ステロイド剤の誤解を解こう | くすりエクスプレスの教えてヘルスケア

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公開日: 2018/02/27

ステロイド剤とは

ステロイド外用薬はアトピー性皮膚炎などのアレルギー性皮膚炎の治療には欠かせない薬ですが、副作用について誤解している人も多く、正しい知識にもとづく正しい使用が求められます。

副腎で作られる副腎皮質ホルモンはステロイド環という化学構造をもつのでステロイドホルモンと呼ばれます。このステロイドホルモンは免疫を抑制して炎症をしずめる作用があり、これを配合した薬がリュウマチや膠原病などの難病に非常によく効くことが分って「奇跡の薬」と呼ばれました。薬としてのステロイドはいまは合成副腎皮質ホルモンです。

しかし、ステロイドはもともと人の身体の成分の1つではありますが、長期間内服すると重い副作用がいろいろあることが分り、副作用が出ないようにコントロールしながら服用することが必要になりました。

赤ちゃんや成人のアトピー性皮膚炎にもステロイドは劇的な効果を示しますが、内服による副作用をさけるために外用薬が開発されました。しかし、一時期マスコミがステロイドの副作用を訴えるキャンペーンを行ったせいもあり、内服薬の副作用が外用薬にもあるとする誤解が広がりました。

しかしステロイド外用薬には、長期間内服したときの副作用はまったく関係がありません。また、ステロイド外用薬を使用せずにアトピーを治療しようとすると赤ちゃんもお母さんも非常に苦労してなお成果が上がらないということになりがちです。

ステロイド外用薬は日本皮膚科学会の『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』で、効き目の強さによって5段階に区別されています。

1 最も強い(strongest)
2 非常に強い(very strong)
3 強い(strong)
4 普通(medium)
5 弱い(weak)

このうち1と2は病院で処方されるもので、薬局で購入できるのは3,4,5の3種類です。3のストロングタイプは皮膚が赤く炎症を起こしたりただれたりしているときに使います。4,5のミディアム、ウィークタイプは症状が軽いとき、あるいはデリケートな部分の皮膚や赤ちゃんの肌に使います。

ステロイド外用薬はこわがって症状に合わない弱い薬を使ったり、塗る量が足りなかったりすると治療が長びいてかえって良くない結果になります。症状にあった薬を選び、薬の説明書にしたがって必要な量をぬるようにしましょう。

ステロイドへのネガティブキャンペーン

ステロイドはこわい薬だというイメージは日本人に、とくに日本のお母さんたちに広がっています。その原因は1990年代にマスコミがステロイドの副作用について警告するかなり大々的なキャンペーンを行なったことにあります。

しかし、そのキャンペーンはリュウマチや膠原病などの治療に使う内服薬の副作用をアトピー性皮膚炎などに使う外用薬にもあるように言うという大きな間違いを犯していました。この間違いに乗じたのが「アトピービジネス」といわれるものです。

これはアトピー性皮膚炎の赤ちゃんの症状に悩んでいるお母さんに、ステロイドはこわいから○○をお使いなさいと、高額であまり科学的根拠のない商品を販売するビジネスです。

ムーンフェイスは内服薬の副作用

免疫機能が自分の身体を攻撃するのが自己免疫疾患というやっかいな病気で、リュウマチ、膠原病など難病といわれる病気が多いのが特徴です。ステロイドは副腎皮質から発見された免疫機能を抑制する物質で、関節リュウマチの痛みを抑える大きな効果を発揮して「奇跡の薬」と言われました。1950年にはこの薬の開発に寄与した3人の学者がノーベル医学・生理学賞を受賞しています。

しかし、この薬には長期間多量に内服すると顔に脂肪が沈着して丸くなるムーンフェイスという特異な副作用があることが分りました。この他、免疫を抑える薬なので感染症にかかりやすくなるというリスクがあります。骨粗しょう症、糖尿病、血栓症などの副作用が出る場合もあります。

したがって医師はこれらの副作用に注意しながら、内服薬や点滴によるステロイドの投与を行ないます。

アトピー性皮膚炎の治療にステロイド外用薬は必須の薬

しかし、これらの内服薬での副作用を、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性皮膚炎に使うステロイド外用薬でも混同して云々するのはナンセンスです。故意に混同するのは悪質です。ステロイド外用薬は免疫過敏性の皮膚炎には劇的な効果を発揮して短期間に炎症をしずめます。上記のような副作用の心配はまったくありません。

ステロイド剤を使わずにアトピー性皮膚炎を治療するのは非常に困難で、余計な苦労をすることになります。また、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎をお母さんがステロイド剤を使わずに治そうとするのは、赤ちゃんが可愛そうと言わざるをえません。

間違ったマスコミのキャンペーンから生まれた誤解

ステロイド外用薬はアトピー性皮膚炎などのアレルギー性の炎症には欠かせない治療薬です。免疫の過剰反応を抑制してすみやかに腫れや痒みなどの炎症を抑える効果があります。しかし、一方ではステロイド剤はこわい副作用があるから使うべきではないという人がいて、自分や赤ちゃんのアトピー性皮膚炎をステロイド剤を使わずに治そうと苦労している人がいます。

