(セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や三環系抗うつ剤)のほか、安定剤、抗精神病薬、抗不安薬、睡眠導入剤などが用いられます。

非定型うつ病の薬物療法は通常1年ほどはかかるため、継続して服用が必要となります。非定型うつ病の場合、通常のうつ病とは症状が異なり、SSRIに代表される抗うつ剤の投与のみでは十分な効果が得られないと言われます。

非定型うつ病の治療に選択されるお薬は以下が含まれます。

・SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬):ジェイゾロフト、パキシル、レクサプロ、プロザックなど。
・三環系抗うつ剤:アナフラニール、イミドールなど
・抗精神病薬:リスパダールなど
・睡眠薬、抗不安薬:デパスジェネリック、サイレース、レンドルミン、メイラックスなど

産後うつとは何ですか

産後うつは、妊娠中に豊富に分泌されていたエストロゲンの分泌が妊娠前に戻ることによる、ホルモンバランスの急激な変化が原因です。産後の女性の10~20%に発症すると言われます。多くは1年以内に回復しますが、軽く考えて放置すると重症化することがあります。

産後うつで以下のような症状が出ます。

・気分の落ちこみ・不安
・イライラ
・不眠(逆に過眠の症状が出ることもあります)
・疲労感
・食欲不振
・赤ちゃんに愛情がわかない
・自己否定的になり、自分に値打ちがないと思う

産後うつは、出産した産婦人科や地域の子育て支援センターなどで相談することができます。また、家族の協力が重症化を防ぐためにたいへん重要です。とくに夫が子育てに理解を示し、その負担を分担することが妻の精神の安定に欠かせません。

うつ病と統合失調症の違いは

うつ病と統合失調症は日本人ではもっとも患者数が多い精神疾患です。平成23年の厚生労働省の患者調査では、医療機関を受診したうつ病患者は約95万人、統合失調症の患者は約71万人となっています。

うつ病と統合失調症は異なる病気ですが、統合失調症の陰性症状に抑うつ症状があり、うつ病とまぎらわしい点があります。陽性症状には双極性障害の躁状態とまぎらわしい点があります。

<うつ病と統合失調症の違い>
・自分が病気であるという自覚は、うつ病にはあるが統合失調症にはないことが多い。
・統合失調症には幻視や幻聴などの幻覚があるが、うつ病にはない。
・統合失調症の特徴的な症状に被害妄想があるが、うつ病にはない。
・うつ病の妄想の特徴は「微小妄想」といわれるもので、自分が悪いと思い込む罪業妄想や貧乏だと思い込む貧困妄想などがある。
・うつ病には「抗うつ薬」が効くが、統合失調症には効かない。
・統合失調症には「抗精神病薬」が効くが、うつ病には効かない。

うつ病になりやすい性格は

真面目で几帳面な人がうつ病になりやすいとよく言われますが、このような発病前の性格にうつ病の原因があるとする考え方を「病前性格論」といいます。とくに、几帳面、完璧主義、責任感が強い、他人に気をつかいすぎるなどの「メランコリー親和型性格 」がうつ病を発症しやすい性格だという仮説は、統計的に有意として支持されてきました。

しかし最近は、メランコリー親和型には属さない性格の人のうつ病が増えて、この仮説の有効性は否定されつつあります。どんな性格の人でもうつ病になりうるし、心理的な原因が見つからないうつ病も多いというのが現代のうつ病に関する常識です。

うつ病の原因として現在有力視されているのは、上記のような「心理学的仮説」ではなく、「生物学的仮説」の1つである「モノアミン仮説」です。これはうつ病の原因は脳内神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンの不足によっておこるという説です。

ただしこの説も「セロトニンなどを増やす抗うつ剤がうつ病の症状改善に効果がある」ということから立てられた仮設で、その機序が明らかになっているわけではありません。

女性は男性よりもうつ病になりやすく患者数は約2倍います。その理由は月経、閉経、妊娠・出産などのホルモンバランスの変化によって、脳内物質の分泌に影響が出るためと考えられています。このことからも、うつ病を性格からくる病気とだけ考えるのは間違いであることが分ります。

うつ病と自傷行為の関係は

自傷行為については、いろいろ誤解されていることがあります。まず、自傷行為は自殺の失敗ではないということを知っておく必要があります。自傷行為をする人に死ぬ気はありません。

