公開日: 2018/06/06

飲み続けると効き目がわるくなる「薬物耐性」がない

お酒は飲み慣れるとだんだん強くなってきます。これは逆に言うと、アルコールの効き目が弱くなったということです。頭痛薬もあまりひんぱんに使うと効き目がわるくなってきます。それどころか頭痛の頻度そのものが多くなります。

では、バイアグラなどのED治療薬はどうでしょうか。もしそうだとすると、いざというときのためにふだんはなるべく使わない方が良いということになります。

しかし、ED治療薬には、反復投与することで効きにくくなる「薬剤耐性」はありません。むしろ連続的な投与で効果が大きくなることが明らかになってきました。

そのもっとも良い例は、ED治療薬のシアリス(成分はタダラフィル)をEDを併発している糖尿病患者に4週間連日投与したところ、EDの改善が進み、さらに服用を中止した後も数週間その効果が持続したという実験結果です。

これは「性行為の前に服用する」というED治療薬の頓服としての処方を、連日服用してEDそのものを根本的に治療するという処方にまで拡大する可能性のある結果です。

連続服用で血管が若返る?

ED治療薬に勃起をサポートする作用があるのは、血管内皮から一酸化窒素が産生されるのをうながして、それによって血管平滑筋をゆるめて血管を広げるからです。これは血管を柔らかくすると言っても同じです。

ED治療薬は飲んだときだけ血管を柔らかくする、というのが現在認められている処方ですが、今後は連日投与によってEDを根本的に治療する処方や、それ以上に動脈硬化を治療する薬としても認められる可能性があります。

バイアグラでも、その一酸化窒素の産生能力が動脈硬化を改善する、あるいは重症の心不全の治療に役立などの報告もあります。

またシアリスは日本でも前立腺肥大の治療薬として健康保険の適用が認可されています。これらはすべて、毎日一定量のED治療薬の成分であるタダラフィルやシルデナフィルを服用する治療です。

生活習慣病の糖尿病や高血圧の薬なら、なるべく薬は飲まないで生活習慣を変えることで症状を改善しようという考え方もありますが、EDの場合はその反対に症状が軽いうちから飲みはじめることで、重症化を防ぐだけでなく血管能力のアンチエイジングも期待できるのです。

ED治療薬でペニスのリハビリ

ED治療薬は前立腺肥大の手術後の陰茎リハビリテーションにも使用されています。前立腺肥大の手術を受けると、神経温存手術を選択しても一時的に勃起不能になります。

その間まったく勃起させないと陰茎海綿体のスポンジ能力が低下するので、そのリハビリとしてED治療薬が使われています。

ペニスは定期的に勃起させないとその能力が劣化します。ED治療薬を早めに使いだすことで男性の「現役期間」を長くすることが期待できるのです。

不安、緊張でED治療薬の効果が落ちる?

セックスで過去にうまく勃起できなかった、途中で硬さがなくなり中折れしたなどの経験はある意味「トラウマ」として脳裏に残り、次もまた同じように勃起できずにセックスで失敗するのではないかという不安を感じます。

不安や緊張などは自律神経の「交感神経」が優勢になっている状態で、神経がピリピリした状態になり、勃起の邪魔をします。

そういった場合、ED治療薬の効果が落ちやすく、セックスにはリラックス状態(いわゆる自律神経の副交感神経が優勢な状態)が必要なのです。

不安や緊張でED治療薬の効果がいまいちという方は「安定剤」による心身のリラックス効果を利用することができます。

EDクリニックではバイアグラなどED治療薬の処方と同時に、上記のような不安があるかたには「安定剤」を処方してくれます。

デパスなど、マイナートランキライザーと呼ばれるお薬で、緊張を解いて睡眠導入剤としても使われるお薬です。

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