ステロイド外用薬はこわい薬だというネガティブキャンペーンは、最初は悪意のないマスコミの報道から始まりました。1990年代のことです。悪意はないけれど、センセーショナルに正確さを欠く報道をしたために、一般人の間に誤解が広まりました。

内服薬の副作用との混同が目立つ

このマスコミのキャンペーンのいちばんの問題点は、膠原病などの治療に使うステロイド内服薬の副作用を、アトピー性皮膚炎などの治療に使う外用薬にもあるかのように報道したことです。記者の知識不足と大げさな物言いがあいまって、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんを持つお母さん方の多くに間違った知識を与えてしまいました。

この間違いを利用して「ステロイド剤を使わないでアトピーを治そう」といういわゆる「アトピービジネス」も登場して、ステロイド外用剤に対する誤解はさらに広まりました。

ステロイド剤の副作用として指摘されている、脂肪の蓄積によるムーンフェイス、カルシウムを排泄してしまうことによる骨粗しょう症、糖代謝の異常による糖尿病などは、すべて点滴や内服薬として長期間、大量に投与したときの副作用です。皮膚が黒くなるというのもそうです。

ステロイド外用薬を使わずにアトピーを治す苦労

ステロイド外用薬は以上のような副作用には無縁ですし、正しく使えばその他の副作用も心配ありません。むしろ、ステロイド外用薬を使わずにアトピー性皮膚炎を治療しようとするのは赤ちゃんやお母さんの生活の質を著しく低下させることになります。

ステロイド外用薬は短期間で効果を発揮する薬なので、連続使用は1週間くらいにし、それで効果がみられない場合は他の原因なども考えられるので、いちど医師に相談しましょう。使用する量は、少なすぎると効果が出にくいときがあるので必要なだけの量をきちんと使うようにしましょう。

ステロイド剤はなぜ効くの?

ステロイド外用剤つまりステロイドを配合した塗り薬は、皮膚の痒みや炎症をすばやく抑える、たいへんよく効く薬です。その理由はステロイド剤には人の免疫機能を抑制する作用があるからです。

皮膚の炎症は侵入したばい菌などの異物を排除しようとする免疫機能の集中攻撃によって生じます。この免疫機能はもちろん大切なのですが、いつも適正な規模で作用するとは限りません。たいした悪さをしないコソ泥をバズーカ砲で吹き飛ばそうとするような過剰反応をすることがあります。アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎などはその例です。

この過剰な免疫反応を抑制すると皮膚の赤み、痒み、腫れ、熱などの炎症症状はすみやかに鎮静します。

ステロイド剤を使えないケースとは?

したがって、免疫機能を抑制してはいけない場合はステロイド剤は使えません。水虫やカンジダなどの真菌類(カビ)の繁殖による皮膚の病気にステロイド剤を使用すると、白癬菌やカンジダ菌の繁殖を助長して症状が悪化します。

ニキビや毛嚢炎など細菌の繁殖が原因の皮膚病にも使えません。これらの「皮膚感染症」で、免疫力を抑制する薬が使えないのは当然です。ステロイド剤がもっとも活躍するのは免疫の過剰によって生じるアレルギー性の炎症です。

ステロイド剤は怖いと思っている人が多いのはなぜ?

ステロイド剤を使用しないでアトピー性皮膚炎を治療しようとすると悲惨なことになります。お母さんがそう思っていせいで症状を悪化させている赤ちゃんは本当に気の毒です。

ステロイドは1948年に発見され、リュウマチに苦しむ人々を救う「奇跡の薬」と呼ばれ、発見者はノーベル医学賞をもらいました。しかし当時は、ステロイドは副腎皮質ホルモンという人体にもともとあるものだから副作用はあまりないと考えられて、安易に多用される傾向がありました。その結果問題になったのが骨粗しょう症やなどのステロイドの重篤な副作用です。

しかし、その後ステロイドの副作用についても研究が進み、内服薬ではなく副作用の少ない外用薬も開発されたので、誤った使い方をしない限り副作用の心配はなくなりました。

いまだにステロイド剤は怖いというイメージがあるのは、一時期のマスコミの取り上げ方と、ステロイドへのネガティブキャンペーンで商品を販売しようとする「アトピー商法」の影響と思われます。

症状に合わせた強さのステロイド剤を使う

ステロイド外用剤には免疫抑制の強さに応じで5段階にランク分けされています。その選択や使い方は次のような点を考慮することが必要です。

顔・瞼・首・陰部は吸収比率が高いので、強いステロイド剤は使わない。
ただし、弱いステロイド剤を長期間使うより、適当な強さのものを使って短期間で治す方が望ましいので、医師に相談して適当なレベルの薬を選ぶ。
おそるおそる少しずつ塗るのではなく、適当な分量をしっかり塗って短期間で治す。