うつ病は重症になると、自傷行為ではなく自殺を図るようになります。自分に生きている値打ちがない、自分が生きていることで他人に迷惑をかける、などの考えに取りつかれ、ほんとうに自殺してしまう危険があるのがうつ病です。手段もリストカットなどではなく、確実に死ねると思う方法を選びます。

自傷行為は実行した後に一種の解放感やカタルシスがあります。自殺の失敗の場合は、そのような満足感に似た感情はわかず、失敗によってさらに落ち込むことになります。

自傷行為はある意味で「生きたい」というサインであり、訴えですが、うつ病の自殺企図は自分の存在をこの世から抹殺したいと本気で思っています。

したがって自傷行為はうつ病のメジャーな症状ではありません。自傷行為がよく見られるのは境界性人格障害といわれる病気で、児童虐待や性的虐待を経験した人などに多いと言われています。

うつ病で車の運転をしていいの

2012年に京都の祇園で軽ワゴン車が暴走して8人が死亡した事故がありました。原因は運転していた男性がてんかんの発作を起こして意識不明になったことでした。この事故を受けて、2014年に精神障害の患者の車の運転に関する2つの法律が施行されました。それが、以下の2つです。

1.自転車運転死傷行為処罰法
2.改正道路交通法

①は下記のどれかの病気にかかっていて、車の運転が危険だと自分でもわかっていながら事故を起こしたときの罰則です。人を死亡させた場合に懲役15年以下、負傷させた場合に同12年以下となっています。

・統合失調症
・低血糖症
・躁うつ病(うつ病含む)
・再発性失神
・重度の睡眠障害
・意識や運動の障害を伴うてんかん

②は、公安委員会が運転に支障を及ぼす症状のある運転者へ、その病気に該当するか判断するための質問票を交付する事ができるという法律です。それによって公安委員会は一定期間(3ケ月以内)免許を停止することができます。

この2つの法律は施行されたばかりで、現実にどのように運用されるかは未知数です。精神疾患と交通事故の因果関係の判断は、実際にはたいへん難しいケースが多いと考えられます。うつ病のどのような症状が、車の運転が危険だと判断すべきかは、医師にとっても難しいと思われます。しかし、自己判断はもっと危険なので、うつ病で車の運転に支障があるかもしれないと思うときは医師に相談する必要があります。

うつ病は遺伝しますか?

親がうつ病を発症したことがあれば、その子供のうつ病の生涯有病率は10~20%あると言われています。親の病歴を考慮しないうつ病の生涯有病率は7.5%なので、うつ病に遺伝的要素はあると言わなければなりません。

しかし、例えば色弱の場合は親から子に遺伝する確率は決定されていますが、うつ病は遺伝以外の要素がいろいろ関係しているので、同じ遺伝子を持っている双子でも発症する人もいればしない人もいます。

性格や体質がある程度親に似るのは当然なので、うつ病の遺伝もその程度と考えてよいでしょう。それを不安材料にするのではなく、親の経験を予防的に生かすことが大切です。

自分で気づく、あるいは家族が気づく「うつ病のサイン」とは?

<自分で気づく、心の変化>
・理由もなく憂うつな気分になる。
・それまで夢中になっていた趣味に興味がわかなくなる。
・テレビを見ても面白く感じない。
・新聞を読む気がしない。
・他人となるべく会いたくない。
・物事を悲観的に見る。
・自分が周囲に迷惑をかけていると思う。
・生きていても仕方ないと思う。

<自分で気づく、身体の変化>
・よく眠れなくなる。不眠症(寝付けない、深夜や早朝目が覚める)
・疲れやすく、疲れが取れない。
・食欲がなく、何を食べてもおいしく感じない。
・頭痛や肩の痛みなど、原因のわからない身体の痛みがある。
・朝起きれなくて、会社や学校に行けない。
・風呂に入る、ひげを剃るなどの日常生活が面倒になる。

<家族が気づく変化>
・口数が減った。
・外出しなくなった。
・学校や会社を休むようになった。
・今まで好きだった趣味を見向きもしなくなった。
・テレビや新聞を見なくなった。
・何もせずボンヤリしていることが増えた
・風呂に入りたがらず、ひげも剃らない。
・「オレはダメな人間だ」とか「死にたい」などと口にする。

これらの一つひとつは誰にでもあることですが、いくつかの症状が2週間以上も続いているようなら、うつ病の可能性が高いと言えます。うつ病はできるだけ早く治療を始めることで、早く治り再発のリスクも減らすことができます。